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今夜も空の下~世界放浪浪漫譚~

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えの1970

えの1970

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2006.08.17
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カテゴリ:アジア編2
2000年1月15日

今日はプラナンを去る日である。
なんだかんだここプラナンには9泊10日もいていろんな人との出会いがクライミングの思い出を彩ってくれている。
たったの10日では技術的に輝かしい進歩があったわけではないが、こうした経験がこの後のケニア山での自信となるにちがいない。

そして様々な人との出会いや別れが、日本の日々で彼女とのことで複雑になっていた自分の感情に道筋を照らしてくれるような気もした。
ならばここに来た価値は十分にある。

オリーたちと一緒に朝食をとった後、彼らと固い握手をして別れ、僕はライレイの船着き場を目指して来たときと同じビーチを歩き始めた。

船着き場に向かう道すがらで日本人と出会って誘われたので、重い荷物のまま「1・2・3」で少々クライミングを楽しんだ。
なんだか名残惜しいプラナンである。
今度ここに来るのはいつのことになるだろう?
でも今は過去は振り返らないんだ。
前へ前へ進むんだ。

クラビー行きの粗末なボートに乗り込むと行きと同じような不整脈様のエンジン音を響かせてボートは走り出した。
やがて岸が遠ざかって蒼い海が目の前いっぱいに広がって行く。
ここに来た日には少し遠ざかってゆく日本に感傷的な気分になったものだがそれも遠い思い出にしてしまおう。
今は過去や現実に後ろ髪引かれ後戻りつつしながらも、前を向くことだけは忘れないでいよう。

ボートはほどなくクラビーに到着する。
大地に足を踏みおろした時、それがまた別の新しい1歩であるような気がした。
アフリカへの旅はまだ始まったばかりである。
そして彼女への思惑も今、混沌の中から脱し始めたばかりである。










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Last updated  2006.08.18 00:31:41
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