トイレで地獄を見ないために

モスクワ、いえ、ロシアに来たことのある人なら、このセリフが大げさではないことを理解できると思います。

「この国の人、便器の使い方、知らないんじゃない?」

トイレットペーパーがきれてるとか、ちょっと汚いとか、そんな甘いもんじゃありません。
「ものすごーーーーく汚い」のです。

しかもモスクワに来てまず安心したのは、
「なんだ、便座がちゃんとついてるトイレなんだ」ということ。

そうなんです。数年前サンクトペテルブルグへ行った時には
「便座の盗まれたトイレもあるから気をつけるように」と
私の夫は優しくアドバイスしてくれたものでした。
実際、ヘルシンキからサンクトまでの列車内トイレは、かすかに便座の名残が残った「便穴」だったのを思い出します。

なので、自宅のトイレできちんと座って用を足せ、下水臭などもない今の生活が、
とてもレベルの高いシアワセなことのように思えます。

トイレは女コドモの命です。
家族で紅一点の私は、立ちションのできる男性陣を何度うらやましいと思ったことか。
公園や屋外シャシリク(バーベキュー)で心行くまでビールが飲めないのは、そのためです。
美味しいビールと汚いトイレを天秤にかけて、前者を諦めるわけです。

それでも、ロシア・モスクワのトイレ事情は格段と進歩しているようです。
以前は便座がぶっ壊れ、など悪名高かったアエロフロートの機内トイレですら、
昨秋乗った時には清潔&快適&手入れ行き届きまくり、でした。
街中の新しいレストランなんかも、便座どころか使い捨て便座カバー付きのところもありますしね。

☆友達の家などフツーの家に寄ったら、トイレのチャンスと心得ましょう。
☆おなかの調子の悪いときは外出を控えましょう。
☆どうしても行くなら、至近距離にマクドナルドがあるかどうか確認を忘れずに。

でも、観光できて調子の悪い時とツアーがぶつかってしまった場合は…。
覚悟を決めるしかありません。
その日は何を見ても驚かない、そして鼻で息をしない、と。

次ページからは、私が垣間見た地獄の沙汰をお伝えしたいと思います。


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