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カテゴリ:吹き替え
森川が吹き替えているという事実がなければ、普段は決して手を伸ばさないタイプの映画である。決してこういうアングラ風のが嫌いだというわけではないが、自分に与えられた限りある余暇の時間をなにに使うのかを考えたときに、それほどたくさんの時間をやみくもに映画に浪費できるわけではないので、どうしても話題作、大作、好みの俳優や監督の作品を優先してしまうのは避けられない。
今回、自分の中で、役者(声優)森川智之が一大ブームとなったせいで、彼の出演(吹き替え)している作品をかたっぱしから集めて、時間を作ってはこつこつ見ている。そんななかの1本がセシルB~であった。 この映画、実はかなり面白く楽しめた。 私が映画を楽しめる条件に、演じている俳優の魅力がある。シナリオがよく練れていて、すばらしい作品であれば、なおさら良いのだが、シナリオ自体はなんだかな~という映画であったとしても、主人公もしくは準じる役者が光る演技をしている場合、見ているこちらが彼の心理をよく理解できて、その人物像に魅力が十分ある場合に、のめりこむ。そしてその映画を好きになれる。 音楽がよければ、相乗効果でその映画を大好きになれる。過去にこういう経緯で世間でB級といわれる映画でも好きになった映画はある。逆に、監督がこだわっているとか、設定や世界観が面白いというだけでは、好きになれない。 主人公のセシルBはその目つき、表情を含めて、かなり怪しく魅力的である。演じている俳優の魅力がすさまじい。きっと彼は只者ではないはずだ、くせもの怪優であるに違いない、あとで調べてみよう。この気に入った怪優セシルの眼が逝っているのである。表情が半端じゃない。その彼の狂気はやがて出演者全員に伝染していることに気が付いた。誘拐されたハリウッド女優を演じるメラニーグリフィスを感化する。ついでに見ているこちらも乗せられる。 なにより低めで迫力のある声のトーンに終始する森川の演技は、迫真に迫るものがある。演説ぶってる様もすばらしいが、後半の切れてる様が絶妙である。 これほど激しく粗野な役の吹き替えでの森川の演技は過去に見たことがなかったが、抑えた2枚目よりも実は生き生きした彼の演技を楽しめた、こういうの実演の役者でも声だけの役者でもそうだが、演技力を純粋にたのしめて、面白い。 おもわず出会った、森川真骨頂の演技のひとつに思える。 またひとつ引き出しを発見した。声優や俳優のファンとなるということが如何に楽しいかということがこの映画を見て理解した気がする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004.11.01 13:34:28
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