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カテゴリ:妄想
地元の盆踊りで、ドサまわりの歌手に遭遇。
灰色のスーツ。白いエナメル。京本マサキみたいなヌルイ髪型。 なにもかも場にそぐわない。もっとも場に溶け込んだらプロモーションの意味はないが。 客のだれもが酒と闇に酔い、名前を知らないところであがるステージ。 考えただけで恐ろしい。無関心は反発よりもよっぽどキツいに違いない。 客商売はリアクションがすべてだ。 「客がいなけりゃドロップキックなんか痛くてできないよ」という天龍の台詞を思い出す。 この状況からモチベーションをあげるのがプロなんだろうか。 トークがはじまった。押しが弱い。自己紹介で口にした住所はうちと同じ。近所らしい。 みためは40前後。いまからのデビューとはいったいどんな人生をおくってきたのだろう。歌に託すほどのものなのか←余計なお世話。 さて肝心の歌だが。 演歌というにはポップすぎ、ポップスというには垢抜けない。強いていうなら「シティポップス」?死語のような気がする。 甘ったるいボーカルに曲があっていない。企画の問題もある。あくまで「も」だ。 エコーがかかりすぎているPAに文句をいうこともなく。 子供が走り回る会場に動じることもなく。 5月にだしたシングル1枚(2曲)を2回歌い、トークでつなぐ30分。半端な物真似とこなれてるとはいえないトークが痛い。 歌に専念させてやれよ。 もしかしたらかけだしのころに専念できないからこそやがて「うた」を歌えるようになるのだろうか。 だとすればあまりに苛酷だ。 こういった「アウェー」の場を与えられ、プレッシャーのない地獄に立ち、それを乗り越えてのみ、やがてホンモノの歌手になれるのだ。きっと。 それでもなお。 地域の民度の高さか、しっかりした拍手が鳴り響いた。ちゃんと聴いたひとの叩き方だ。 はたしてそれは彼の耳に届いただろうか。 「ささやかな拍手ありがとうございます」という自虐ネタをいっているようではたぶん聴こえていないのだろう。 がんばれ、とはいわない。それほどの義理もなければ「萌え」もない。 でもちゃんと歌えば。 本気で歌えば。 こんな場であっても。 必ずだれかちゃんと聴いているひとがいるよ。 とはいってあげたい。 自分には「本気」は伝わらなかった。だから客としてそんなことを考えた。 客をみろ。客を聴け。そこに歌がある。 ・・・なんちて。(♂) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年07月28日 22時58分41秒
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