感度と特異度
今日は5年に1回のマンモグラフィー読影医の更新試験がありました。名古屋の東桜会館で、午前中試験を受けていました。100例のマンモグラフィーを診てカテゴリーをつけます。左右がありますので、200乳房のカテゴリーを判定します。カテゴリーは1から5まで数字が大きいほど悪性の疑いが強くなります。異常のある乳房に正しくカテゴリー3以上をつけて、精検に回すことの出来た割合を感度と言います。それに対して、異常のない乳房にカテゴリー2以下をつけることの出来た割合を特異度と言います。200乳房の読影で感度と特異度がどのくらいあったかによって、A,B1,B2,C,Dの判定がつきます。その判定基準は次のようになっています。マンモグラフィー読影医更新試験 (2) posted by (C)ドクターT過去2回試験を受けていますが、いずれもB1の判定でした。今回の試験はどうだったでしょうかマンモグラフィー読影医更新試験 (3) posted by (C)ドクターTまたしてもB1に終わりました。感度が平均より悪く、特異度が平均よりよくなっています。どちらかをあげようと思えば簡単です。感度を100%にしようと思えば、全部カテゴリー3以上をつければよいのですが、それでは異常のない乳房を全部精検に回すことになり、特異度は0%になってしまいます。逆に全部カテゴリー2以下にすれば特異度は100%になりますが、感度が落ちてしまいます。感度と特異度は逆相関の関係にある訳です。もちろん、B1で検診マンモグラフィーの読影をする資格は十分ですし、検診では通常マンモグラフィーだけでなく触診を併用しますので、癌の見逃しが18.2%もあると言う訳ではありません。しかし、私の場合特異度が高過ぎますので、もう少し特異度を下げてもおかしいものをカテゴリー3以上と判定して精検に回してもよいかも知れませんね。感度・特異度はどんなものの判定でも使うことが出来ます。例えば毒キノコの判定で言えば、毒キノコを正しく毒キノコと判定出来る割合が感度で、毒キノコでないものを正しく毒キノコでないと判定出来る割合が特異度ということになりますし、毒キノコの種類まで正しく判定出来る割合がカテゴリー感度ということになります。