シルバーナの船室 (ペンギンの○○です!)

2008/01/29(火)11:49

28日後・・・

映画(37)

28日後… <特別編>(DVD) ◆20%OFF! キリアン・マーフィ -:ジム  (三木眞一郎) ナオミ・ハリス -:セリーナ (坂本真綾) ブレンダン・グリーソン : フランク (石住昭彦) ミーガン・バーンズ :ハンナ (宮島依里) クリストファー・エクルストン: ヘンリー・ウェスト少佐 (大塚芳忠) 監督はトレインスポッティングのダニー・ボイル トレインスポッティングではユアン・マクレガーの存在をハリウッドに知らしめ、本作ではキリアン・マーフィーの存在を知らしめるという、地元イギリスの舞台系で活躍している演技派でしかもハンサムな逸材俳優さんを発掘し世界に売り出すのが上手い監督さん。 気に入った俳優を繰り返し使うので、ユアンはその後も「普通じゃない」「シャロウグレイプ」など、キリアンは「サンシャイン2057」で起用している。 劇場で年明けに予告編だけを見た「28週後・・・」の雰囲気だと、まさにゾンビ映画っぽいので、やっぱり前作に相当する「28日後・・・」は、最初からの予想どおりそういう作品なのかと思っていたら、まあ、切り口は大差ない作品でした。 パニック物のパニック部分を描写するのではなく、生き延びることがどういうことなのか、彼らにはどんな未来が待っているのかをテーマにしている点では、アイアム・ザ・レジェンドとかにも共通性が高く、核戦争後の生き残り作品なども含め、何度も扱われているテーマです。 キーになるのが、男、女、子供、というのも、定番な印象。 とはいえ、最後まで観てみたくなるストーリィ構成で、ロンドンの町並みとその郊外の田舎の美しさのコントラストやイギリスという国の自然が綺麗で、なかなか興味深い作品でもありました。 普通の、これでもかゾンビ物だと、怖くて途中から断念しそうになる(実際、最初にちら見したときは、怖くて一人で見るのをあきらめとうとしておりました)のですが、キリアンの魅力からか、優男ががんばっているのがハラハラしてしまう展開で、物語にどんどん引き込まれました。マッチョが暴れまわる作品とは毛色が違い、一見よわっちいヒーローががんばってだんだん逞しくなる、成長のドラマも含まれているせいで、女性支持率が高くなった作品かもしれません、単なる類推ですが・・・。 蔓延する病気はゾンビウィルスとはすこし違っています。(作品中では説明がなく、ネットをまわると、怒りを増幅するウィルスということで、それが人間をあんな風に変えるのかどうか、ちょっと違和感だったのですが・・・) とにかく恐ろしいのは、動物愛護団体がエゴを押し通して実験動物のチンパンジーを開放してしまうこと、チンパンジーを閉じ込めて危険な病気の治療実験しているのも、ある意味エゴなんですが。本作品の基本テーマは、いかに人間がエゴイスティックな生き物で、それを自覚しながらも、生きること優先なのか、どうなのよ、という自問がテーマなのか?それにしては、無事に生き延びている人間たちに、そういう雰囲気がないので、テーマを1つに絞って描いているわけでもなさそう。 とりあえず、瞬く間に感染するという状況を設定。血液や唾などの体液感染のようなので、病気としてはエイズと同じで、注意していれば蔓延は防げそうなものなのだが、恐るべき増殖能力を持ち、感染から20秒程度で発症することと、発症した人が狂気に犯されて暴れ狂い、やみくもに周囲の人を襲うこと、噛み付かれたり血を吹きかけられてさらに瞬時に感染するということを繰り返し、またたくまにそこいらじゅう(イギリス全土?)を荒廃させる。 (ちょっとここが難解というか、説得力が弱い、感染者はやり場の無い怒りにとらわれて周囲を襲いまくるようだが、非感染者を食べようとしているわけではなさそうだし、体液を浴びなければ防げる、ただし、人類が何が起こっているかわからないと、無防備なので、おそらく不意を突かれた形で都市は滅んだのだろうか・・・)。 主人公のバイク便配達員のジム(キリアンマーフィー)は、交通事故にあって頭部を負傷しずっと意識不明だった。そのため、町が病気の蔓延で壊滅しているのを知らぬまま、病院のベットで目覚める。 このときの彼、なぜか全裸(爆)。主人公君、なんと、ベットから起き上がるシーンでは、大事なものがまる見え(爆)。 