本日、 英国王妃アン ・ ブーリン処刑される。
1536年5月19日。 不貞の嫌疑を掛けられ、 ロンドン塔内に幽閉されていた英国王妃アン ・ ブーリンは、 是の日・・・。 反逆罪によって断頭刑に処されました。 30歳にも満たぬ若さでした。 アン ・ ブーリンは、 英国王妃附の女官でしたが、 好色家の国王 ヘンリー八世 の眼に止まった事から、 大いなる運命の波に見舞われます。 執拗に・・・アンに求愛を試みるヘンリーですが、 是には 王妃キャサリン との間に男子の王位継承者がなく、 世嗣誕生を切望する気持も、 少なからず作用していました。 ヘンリーは、 アンを王妃として迎え入れる為、 キャサリンとの婚姻解消を目論みます。 ローマ教皇庁 との対立。 キャサリンの母国 スペイン との反目。 ロチェスター司教ジョン ・ フィッシャー と 大法官トマス ・ モア の死を賭した抗議・・・。 複雑怪奇なる国際情勢、 宮廷内外に渦巻く反対、 数多の障害を除去しながら、 アンとヘンリーの挙式は強行されたのですが、 不幸にしてアンもまた男児を授かる事がなかった。 アンに対するヘンリーの熱愛は、 次第に醒めていく。 そして、 新しく寵愛を受ける事になる女性が、 アンの侍女の ジェーン ・ シーモア でした。 今度は、 アンを陥れるための謀計が巡らされます。 男の身勝手に翻弄された挙句に、 アンを待受けていたのは、 謂れのない罪状による死刑宣告でした。 然し、 死に臨んでのアンの態度は、 実に毅然としたものであったと云われます。 映画作品の中では、 ジュヌヴィエーヴ ・ ビジョルド 主演の 『1000日のアン』 に描かれたアンの最期が、 最も印象的と云えるでしょう。 大斧を振り翳した、 覆面の処刑人を正面から見据えるアン。 仮にも、 王妃の処刑・・・。 失敗は許されません。 特別に選ばれた練達の処刑人でしたが、 アンの視線に射竦められてしまい、 斧を振り下ろす事が出来ないのです。 「どうか視線を外して下さい! さもないと・・・仕損じます!」 結局、 見届役の一人である僧侶が、 アンの注意を逸らした一瞬の隙を衝いて、 斧は閃くのです。 同時に、 空気を震わせて、 号砲が轟き渡る。 その頃、 塔内の一角では、 未だ頑是ない、 アンの遺児 エリザベス (後の エリザベス一世 ) が、 一人歩行練習に励んでいました。 ・・・という訳で、 新作映画情報です。 ハリウッド切っての才媛 ナタリー ・ ポートマン がアン ・ ブーリンを演じる 『The Other Boleyn Girl』 (原題) 。 今秋のクランクインに向けて、 着々と準備が進められている模様です。 アンが宮廷に伺候する前。 彼女の姉 メアリー も矢張り・・・ヘンリー八世の寵愛を受ける身であったのは、 良く知られている事実です。 是の作品は、 ヘンリー八世を廻って織り成されるアン ・ メアリー姉妹の葛藤をモチーフとして居ります。 メアリーを演じるのは、 『ロスト ・ イン ・ トランスレーション』 , 『アイランド』 の スカーレット ・ ヨハンソン 。 今最も注目されている若手実力派女優二人の共演と云う事で、 久々に期待が持てソーですネ。 (^.^) ヘンリー八世役は 『トロイ』 , 『ミュンヘン』 の エリック ・ バナ 。(ジャスティン ・ チャドウィック監督 『The Other Boleyn Girl』 )