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カテゴリ:批評
佐藤優氏が、国のためにと思えば思うほど順法精神は希薄になるということを書いていたが。
まさにそのとおり、と立証するかのような内容である。 瀬島龍三を中心に戦中から戦後の日本を追うレポート。 戦後のカネはどこからどこに流れていったのか? なぜ戦争に突入したか? という2点で非常に腹立たしく読む。 賠償という蜜に、ハイエナのように集った魑魅魍魎たち。 「コミッション」の名のもとに中抜きしようとする者達。 歴史の記述には残らない。「国交正常化に尽力した」という扱いになるのだろう。 自衛戦争だ、という主張の是非はさておき。 エリート「青年」達が自分達の主張に酔い、コントロールしきれなくなる描写が緻密な取材によって明らかになる。 軍事という部分でしか国家戦略をとらえられない視野のせまさ。現在の政治家が軍事の話となれば思考停止になる状況と似ている。 731まで拾う幅広い取材。 「不毛地帯」と同時に読むのがいいだろう。 戦後教育を受けた自分には8月15日をもってリセットされた、という意識があるが。 これを読むかぎり、戦争はその後も続いていたのだなあと思う。(♂) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年02月07日 02時40分38秒
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