2009/05/08(金)07:04
イメージを自分へ取り込む
自分という強力なフィルター。
これが「表現」に大きくかかわってくるのです。
<レモンを描け>と言われたら、
輪郭を描いて、色を塗って、おしまい?
いえいえ、レモンは、
独特の香り、皮のつや、かじったら酸っぱいという味・・・
いろんな要素を複雑に持っているひとつの存在。
自分というフィルターを通して
レモンの存在自体を味わって描くと、
そこには「自分だけのレモン」
があらわれてきます。
ものの存在の深み、幅、複雑さ・・・
「自分の感覚で触れる」と、
目の前のカップひとつも、
さまざまな言葉で私たちに語りかけてくれます。
ドイツの美術教育者、イッテンは生徒にこう言いました。
「君たちはその造形活動において、レモンのもっている本質的なもの、
内在的なものを描くことができたのですか?」
参考:「造形芸術の基礎」ヨハネス・イッテン著 手塚又四郎訳 美術出版社