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2008.01.11
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カテゴリ:
こないだの休みの日、部屋の掃除をしました。

そしたら懐かしいものが出てきました。これっす。

         『のらくろ 復刻版』 講談社 田河水泡著

       のらくろ.JPG 

いやあ、凄く懐かしくて思わず読みふけってしまった。
これ、私が中学生の頃に復刻版が発売になっていて、
『今買わないと二度と手に入らないぞ』との思いから貯金を注ぎ込んで購入したもの。
買っといて良かった。今では図書館とかじゃないと読めないのでは。
とりあえず一見の価値はアリです。

天涯孤独のノラ犬、野良犬黒吉(のらくろ)が猛犬連隊に入隊し、
数々の勲功を立てながら出世していくというストーリー。
ブル連隊長やモール中隊長、デカ伍長など味方は犬キャラで、
戦う相手は猿、ゴリラ、カエルなど様々な動物となります。
著者の田河水泡が『子どもが好きなのは犬と戦争ごっこ』ということで、
こういう話にしたようです。

TVアニメも放送されたりしていたので、若い人にも知られた作品だと思います。
私はアニメ版は観なかったので良く分かりませんが、この復刻版は、
当時の時代背景が読み取れてなかなか興味深いものなんです。

 のらくろ1.JPG

中身は戦前に発行されたものをそのまま文庫サイズで復刻したもの。
セリフは旧字・旧かなづかいですが、全ページカラーなのが特徴。
戦前でもカラーってあったんですねえ。何気に凄い。
表現も昔のままなので、当時の雰囲気が良く窺えます。

昭和59年に刊行された講談社のらくろカラー文庫(原本が戦前発表のもの)の
内容は以下の通り。(原本の発行月を併記) 

表紙は斬新なレイアウト。裏表紙はのらくろのその時々の階級章になってます。

  のらくろ表紙.JPG

  のらくろ裏表紙.JPG

(写真の上段左から下段右へ)
『のらくろ上等兵』 昭和7年12月発行
『のらくろ伍長』   昭和8年12月発行
『のらくろ軍曹』   昭和9年12月発行
『のらくろ曹長』   昭和10年12月発行
『のらくろ小隊長』 昭和11年2月発行
『のらくろ少尉』   昭和12年5月発行
『のらくろ総攻撃』 昭和12年12月発行
『のらくろ決死隊長』昭和13年8月発行
『のらくろ武勇談』 昭和13年12月発行
『のらくろ探検隊』 昭和14年12月発行

雑誌『少年倶楽部』での連載が始まったのが、満洲事変のあった昭和6年(1931年)。
その翌年から単行本化されていたのですね。
タイトルを見て分かる通り、上等兵から順次昇進を重ねて最後には大尉にまで昇ります。
これがいわゆる『15年戦争』の時期に重なってくるところが興味深い。

特に昭和12年(1937年)の日中戦争勃発後に発行された
『のらくろ総攻撃』・『のらくろ決死隊長』・『のらくろ武勇談』の3作は、
明らかに当時の日本側の主張を代弁しているかたちになっています。

そこには様々な動物キャラが登場しますが、熊はソ連、豚は中国、羊は満洲、
山羊は蒙古を表していると思えます。
豚の国の豚勝(トンカツ)将軍が、そこに駐留する猛犬連隊に腹を立て、
熊の国の支援を頼りに戦争を仕掛けてきます。
豚の国の一部と見なしていた羊の国を猛犬連隊の力で独立させてしまったからでした。

   猛犬将校 オイオイ、豚勝将軍 君の方ではまた戦争をする気だそうだがやめた
           方がいいぜ 平和のために

   豚勝将軍 そんなら羊の国を返すあるか

   猛犬将校 君はまだ分からないのだな 羊の国は羊が独立したのだ
           犬がとったのじゃないのだ
           だから豚は豚でおとなしくしていればいいじゃないか

   豚勝将軍 そんなら犬は犬の国へ帰れ 
           豚の国に出しゃばって守備隊なんかに来て呉れんでもよいある

   猛犬将校 バカ言え 犬が守備してやらなければ豚の国は熊に食われてしまうぞ
           その時に困るから守備してくれと君の方で頼んだのじゃないか

   豚勝将軍 アハハア そうか それ忘れてた どうか守備隊様々頼むある

でも結局豚勝将軍は戦争を仕掛け、犬の国との大戦争に突入します。
その中でのらくろと猛犬連隊が戦場で大活躍をし、豚京(トンキン)城、
豚県(トンケン)城、土古豚(ドコトン)城と次々陥落させていきます。

しかしのらくろは最後には負傷してしまい、それを契機に除隊。
次は大陸へ石炭を掘り当てるための探検に行くところで終わります。
のらくろは力説します。

   せっかく大陸がわれわれのためにあけはなたれたのに
   人が行かなければなんにもならないのだ
   今こそわれわれは大陸にのびる時だ 大人も行け花嫁も行け 義勇軍も行け
   開拓だ開拓だ われわれの民族が大陸を開拓するのだ

