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マサは昭和三十年代初頭の広島県呉市を振り返りながらこう思った。
「日本の現代社会は私が幼かった頃によく似ている。もう六十近い人間じゃないとこれは語ることができない事だ。今昔の事を語っておこう」 マサは自分の体験した事実を詳細に語る決意をしたのだった。 マサは現代の日本とあの昭和三十年代初頭の一番の類似点は何かと自問自答した。 「女性が愛に飢えている事だ。これに尽きる」 マサはこう結論づけた。 「こんな事は言いたくないんだが」 マサは自分自身を納得させるため自分にこう呟いた。 「総ては戦争の影響だ」 あの第二次大戦で世の中の若い男性は殆ど亡くなってしまったと言っても過言ではない。 「女性が愛をささやこうとしても、ささやく相手がいなかったのだ」 呉の街においても、他人の彼氏を横取りしたり、他人の家庭を崩す女性が跡を絶たなかった。 現代社会は、若い女性が殆どの世代の男性を支配していて、 「もう四十歳以上の女性達は男性に飢えている」 これは疑いのない事実である。 男性の愛を得ようとすると、他人の男をぶんどる事になる。 「よく似ているのである」 マサは昔と現代を比べてため息をつくのだった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年01月31日 12時47分06秒
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