|
カテゴリ:おたく
以前オーディオマニアを糾弾したことがある。
ほんとに音楽好きじゃねえだろ。ただのフェテイッシュじゃねえの?もう目的が目的じゃないじゃん。 この言い方ではどうも糾弾にはならないようだ。「そうだよ。悪い?」とあっさり言い返すのがマニアだ。もとい、その糾弾すらも悦びに転嫁するのがやつらだ(たぶん)。それがとことん思い知らされたのが本書。 昭和レトロな表紙につられて購入。本好き、もとい本フェチ必読の書。さらに言うならコレクターなら(本にかぎらず)本書に「あるある」と激しく同意すること間違い無し。 読むためでなく集めるために集める。そのいさぎよさはもう手がつけられない。古本を愛し、愛でる様子は病気をとおりこして尊敬に値する。とにかく熱狂し暴走する著者は可愛い。笑える。 函がないから自分でつくるとか、このへんのマメさって凄い。本人にとってはふつうなんだろう。 著者のギャグにフェチネタが多いのは知っていたが。まさか本人そのものとは。江戸川乱歩が好きというのもうなずける。 本書で知ったのだが出版弾圧の厳しい時期に乱歩がつくった自分史のファイルがあるらしい。そしてその復刻版が売られ、また買う人がいるという世界があるらしい。と、「らしい」つづきでこういうのを聞くともうなにがなんだか。一流の武道家の対決をみているようだ。常人にははかりしれないヨロコビというのが世の中にはまだまだあるのだろう。 そもそもこの本が単行本化するにあたって限定で検印を押したモノを売ったところあっという間に売り切れたというエピソードも心温まる。って温まるのか。どこにいるのかマニア。 自分の中にはコレクター遺伝子はない!と思っていたが、これを読む限りほぼ理解の範疇にあるところをみると自信がなくなった。陰性というか覚醒していないだけのようだ。くわばらくわばら。 それともこれを痛みをもって読むようになったら、覚醒とみていいんだろう。うん、まだ大丈夫。・・・まだ。(♂) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年01月13日 22時10分56秒
[おたく] カテゴリの最新記事
|