ここでまた興味深いのが、この探検隊。
のらくろを隊長とし、半島の同朋(つまり朝鮮人のこと)金剛、
豚の包、羊の蘭、山羊の汗の五人。
つまりこの五人って、当時喧伝された『五族協和』そのものなんですよね。

『のらくろ探検隊』が登場したのは昭和14年。
既に中国大陸では泥沼の長期戦に入り、ヨーロッパでは二度目の世界大戦が勃発した年。
実際には首都であった南京を陥落させても日中戦争は終わらなかった。
当時の時代背景を探って読んでみると、単なる『犬の戦争ごっこ』のマンガ以上のものも
見えてくると思います。

でも『のらくろ』は実は軍からは良く思われていなかったようで、
紙の不足を理由に太平洋戦争開戦直前の昭和16年(1941年)10月で
連載終了となってしまったようです。


色々と書いちゃいましたが、単純にマンガそのものの方はなかなか面白いです。
当時の『少国民』が夢中になったのも頷けます。
手塚治虫よりも前にこれだけの作品があったというのは、
このまま埋もれさせてしまうのがもったいないくらい。
当時の子どもがどんなマンガを読んでいたのか。
その一端を窺い知れる貴重なマンガだと思います。

ちなみに没年は田河水泡、手塚治虫共に平成元年(1989年)。
昭和と共に去って行ったマンガ家なのでありました。


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Last updated  2008.01.11 19:04:59
コメント(18) | コメントを書く


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Re:のらくろ (田河水泡)(01/11)   からす2006 さん
とても興味深いですね。
猛犬将校と豚勝将軍の会話も、のらくろが力説する台詞も。
当時、子供たちが読んでいたんですよね。

今読めば十分帝国主義的だと感じられる台詞ですがそれでも軍に快く思われていなかったというところがまた興味深いです。

母の目覚まし時計はのらくろ型です。起床ラッパが鳴ります。
どこか心惹かれるのでしょうね。
(2008.01.11 20:13:47)

Re:のらくろ (田河水泡)(01/11)   デレク・ジータ さん
今年も宜しくであります!
うわっ懐かしい~!小学生の頃父親が持ってたのを読んでました!
旧仮名使い「ゐとかゑ」が珍しかったです。
確か装填がカバー付きで表紙は布張りだった気がします。
昭和の名作ですね。 (2008.01.11 22:13:35)

Re:のらくろ (田河水泡)(01/11)   にゃおんちゃみ さん
大枚はたいて買っておいて良かったですねぇ。(笑)
そういえば、新しくできたブックオフのお店を以前に紹介しましたよね。そこに置いてあったと思いますよ。けっこうな高値で!
他にも昔のマンガや復刻版のものもけっこうなお値段で売っていましたね。

しかし、当時の軍からは疎まれていたとは……やはり大変な時代にギャグのネタに使うこと自体が良くないと思われていたんでしょうかね。

没年がお二人とも平成元年だったとは知りませんでした。手塚さんが新聞に大きく載ったことは記憶にあるのですが……。 (2008.01.11 23:30:30)

Re:のらくろ (田河水泡)(01/11)   Formula(フォーミュラ) さん
のらくろ!
子供の頃に読んだ記憶が・・・

たしか部隊(?)の旗のマークはのらくろが考えたんですよね?
(自分のゲンコツを見て)
(2008.01.11 23:31:52)

Re:のらくろ (田河水泡)(01/11)   aosaga369 さん
いいコレクションですね(笑)。このようにまとまった状態ではなかなか手に入らないでしょうね。

子供の頃アニメを観た気がしますが、まだ小学校前だったと思いますし、ほとんど記憶がありませんが、現実の日本の戦争の状況をなぞっているとは知りませんでした。

イヌ、ヒツジ、クマなども何となく納得です。ブタにたとえられた中国人はチョット憮然とするかもしれませんね(苦笑)。

戦後は平和日本を標榜して、軍国主義につながりそうなコトには神経質(羮に懲りて膾を吹く、状態?)すぎるので、今後のらくろが大ヒットする余地は無いような気がしますが、個人的には今の子供たちに薦めたい本です(自己犠牲や、正義、勇気など高尚な精神を教えてくれそうです)。 (2008.01.12 06:25:39)

おはようございます   jupiter481110 さん
「のらくろ」と言う漫画の存在は知っていたけど(読んだことはありません)なかなか興味深そうな内容ですね。 (2008.01.12 06:31:35)

Re:のらくろ (田河水泡)(01/11)   ぷりさま さん
のらくろ、いいですね~!!!「のらくろ」と「くろねこ」と「フェリックス」全部一緒だと思ってるお年より、いますよね~(笑)。 (2008.01.12 09:08:12)

Re:のらくろ (田河水泡)(01/11)   kiyop5326 さん
「のらくろ」ってそういう漫画だったんですね。「のらくろ」というキャラクター的な認識しかなかったんです。戦争教育の題材な様なものかと思えば、軍からはよく思われていなかったとは・・・。いろいろ制限のある厳しい時代だったんですね。
素敵なコレクションです^^ (2008.01.12 10:09:10)

