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カテゴリ:家庭
不思議な本である。
文章も平易だし、登場人物も一話一話それほど多くない。それなのに中心に伊良部という強烈なキャラがいるだけで十分笑い、泣ける。喜怒哀楽がつまっている。 実生活でこんなみっともなくて身勝手で子供のような精神科医がいたら勘弁だが、小説という点においてはこのキャラクターは魅力的だ。 登場人物といっしょに困惑しながらいつのまにか癒されている。 「子供のような」と書いたが、たぶんこれは子供の魅力なのだ。映画の世界では子供と動物には勝てないという言い方をするそうだが、この小説もそうだ。なにしでかすかわからない。でもそこにいるだけで勝手に動き、世界を動かしていく。 勝手に動いている感じがしただけでこの作品は成功だ。ああ続きが読みたい。(♂) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年01月16日 22時55分36秒
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