『不肖・宮嶋 史上最低の作戦』宮嶋茂樹(文春文庫PLUS)
カメラマン宮嶋氏の文庫本です。タイトルどおり、いろんな作戦を遂行してます(笑)第1章は世界中を駆け巡って遂行されたもの。たとえばノルマンディー上陸。宮嶋氏は彼の地で軍服を着てドイツ軍の鉄カブトをかぶり、日の丸を振るという…。私ならこんなこと、できません。恐ろしくて。次の作戦は北朝鮮上陸。これが!すごいのなんのって。一応観光で入国してるんですけど、まあやってることが…。しかも万寿台のあの金日成の銅像の前で同じポーズで写真を撮るとは…。宮嶋氏は無事成功しましたが、後日同じことをしたアメリカ人はとっ捕まったそうです。第2章は自衛隊関連の作戦。冬の八甲田山で地獄を見たり、硫黄島で塹壕の中に入ってみたり、伊豆半島でのレンジャー訓練に参加したり。宮嶋さん、カメラマンにならなかったら自衛隊にいたんじゃないかと思うぐらいです。レンジャー訓練なども最初から最後まで完全同行取材です。すごいですね~。レンジャー訓練なんて4泊5日だったそうですが、その間ほとんど歩き詰め。休憩なんて本の数分。よく自衛隊の人たちに最後までついていけたものだと感心します。さすが!八甲田山の訓練のときも、猛吹雪の中遭難の一歩手前の状態でよくがんばったものだと思います。私ならそもそも吹雪いてたら参加しません。寒いし辛いししんどいしで。宮嶋さんはいろんなところで自衛隊の人たちの取材をされてますが、まさかこんな訓練まで、しかも完全密着で!こう書くと辛い辛い話ばかりかと思われますが、ところがこの本の随所に笑える話があって、読後の印象はというと、「すごく面白かった」の一言に尽きます。