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リンタロウ的・公演日記

ご挨拶

お芝居を見たこと、ありますか?
いつ、どこで? 何回くらい? 誰と?

日常的に観劇される方には、感謝の言葉もありません。
ですが、「殆ど見たことがない」という人も多いと思います。
小さいときに学校などで見て、それっきり。
音楽やお笑い・アートに比べ、「お芝居?…ああ、また今度ね。」
そう、お芝居というジャンルは浸透度が非常に低い。
これは、どうしてでしょうか。

「お芝居はとっつきにくい」。こんな声をよく聞きます。
確かにハードルは高いです。悪意を持って書くならば、
“わざわざ足を運び、狭い席に詰め込まれ、飲まず食わずで、
静かに長時間鑑賞することを強制させられる“…
そのうえ、実際の本番は見てみるまで分からない。
いやはや、お芝居とは、実際、確かに面倒くさい。

ですがその中にも、麻薬のような魅力があるのも事実です。
「乞食と役者は三日やったらやめられない」という言葉もあるように、
舞台の魅力というものは何ものにも代えがたいものがあります。
でしたら、まずはその魅力を一番に伝えられる方法を考えてはみませんか。

例えば、「大劇場で芝居を観る」というのは実はかなり不自然です。
本来お芝居とは、表現とは、ライブなモノ。
遠い舞台ではなく、目と鼻の先で対話をしながら体感するもの。
熱気や迫力、そこにいる自分まで何かされてしまいそうな一体感、高揚感。
そういうものは近ければ近いほど伝わりやすい。
お芝居とは、やはり近い距離でやるのが一番面白いのです。
また、とにかく自由な体勢で見てもらうというのもどうですか。
座っててもいいし、立ってても、走っててもいい。極端な話、寝っ転がっててもいい。
大切なのは「一緒に心から楽しんでもらうこと」。
普通のコミュニケーションと一緒です。恋愛だって、そうでしょう?
そんな体験こそが、劇場方式で見る前にまずは必要なことだと僕は考えます。

芝居を楽しんで、好きになって貰う。そうすれば自然とマナーは身に付きます。
だって大切にしたいのですから。本当に好きな人は言われなくてもそうするものです。
本番中に携帯電話がなってしまうというのは、本当は僕たち表現者の側の怠慢なんです。
「舞台って、芝居って、楽しいんだ!凄いんだ!」そんなことを一杯感じて貰う。
その延長線上に、劇場での美しい公演も存在するのではないでしょうか。
そういう地道な積み重ねの先に、押し付けではない文化・教育があると、僕は信じるのです。

僕は、お芝居を、もっともっと日常的な文化にしたい。
誰かの人生が少しでも変わる、そんな贅沢な瞬間のために、僕は舞台に立ちたい。


はじめまして。僕は、芝居屋杜川リンタロウと申します。
僕は、1人でも多く芝居の方に芝居を感じてもらおうと思い、公演を行っております。
この冊子を通して、いくつかの移動公演をご提案いたします。
どうぞ中をご覧頂き、ご一考下さると幸いです。

芝居屋 杜川リンタロウ
<2009~2010年度パンフレット 冒頭より>


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