Re:のらくろ (田河水泡)(01/11)    yumery さん
のらくろ、懐かしいですね。

これ、マニアにとっては、とっても魅力の
あるものなんでしょうね。
お宝を お持ちですね~!    (^.^)/~~~
(2008.01.12 18:47:05)

Re[1]:のらくろ (田河水泡)(01/11)   nyago1945 さん
からす2006さん

今になって改めて読んでみると、色々と発見があって面白かったですよ。実に興味深い内容でした。
当時はあまり気にしないで読んでましたが・・・

やはり帝国軍人を犬になぞらえた、という点が良くなかったらしいです。まあ、表現の自由のなかった時代ですから、これでギリギリだったんだと思います。

なぜかのらくろグッズって今でも人気なんですよね。
それだけ深く広く認知されたキャラクターだったんですね。 (2008.01.16 16:46:56)

Re[1]:のらくろ (田河水泡)(01/11)   nyago1945 さん
デレク・ジータさん

今年もよろしくお願いします~
そうなんですよね! 旧仮名遣い。私はこの本を読んで、旧字体や旧仮名遣いを学習しました(マジです笑) かなりマスター出来たのが良かったです。

なんでも本当は箱入り豪華版だったらしいですね。
私が持ってるのは文庫サイズのちっちゃいやつなので、迫力がイマイチかと。でも、もう手に入らんでしょうね~ (2008.01.16 16:49:33)

Re[1]:のらくろ (田河水泡)(01/11)   nyago1945 さん
にゃおんちゃみさん

小遣いの少ない中学生としては、これで精一杯でしたよ(笑) お年玉も投入してなんとか買いました。
へええ~ 今でもあるんすか! 探せば買えるのかなあ。

帝国軍人を犬になぞらえるとはケシカラン! という風潮だったのでしょうね。でも、最後まで連載されていても国民は窮乏生活を強いられていたでしょうから、マンガどころではなかったかも知れません。
そうなんですよね~ 手塚治虫大先生の陰になってしまってる印象があります。そこが残念! (2008.01.16 16:53:00)

Re[1]:のらくろ (田河水泡)(01/11)   nyago1945 さん
Formula(フォーミュラ)さん

やはりみなさん一度は読まれてますね~
そういや学校の図書館にもあったような気がします。

猛犬連隊旗、なるほどアレものらくろだったのか!
(見逃してました 笑)
良く見るとちゃんと手の形になってますね。
田河水泡は芸がコマカイ! (2008.01.16 16:55:48)

Re[1]:のらくろ (田河水泡)(01/11)   nyago1945 さん
aosaga369さん

これは、私の数少ないコレクションの中では、特に大切な一品です(笑) そのクセ最近まで行方不明でしたけども。
なんか、何度もアニメ化されていたようですね。それものらくろクンとか別物も含めて。

今になって改めて読んでみると、意外な発見があって面白かったです。特に日中戦争と被る3部作はなかなか興味深かったですよ。

基本的には子ども向けのマンガですから、そういう精神的なものは分かりやすく伝えられるようにつくられてますね。それでもちゃんとギャグも入ってるし面白く出来ているので感心します。ただ、確かにまた復権するかどうかというと・・・ちょっと望み薄ですかね~ (2008.01.16 17:01:18)

Re:おはようございます(01/11)   nyago1945 さん
jupiter481110さん

のらくろって、実は戦後も再漫画化されていたんですよね。それはのらくろが喫茶店のマスターになって白犬と結婚するという実に平和な内容でした。
それもほのぼのしていて良いのですが、やはり当時の時代背景が良く分かる戦前版の方が『面白く』読めて良かったです。 (2008.01.16 17:03:37)

Re[1]:のらくろ (田河水泡)(01/11)   nyago1945 さん
ぷりさまさん

あっはっは(笑)
確かに似てる~
私もフェリックスは子どもの頃勘違いしていたと思います(笑) そういやフェリックスガムって今でも売ってますね。

私の身内は、『のらくろ』って言えなくて、『のらくら』とか『のろくら』とか呼んでました(笑) (2008.01.16 17:05:57)

Re[1]:のらくろ (田河水泡)(01/11)   nyago1945 さん
kiyop5326さん

のらくろのキャラクターって、凄いロングセラーで世代を超えて認知されてますよね。何気に凄いキャラクターですよ。戦前から続いているわけですからね~

今になって読み直すと、色々と良く分かる部分が出てくるので面白かったです。
実は戦後発表された方も持っているので、今度紹介しようかなとも思っております。 (2008.01.16 17:09:00)

Re[1]:のらくろ (田河水泡)(01/11)   nyago1945 さん
yumeryさん

そう、部屋を掃除していて出てきた時には、もう懐かしくて掃除を忘れてしまいましたよ(笑)
本当は、田河水泡のサイン色紙もあったハズなんです。応募したら当たってて・・・でも、今回発見出来なかったのが残念!
これは私にとっては永久保存版です~ (2008.01.16 17:12:34)


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