身体・感覚とアート

2009/05/08(金)07:04

イメージを自分へ取り込む

身体・感覚(46)

自分という強力なフィルター。 これが「表現」に大きくかかわってくるのです。 <レモンを描け>と言われたら、 輪郭を描いて、色を塗って、おしまい? いえいえ、レモンは、 独特の香り、皮のつや、かじったら酸っぱいという味・・・ いろんな要素を複雑に持っているひとつの存在。 自分というフィルターを通して レモンの存在自体を味わって描くと、 そこには「自分だけのレモン」 があらわれてきます。 ものの存在の深み、幅、複雑さ・・・ 「自分の感覚で触れる」と、 目の前のカップひとつも、 さまざまな言葉で私たちに語りかけてくれます。 ドイツの美術教育者、イッテンは生徒にこう言いました。 「君たちはその造形活動において、レモンのもっている本質的なもの、 内在的なものを描くことができたのですか?」 参考:「造形芸術の基礎」ヨハネス・イッテン著 手塚又四郎訳 美術出版社

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る