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自然育児 森のわらべ 多治見園 

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2016年10月23日
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ねんどで遊ぼう会の二回目。

先週こどもたちが各自森から採ってきた土を、月曜日の今日は造形する。
お題は、年中年長さんが鳥、年少さんはお守り(小さな塊を作って穴を開ける)。

前回ねんど採りで登場した陶芸作家のおひさまさん(保護者)のご夫婦が再び講師に来てくれました。
そのレクチャー方法がとっても素敵。
ねんどを観察し、触れて、感じて、形作る。

はじめて土のねんどを触るこどもたちもいる中で、ただ作品を完成させるのではなく、その過程(あぁ、ねんど遊びって楽しいな)を大事にしてくれている、そんなレクチャーでした。

「ねんどおじさん」(←誰も○○のお父さんなどと呼ばない)が前に立ち、皆に尋ねます。

「掘ってきたねんどと、もらったねんど(陶芸用の土)を並べて比べてみよう。
何かちがうかなー?色は?
土はつるつる?ざらざら?」
ーー「採ってきた方が濃くて、ざらざら〜。」とこどもたち。

「次はねんどをちぎってみよう。
どっちが好き?
かたさ、柔らかさはどうかな?」
-ー「掘ってきた方が柔らかい!」

色や感触を味わった後は、上からねんどを落としてみよう。
投げて、落とす。

FullSizeRender.jpg

べしゃっ、と潰れる様が面白くて、嬉々としてこどもたち、投げる、投げる…。

IMG_8680.jpg

はじめ硬く角張っていた、もらったねんどはどんどん崩れ扱いやすい丸型に。
次に採ってきたねんどと、もらったねんどを混ぜてみる。
力のない子でもくっつけて、投げて落としてを繰り返す。こうすれば混ぜやすい。

次は、穴を開ける。指でぷすぷすしてみて。とねんどおじさん。
たたくとどうなる?
ーーせんべいみたいになる〜。
3.jpg
せんべいからもう一度ちぎろう。
ちぎって小さなのを二、三個つくる。
小さいのを、重ねて、手のひらで転がす。へびつくる。
おぉ〜塊がみるみる形を変えていく。

ひととおり説明を終えたところで、学年ごとに製作スタート。
今回私の担当になったキイチゴ(年少さん)たちは、指や手の力が足りず、捏ねて形作るのにだいぶ苦戦している様子。
じゃあこのくらいの大きさのものでお守りを作ろうかと実物を見せて説明。
と、その一方でねんどをウ○コに見立てて遊んでいる子や、なんとなく作ることには気乗りしない子がいたり、なかなか形を作り始めないキイチゴさんたち。

その様子を観察していると、掌でねんどを持って、糊代わりにもらったねんど(水で伸ばしてぬるぬるしている)を擦り付けたりして、ずっとその感触を楽しんでいる。
作りたくないときは作らなくてもいいよ。混ぜたくなかったら混ぜなくてもいいよ、とねんどおじさんが優しく声をかける。

まず形にしよう、と私の感覚では思ってしまっていたのだけれど、はじめて触るねんどの感触や形が変わる様を思う存分楽しむ、何かを作る前に、作りたいという想いがある。
そんな前段階があることに気づかせてもらった。

しばらくして年中リス組さんたちのテーブルを覗く。鳥さんできたね〜と声をかけると、「鳥じゃないし」と返答。
聞けば、なんと、誰も鳥を作っていないそうな!
FullSizeRender (2).jpg


そんなねんど製作の最中、年長オオタカ組の男の子ふたりが喧嘩をはじめた。ある子が、ふざけて友達のねんどの隅っこを取ったことが発端。
言い合いから、手が出て、同じテーブルで作業していたオオタカの他の子たちが仲裁に入って…。
場が騒然となる中、ともちゃんがその場から二人を離して壁側に連れて行き、その様子を見守る。

叩いたり、蹴ったり。大声で叫んで怒っている。

IMG_8821.jpg

オオタカ同士、力も互角。男同士激しくぶつかっていた。
私のいたキイチゴさんテーブルは我関せずの至ってマイペース…。私は遠目にその様子を伺っていた。

その日の夜、ともちゃんがスタッフ皆にその様子をシェアしてくれた。(以下引用)

”仲裁に周りのオオタカが入ってくれたりしていたのだけど、
ふたりだけにしてもらって。
S.R.は、なんで、取ったんだ!と真剣に詰めより、つかみかかろうとする。

S.K.も逃げずに彼の想いをグッと受け止めている。

S.R.は、思いの丈を吐き出しきったら、自然に笑いが込み上げてきて。

ふたりで笑いあって。

本当に素敵な喧嘩だった。

しばらくして、S.K.が喧嘩を振り返って、

S.R.とは、
いい関係なんだ
と話してくれて。

なんだか泣けてしまった浅井でした。”

その日の帰りの会に、ともちゃんが読んでくれた絵本は、「けんかのきもち」。
偶然なのか、必然なのか。
神がかったセレクトに、ともちゃんすごい!と改めて思った瞬間でした。


サポートスタッフになって早10か月。
見守る喧嘩、止める喧嘩、迷う瞬間に多々出会う。
オオタカ二人の喧嘩は見守る喧嘩だった。二人だけでぶつかりあえたことで、生まれる(深まる)関係性、人との関わり方。こどもたちはそこから多くを学ぶ。
もちろん止める喧嘩もある(実際この喧嘩の直後、別の喧嘩があって私が止めに入った)けれど、喧嘩という一括りで、何でも止めてしまうことは、その学ぶ機会をひとつ奪うことにつなる。
また一つ、素敵な瞬間に立ち会わせてもらった1日でした。

最後に、今日はおひさまさんが、ごはんとお味噌汁、それから玉ねぎ染めを作ってくださいました。
FullSizeRender (3).jpg

IMG_8822.jpg
喧嘩したふたりが隣に並んでお汁を楽しそうにつける様子を見ながら、最高に美味しいお昼ごはんをいただきました。

(サポートスタッフ 長谷川)





森のわらべホームページ
http://www.morinowarabe.org/






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最終更新日  2016年10月24日 02時57分49秒
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