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カテゴリ:批評
ときどき温い過去に赤面する。
高校生でもいい。大学生でもいい。あるいは会社員なりたてでもいい。その思い切りのなさはなんだよ!と裏拳をいれたくなる。勉強するならしろよ、とか、「らしいなにか」になってみろよ!とか。状況への浸り、直球っぷりが薄くていやになる。 熱くなれ当時のオレよ! 人生の選択。なんであの状況であーかねえ?という判断のしょうもなさにケリを入れたくなる。へんなところでたちどまって批評家精神を発揮している自分がいやになる。若さというよりDNAか?というと親のせいにしているようでいやだが。 まあアホなんだろう。当時もいまも。そしていまも間違いを繰り返しているのだろう、気づかないうちに。気づけよ。 というのは私だけではないはずだ。だれだって恥ずかしい過去がある。語ってみればたいしたことはない。恥ずかしい写真のようなものだ。本人にとっては重大でも他人にとってはどこが問題なのかまったくわからない。 他人にはいえるのに。自分のことになると背負ってしまうのはなぜだろう。 「マリモ-」はひどい酒の飲み方をするダメOLの、自己をみつめなおす物語。ダメっぷりがとにかく凄い。アル中というのとも違う。自己破壊するような飲み方とそれをみつめる男たちの微妙な関係。ダメ生活の中で暴走の原因を探そうとする、不器用さに共感。 軽蔑しきれない生き方がある。 自己破壊するにはなにかが足りなくて振り返る。そんな主人公が可愛い。置いてきた自分を探る旅に涙。リセット志向の「自分探し」とも違う、痛みをともなう旅。たぶん共感するのは「愛されていること」へ鈍感な傲慢な部分だ。こうやってふみにじって自分も暮らしているのだろうと思ったりして。 後者「美女-」はエッセイ。イラストレーターのドブみたいな生活の中でのパンクな感性なのだが、自分の生活とまったく接点がなさそうでもひきつけられてしまうのは現状からビッとしようとするヤンキーなセンスだ。「成りあがり」のエッセンスだ。松田優作とドラゴンをもとめるDNAだ。 マエムキって難しい。パワーをくれ。(♂) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年10月07日 01時56分18秒
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