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昨年末に出逢った神奈川県藤沢市で活動している『つくしんぼ』の福永雪子さん。
福永さんはもう30年近く、野外での保育活動に携わっている方で、その様子は著書『泥んこで風と遊び街を歩く』にも詳しく紹介されている。 森のようちえんのバイブルと言われているほどのこの本。5年前に読んだときからいつか福永さんとお会いしたい、つくしんぼの活動を見てみたいと思ってきた。 昨年12月15日 その夢は実現した。セブンイレブンみどりの基金の助成をいただいて、主任の小栗と共にお邪魔した。 30人定員での保育、どんな様子だろうかと楽しみにしていた。 今となっては市街地になってしまった福永さんの自宅近辺。 子ども達は学区内から通ってくることが多く、地域に根ざした活動になっていることがよくわかる。 市街地の公園で集合して朝の会の後、森に向かって出発。 車の往来が激しいところを上手に並んで歩く子ども達。 そして、森に解き放されたときのエネルギッシュな様子。 3年保育の中で培われてきた力を感じる。 福永さんには保育面だけでなく、ものすごく学びになったのが運営面。 本の中でも紹介されていた『出来る人が出来ること・・・』という原則について、どうしても直接真意をお聞きしてみたかった。 以前 ある団体でこの福永さんのモットーをそのまま取り入れているところと関わったときのこと。有償のスタッフにもこのモットーが適応されるので、もらっているお手当の額や、立場に関係なく 出来る人がやればいいからと言われて戸惑ったことがある。 スタッフの役割って何?お手当てって何?トップの立場の人が「わたし できないから・・・」と言って仕事をしないと、下っ端が責任感でやり遂げていく・・・この図式にどうしても納得がいかなくて、「出来る人が出来ることを・・・」というのはスタッフには当てはまらないのではと疑問に思ってきた。 今、森のわらべの父母の会活動はすべて無償。そして「出来る人が出来ることを・・・」をモットーにしている。 さてさて、この話題を福永さんにしたときに、とっても意味のある言葉が返ってきて、私の中で忘れられないものとなった。 「最初は私がひとりで全部のことをやってきた。それを見ていた親御さん達が、私達にもやれることがありますよ。手伝わせてください・・・と自らやれることを助けてくれるようになったの。だから、やる人がいなければまた、最初のように私がやればいいことなの。」 この覚悟をトップが持っているから「出来る人が出来ることを・・・」が成り立つのだと、改めて確信した。 そして、「せめてつくしんぼのような小さい世界の中くらいは、周りを思いやって、互いに助け合って出来る人が出来ることをやって、組織が回るようにしたいじゃない。ルールで決めたからやる、係りに決まったからやるっていうのは、回して行き易いけど、もっとお互いを思う気持ちで回っていってほしい。」とのこと。 そこで「それには全員が成熟した精神力をもっていないと難しいですね。」・・・と浅井。 「そうなの、じゃないとあの人は何もやらないと文句を言ったり、いつもあの人がやる気満々でいるから何もやらないと肩身が狭いと、不満を言う。周りの人についてとやかく言うくらいだったら、何もやらなくていいし、頑張っている人の足を引っ張ることもしないでほしい。やるも自由。やらないも自由。」と福永さん。 出来る人が出来ることを・・・の福永さんの本当の意味を感じられて、のどのつかえが取れたようにスッキリした浅井だった。 森のわらべでも この当たり前のことを当たり前のようにやれる間柄であってほしいと思う。 困っている人がいたら 出来る範囲で助ける。お互い様の精神。 でも この当たり前のこと・・・なかなか難しい。 難しいけど 大事にしたい。 福永さんに出逢えて本当に良かった。 じっくり じっくり お話が伺えて本当に良かった。 森のわらべ 開園初年度に憧れの福永さんとこうしてお話ができたことは やっぱり森のわらべの財産になる。 見学を快く受け入れてくださった つくしんぼのみなさんに心から感謝! 出来る人が出来ることを・・・ このモットーを森のわらべでも大事にしたい。 やっぱり森のわらべは 子ども以上に大人が育つ場所だ。 園長・智子 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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