テーマ:お勧めの本(7400)
カテゴリ:本
出版社:朝日新聞社 アナウンサーの千波、作家の牧子、元編集者で写真家の妻となった美々は、高校からの幼なじみ。牧子と美々は離婚を経験、それぞれ一人娘を持つ身だ。一方、千波は朝のニュース番組のメインキャスターに抜擢された矢先、不治の病を宣告される。それを契機に、3人それぞれの思いや願い、そして、ささやかな記憶の断片が想い起こされてゆく…。 旅行記はちょっとお休み。 この作品、死を扱っているので、テーマはとても重いはずなのに 淡々とした描き方が、単純なお涙頂戴物語になっていなくて、さすが北村さんだなぁ~と。 なんでもない言葉にホロリとさせられ、これまたヤラレちゃうのです。 そして北村さんの描く女性たちはいつでも、年齢に関わらず 大丈夫なのか?ってぐらい純粋で、1本芯が通っていて、清々しい。 自分もこうでありたいなと思うのだけど、なかなか、ね。 人物描写があまりないので、それぞれを想像し、勝手に当てはめながら読むのも、楽しい。 友人、家族、恋人、人との繋がりが、時に切なくて、時に温かくて しぃんと心に落ちてくる、とても穏やかな気持ちになる。 唯一残念なのが、朝日新聞の連載では毎回、おーなり由子さんの挿絵が入ってて それが楽しみでもあったのだけど、本になってしまったら 表紙のみで、本文中には全くなかったことですわ。 だけど、ちょっとサプライズだったのが 過去の、北村さんとおーなりさんのコラボ(?)作品である 「月の砂漠をさばさばと」のさきちゃんが、大きくなって登場したこと。 こういうのって、なんだか嬉しいものですね♪ いつものミステリーや、タイムスリップのようなファンタジー性はないけれど 読み終えて、人っていいなって、優しい気持ちになれます。 お薦めです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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