まあ、映画作品でさりげなく危険部位が画面に映るのは過去にも沢山の例があり、容易に思い出せるのは、ブロークバックマウンテンで、遠景で崖から川に全裸で飛び込むシーン、今は亡き(TT)ヒースのあれらしきものが、空中でぷらぷらしているシーンが、なんとも普通に、しかも自然に画面に写っていると、不思議といやらしい感じはしないです。 もちろん、そういう行為をしようとして迫ってくるシーンではないのですから、当然で、自然に写ってしまっている、というシチュエーションだと、なんとなく、からだの付属物としてはかわいいという感じかな(爆) ジムは荒廃した無人のロンドンをさまよい歩くうちに、立ち寄った教会で感染した神父に襲われ、初めて何かが起きているのを知り、危ないところを、サバイバル中の男女に救出され、彼らから状況を、事件から28日しか経過していないという衝撃の事実を聞かされます。そして彼は両親がどうなっているかを確かめるために二人を連れて自宅へ戻ってみるのですが・・・ DVD版と劇場公開版ではエンディングが違って、いろいろ試行錯誤の結果、いろいろな意見があったのが伺えます。 特典映像で見れる劇場公開版はDVD版とは大きく異なるバッドエンド。 以下役者さんについて思うこと キリアン・マーフィー(主役のジム)はバットマンビキンズのスケアクロウで演技派で複雑な表情を見せる魅力的な若手の俳優なのを知り、本作は初主演だったのをネットで知りました。本作以外で彼の出演作で見たことがあるのは、「バットマンビギンズ」のほかには、最近では真田広之を共演した「サンシャイン2057」。 美形なんですが、独特の痩せすぎが、やや精細というか病んでる雰囲気も身にまといつつ、どこか芯の強そうな頑固な目をしていて、屈曲した聡明な若者の役が似合います。 彼の作品で、どうしても観たいのにまだ見れていないのが「プルートで朝食を」である、本作「28日後・・・」を見てしまったら、ますます彼が好きになって、優先順位を上げて「プルート~」を見るしかないなぁと今は考えてしまいます。(とり急ぎレンタルするかなぁ・・・) 吹き替え版(90点) DVDの吹き替え版で、ジムを演じるのは三木眞一郎さん、すごくキリアンの雰囲気にマッチしています。 三木さんの吹き替えで思い出すのは、Stayのライアンゴスリング、これまた200%のシンクロ率で本人が本人の呼吸でしゃべっているかのような錯覚を与えるほど。本作もそうだけど、シンクロ率が高くて吹き替え版を見ているのを一瞬忘れるほどの威力がありました。 本作の他の共演者もすばらしく、大塚芳忠さんが、一見正常で頼もしいのが実はどこかの神経回路がぶっ飛んでしまっている大佐を怪演。さすがというか、彼らしい役回りに、芳忠さんがきた段階で、ある程度先の展開というか結末が見えてしまったという難点もあるが、それでも存在感はすばらしかったです。 普段お姫様や弱めの女性を演じることが多い坂本真綾さんが、意志が強くタフな黒人女性(本田さんがお得意)を演じるのはめずらしく、かなり新鮮。彼女場合、時には”あれぇどうしたの”というぐらいシンクロ率の悪い作品もあるにはあるのですが・・・本作はすばらしく良いシンクロ率をみせているので良かったです。共演者によってしまうのか、監督なのか、一番大きいのは吹き替える相手の役者さんの演技にあるんだと思いますが・・・この作品で彼女の強い女の演技も聞けて、掘り出し物です。共演で掛け合い演技が多かった、三木さんとの相性がいいのかもしれないです。他の出演者も全員手堅く、吹き替え版の仕上がりはすごく良かったです。音響監督さん、ナイスキャスティング。 この作品での三木眞のシンクロ率をみると、三木さんは痩せてナイーブな感じの役者さんの吹き替えが、こんなにもフィットするのがすごいなぁと、ご本人の雰囲気に被る印象もあって、まさか本人の雰囲気でキャスティングされているわけではないでしょうが、演技の雰囲気というのが、一種の独自の繊細痩せヒーローの世界を構築している人なんだと思います。 サンシャイン2057も彼の演技で見てみたいです。 調べると、プルート~ではベテランの内田夕夜さんが、サンシャインは田中実さんがDVD版を吹き替えしているみたいです。 (おお、田中実さん・・・どこかで見た名前だと思えば、海の勇者ホーンブロアーでヨアン・グリフィスを担当していた顔出しもする俳優さんじゃん、森川さん、三木さん、東地さんらともほぼ同年代、この年齢層は役者さんの層が厚くて充実してますね)

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