Ｗ杯本番前の最終調整試合、マルタ戦は１－０という結果に終わりました。
マルタの実力は、アジアの中堅国くらいじゃないかな・・・という印象でしたが、その相手を前にして、ドイツ戦での高さ不足以上の弱点をさらけ出してしまいました。この試合が弾みを付けるための位置づけだとしたら、協会のマッチメークミスと言ってもいいのではないでしょうか。
これまで俺は、ブラジル戦は「いい試合」になるが、オーストラリア、クロアチアは共にタフな試合になる、特にクロアチアには勝てるイメージが沸かないと言ってきましたが、その予感はこの試合で確信にかわりました。と同時に、日本のグループリーグでの姿が予想できたのです。
この試合でさらけ出した弱点とは、「引いてくる相手に弱い」ということです。
まあどんなチームでも引いてくる相手には苦戦するものですが、日本にはその相手を突き崩す戦術、オプションが無さすぎると思います。
原因ははっきりしています
トップ下の中村を始め、中村、小野ら攻撃的な中盤の選手はパサーばかり。トップに強力なＦＷがいれば有効ですが、日本のＦＷは世界レベルとは言い難い。ラインが深く、守備に人数が多くてスペースが無い相手に対しては、スルーパスやサイドチェンジはあまり有効ではないので。ラインが深ければスルーパスでクイックネスを活かす距離は短くなるし、そもそもスペースが無い。サイドチェンジも人数が揃っていれば対応できてしまう。個人で縦に突破できる、又は横の動きで揺さぶりを掛けられるアタッカーがいない。
ならばサイド攻撃はどうか。この試合、確かに三都主、駒野はサイドで優位になっていました。突破、クロスで何度か決定的なチャンスを作っていました。しかし、三都主がＤＦをかわして突破した後に、出しどころに躊躇しているシーンも幾つかありました。つまりは、ＦＷ～攻撃的ＭＦの高さの不足によるものです。
クロスを上げても競り勝てる要素は少ないので、ディフェンスラインの裏に低く早いクロスを上げるか（といってもそもそもラインが深いので裏が無い）、ニアに走り込んでくる選手に合わせるか、マイナスに出してロングシュートを打たせるかという選択肢しか無くなってしまう。これではいくらサイドで優位に立っても、その優位性を活かしきれているとは言い難い。
この試合でジーコが何をしたかったのか、良くわかりませんでした。大黒は裏へ裏への選手だし、玉田はスペースがあってナンボの選手。この２人を並べてどうしたかったのか。
オーストラリア、クロアチアはいずれも堅守速攻、カウンター型のチームです。しかもマルタ以上のタレントが揃い、マルタ以上に組織されたチームなわけで。正直今の戦いかたで、この2チームに勝つには「運」に頼るしかないでしょう。それはつまり、幸運にも先制点がもたらされる可能性にかけるしかない。
カウンターを喰らい先制されて、さらに引き気味にこられた時に、日本が相手を崩すオプションはありません。先制を許せばその時点で良くて引き分けに持ち込むのが関の山でしょう。人数をかけて攻めに行ったところで中田のパスを奪われ、カウンターを喰らって宮本すってんころりん、みたいな未来が見えてしまう。
最終戦にブラジルが控えている以上、予選突破にはこの2チームに最低でも１勝１分けが必要なわけで。果たしてどうなんでしょうねえ。
ブラジルとは良い試合になると思いますよ。ドイツ戦のように前掛かりでくるチームとは、或る程度やれるという確信はあります。攻め合いの面白い試合になるかと。ブラジルが２勝で突破を決めていれば、余計に手心を加えてくれるのでは
これからの１週間で修正できるという可能性は相当低いでしょうから、あとはもう運頼みでｗ
日韓の時の稲本のような存在が出てきてくれるといいですねぇ。
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