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![]() (東映 『宮本武蔵 巌流島の決闘』 ) 御存知・・・ 吉川英治 の代表的長編小説 『宮本武蔵』 。 剣の修行を通して、 自己完成を目指す主人公 ・ 武蔵 と宿命のライバル ・ 佐々木小次郎 の対決。 巌流島の決闘 は、 全篇のクライマックスとして描かれます。 雄藩 ・ 細川家の指南役の座を射止めた小次郎であったが、 その胸中は鬱々として愉しまない。 晴れて、 天下一の兵法者たる評価を得るには、 どう有っても、 年来の好敵手である武蔵を倒さなくてはならないのである。 その一念は、 愈々退っ引きならない所まで来ていた。 武蔵は、 小次郎からの果し合いの申し出に応諾する。 ![]() (松竹 『宮本武蔵』 ) 決闘当日・・・ 慶長17 (1612) 年4月13日 ・・・。 巌流島へ向かわんとする武蔵に 婚約者 ・ お通 が追い縋る。 いや・・・! お通だけではない。 武蔵を仇と付け狙っていた お杉婆 。 更に、 竹馬の友の 又八 。 盗賊の娘 ・ 朱実 も現われる。 二人は、 何時の間にやら夫婦となり、 赤児まで設けている。 それまで四散していた登場人物達が、 一堂に会して、 武蔵の前に現われるのである。 物語が、 今しも大団円を迎えんとする間合い・・・。 何という 御都合主義 であろうか? 今までの経緯は、 スッカリ水に流したお杉婆。 現金なもので、 応援団長の如く振舞う。 「武蔵 (たけぞー) ~~! 負けるでないゾ~~~ッ!!」 少しは、 お通の気持ちも察したら良いものを・・・。 有らん限りの声を張り上げて、 武蔵にエールを送るのであった。 一艘の小舟に身を委ねる武蔵。 悲痛な面持ちで、 小舟を見つめるお通。 小舟は、 朝靄の中に消えた。 武蔵が決闘場に姿を現わしたのは、 約束の刻限を遥かに回った頃合いであった。 長剣を抜き放って、 身構える小次郎。 昇る太陽を背に、 相対する武蔵の手には、 小次郎の物干竿よりも長い、 鋭く削られた一本の得物・・・櫂が握られていた。 秘剣 “燕返し” を封じるための、 武蔵の術策であった。 ![]() (東映 『宮本武蔵 巌流島の決闘』 ) 二人の兵法者の・・・宿命の対決が始まろうとしていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 13, 2010 11:15:16 PM
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