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カテゴリ:韓国留学
日本が占領していた時代を伝える建物として、歴史館になっている。日本人3人で行って、自分ともうひとりは中国留学を経験していてハルピンの731部隊の施設にも行ったことがある。
入り口は日本が建てた当時の壁が残っていて、ハルピンの施設と煉瓦の積み方や印象が似ている。1500ウォンで入場できる。韓国語と英語の説明は大体についていて、日本語の説明も数カ所を除いてはついている。 韓国の独立のために運動をした愛国烈士たちが紹介されている。その人たちがどんな訴状で刑務所に入ることになったのかも資料が並んでいる。刑務所の独房を模した中に人形があって、ずっと「万歳(マンセー)」を叫んでいたり。実際に収容された人は拷問や仕打ちに対抗して、独房の中からも独立を叫んでいたらしい。 日本が独立運動家たちを痛めつけるためにどんな方法を採ったか、どんな拷問をしたか、どんな非人道的な場所に閉じこめたか、等身大の人形や再現モデルで展示してある。ツアーで来ているらしい韓国のおばあちゃんたちに囲まれたときはちょっと怖かった。日本語を話せなかった。 友達から離れて見ていたけれど、友達はおばちゃんの中のひとりに「何人死んだと思ってるんだ」みたいなことを、今さっき言われたらしい。そう言われたら何も言えない。 おばちゃんたちは子細に見るわけではなく、結構スルーしているので「そんなものか」とも思ったけれど、実際に体験している世代だと思うので今さらつらいことを思い出したくないのかもしれない。壁には韓国語で日本に対する罵詈雑言がたくさん落書きされている。 不当な裁判でその場で死刑にされてしまう体験ができる場所や、爪にダメージを与える拷問や、電気ショックを与える場面なんかも人形で再現されている。女性が痛めつけられている場面もある。いろんな台詞や悲鳴がテープで流れている。言葉がわかったらもっと気持ちが沈んだと思う。実際の死刑場も残されている。 地球の歩き方には「誇張気味に再現」とあったけれど、実際に自分が感じたのは「たぶんもっと残酷でひどいことをしていただろう」ということ。それでも国が無くなってしまうことに比べればまだ耐えうると考えて、抵抗を続けていた韓国の人がたくさんいる。国が無くなるという感覚は、日本で生まれ育っていると本当に実感がない。力のあらん限り「マンセー」を叫び続けている人形を見ると、そのときの韓国の必死な状態が前よりもわかるような気がした。 731とはまた違う印象だった。重かった。人を苦しめる目的で作った施設だったせいかもしれない。友達と「なんで同じ人間なのに、どうすれば苦しむとかどうすれば痛いと思うかとか考えるんだろうね」と話をした。日本人だからというよりも、戦争や国と国が争うような状況下では人間が変質していってしまうんじゃないかという話になった。 重いまま、近所のインサドンに行き。そこで国営のおみやげ屋さんに入ってモノを買う。お姉さんが日本語ペラペラな人で、包装してくれているときに話を聞けた。友達は自分よりヒアリングができるので、それを後ろからついていって聞いている感じだったけれど。 お姉さんは留学したこともないし本を買ったこともないけど、日本のドラマが好きでずっと見ていたのだという。でもそれだけでこんなに話せるのか。それと自分のヒアリングのなさを痛感。ここで勉強はしているけれど、実際に触れて交流する時間が少なかったのは確か。中国語のほうが出番が多かった。日本に戻ってもたくさん聞き続けることはやらないと。 刑務所で重たい気持ちになったけれど、明るいお姉さんに会えたのでよかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年03月21日 21時23分38秒
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