テーマ:映画館で観た映画(8570)
カテゴリ:映画
もう5月も後半戦。。。 相変わらず今更感満載ですが、4月に観た中でお気に入りの2作品を、サラっと紹介。 【ノー・カントリー】 2007年・米 ■原題 No Country for Old Men ■監督・脚本 ジョエル&イーサン・コーエン ■出演 トミー・リー・ジョーンズ/ハビエル・バルデム /ジョシュ・ブローリン ■ストーリー 1980年代のテキサス。狩りをしていたルウェリン・モスは、死体の山に囲まれた大量のヘロインと200万ドルの大金を発見する。危険なものと思いつつも金を持ち去ったモスは、謎の殺し屋シュガーに追われることになる。事態を察知した保安官ベルは、2人の行方を追い始めるが…。 アカデミー賞で作品賞、監督賞、助演男優賞、脚色賞の4部門を受賞。 賞なんて関係なく、コーエン兄弟が生み出す世界観が私は好きで、観るのが楽しみでした。 で、どうだったかと言えば、うん、やはり良かった。 理不尽に殺人が行なわれていくし、安らかな気分には程遠い作品だけど。。。 音楽が殆ど使われず、少ないセリフと、雑踏の音とが、耳にザラザラと入り込む。 それが、熱い国が背景なのに、寒々とした感じを受けて、ゾクリ。 どんな状況でも、自分のもつルールを崩さない、殺し屋のシュガーにハビエル・バルデム。 おかっぱ頭に大きな口、無表情の中に時折見せる微笑みは、余計に恐怖をさそう。 これから殺すであろう相手の目を、しっかり見据えて話す姿は、ブレがなく 酸素ボンベ片手に、靴下姿で歩く様は、滑稽ですらあるも、不気味だ。 素顔のハビエルは、とても温かな笑顔を向ける、ステキな方なのに。 そのギャップが、また凄いのか。( ̄◇ ̄;) ハビエルに食われたような感があるけど、保安官役のトミーの、枯れた感じがとても良い。 しみじみと「オレはもう老人だ」な姿が、ちょいと切なくて、いいのよ。 いかにもコーエン的なラストシーン、あぁそうね、と妙に納得してしまった。 好みの分かれる作品ですが、ぞわりとした感覚を、是非味わってみて下さい。 【フィクサー】 2007年・米/英 ■原題 Michael Clayton ■監督・脚本 トニー・ギルロイ ■音楽 ジェームズ・ニュートン・ハワード ■出演 ジョージ・クルーニー/ティルダ・スウィントン /トム・ウィルキンソン ■ストーリー 大手法律事務所のフィクサー“もみけし屋”として活躍するマイケル。在職15年にして共同経営者への昇進もない彼が焦りと不安を感じる中、大企業の集団訴訟にかかわっていた同僚の弁護士アーサーが、精神に異常をきたす事態が発生。マイケルはその後始末をするため、アーサーの下へ向かう。 大好きなティルダ・スウィントンが、今作のカレン役で助演女優賞を受賞♪ 堕天使やら、魔女やら、時空を超えちゃうやら、ファンタジックなイメージが 私の中では強かったのだけど、このカレンは、とても人間的。 己の仕事に忠実になるあまり、常軌を逸脱する行動が切ない。 冒頭、鏡の前で何度もスピーチの練習をするシーンが、とても印象的。 クールな表情の下は、汗だくでドヒャ~って感じ、なんか可愛いとさえ思える。 クレイトン役のジョージ・クルーニーは、実はあまり好きな俳優ではないのだけど 全然ヒーローじゃなく、仕事以外にも、息子の親権やら、共同経営のバーの不振やら プライベートの悩みが満載で、どうしよう~って頭抱えてる感じが、いい。(笑) クレイトンが丘の上の馬を見つけ、ほぉーっと見つめるシーンが好き。 一瞬の静寂、彼の心の中の渦巻きが、リセットされたような感覚がじわーっと。 アーサー役のトム・ウィルキンソンも、焦点の合っていない視線が、危うすぎていい。 ギリギリのトコから、ちょっと外れてしまった狂気が、うわっって感じですわ。 終始、集中しすぎて眉間にシワが寄るのを感じつつ、ラストまで引き込まれまくり。 題材は小難しい感じですが、人間ドラマとして興味深い作品。 心地よい疲労感を味わえて、お気に入りです。(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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