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カテゴリ:more的 映画
第78回アカデミー賞:主演男優賞受賞 何よりも君の死を恐れ、誰よりも君の死を望む。 1959年 作家カポーティは ある朝読んだ新聞でカンザスの田舎町で起きた 一家4人惨殺事件に目をとめた。 丹念な取材を続け、犯人と接見を繰り返し ついに完成した本『冷血』は ノンフィクション・ノベルの金字塔となる。 しかしその後、彼は一冊の本も完成させることはなかった・・・。 執筆中にカポーティが見たもの その体験が彼に与え、奪っていったものとは? ●感想 予告編で気になっていたものの また急がしさで見逃すところを滑り込んで観てきました 梅田近辺ではガーデンシネマでしか上映してません あそこまで行くのがめんどくさいんですよね~ でも苦労が報われました! フィリップ・シーモア・ホフマンの演技が 映画賞の主演男優賞を総ナメにしたってのも 納得できるほど素晴らしかった! 原作読んでないんですが大丈夫でした カポーティという人も知らなかったんですが 大丈夫でした あぁ、こんな人なんだろうなっていう 気持ち悪さがすごく伝わってきます フィリップ凄すぎ! カンザスの事件は 家族四人をお金目的で惨殺 裁判の判決は死刑になりましたが 肝心の犯人に死なれては 自分が構想している作品は完成しないため カポーティーが犯人に対し もっと有能な弁護士を雇うあたりが凄いです そしてカポーティの計算通り 裁判のやりなおしをする間 警察から資料を借りたり 接見の場を繰り返し持ち、犯行当時の詳細な行動や 生い立ちなどを取材し、 したたかにノンフィクション・ノベルの金字塔 『冷血』を完成させていきます 作家としての探究心と情熱で招いた結果、 人間性の狭間で引き裂かれる苦悩、 そんな自分の感情にもみくちゃにされ カポーティは憔悴しきっていく様子が セリフだけで表されず 一つ一つの表情や仕草で伝わってきてリアルでした それを癒すかのごとくアルコール量が増えていって 身を滅ぼすことになり そして幼なじみの電話越しのあの言葉が 自分がやったことを再認識させます。 犯人と自分は育った家が一緒でも 出て行くドアが違っただけだったという趣旨の発言も 知的で奥深い 「冷血」というタイトル、非常に巧いと思いました 最初、犯人だけのことを指してたのかなと思ってましたが そうじゃなかったのかな?というのを この二つのシーンで気づきました。 ちょっと重い作品ですが原作に劣らず(読んでませんが) この映画も文学作品としてトップクラスのものだと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/11/10 08:09:40 PM
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