|
カテゴリ:批評
6年前のベストセラーをいま読んでるオレってどうよ。読書のしかたもひとそれぞれではあるが、酒といっしょで6年間寝かせるのもオツだろう。そういうわけで気長に待ってろJ.K.ローリング!なんてね←買ってないけど。
15歳の少年が年上の女性に恋をして、やがて知る女性の秘密。あらすじをいってしまえばそれだけなのだが、秘密を知る前はその秘密。秘密を知ってからは近づけない事情。主人公と彼女の間に常に横たわる超えられない壁がせつない。つながっているはずなのに、つながりきらない絆。 不器用すぎる2人に、胸のつかえがとれない。いいたいのにいえない。いいたくないからべつのことをいう。それでもコトバだけがふたりをつなぐ。 時代のせいにできないような重苦しいテーマが根底にあって、うっすらと影をさす。終わりがみえない事件。涙で浄化できるようなものではない。ただただひっかかっている。秘密の恋を抱える少年時代と、彼女を知っていることそのものがうしろめたい青年期、自らの歴史と対峙しようとして困惑している国とが重なる。そんなもやもやを抱えて空をみあげれば雨が。 いったいいつ晴れるのか。(♂) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年05月25日 12時48分56秒
[批評] カテゴリの最新記事
|