312665 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

残業人間の野遊び生活

残業人間の野遊び生活

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

渓遊ワンダラー

渓遊ワンダラー

カレンダー

コメント新着

お願いおしえて@ Re:三重 銚子川(08/22) 鮎とかって放流されてるのが多く、勝って…
toshiko3776@ Re:南ア(荒川三山~赤石岳)3 天空闊歩の荒川三山(08/12) 拝見していて、数年前の縦走を思い出し 懐…
渓遊ワンダラー@ Re[1]:雪の中で(05/13) 笠木の母さんへ >K助君 逞しいですね…
笠木の母@ Re:雪の中で(05/13) K助君 逞しいですね もっと大きい人かと…
2009年02月28日
XML
カテゴリ:狩猟
 今期2度目の師匠と二人での犬無し忍び猟に出撃。

 猟期も終盤。
 集落周辺の山で猟犬に追われた鹿がきっと上流に溜まってくる。
 それに雪も今年は無い。
 天気も上々、日が高くなれば動くはず。

 などなど、師匠と車で相談しながら、今日の猟場をピンポイント3カ所、もしくは4カ所に特定。

 まず最初に行ったポイントは、標高1,000mを越える稜線上のススキの原っぱ。

 そろそろ出会ってもおかしくないなと話していたその時、

 ピィ~ッ!

 と、子を呼ぶ親鹿の鳴き声。

 すかさず、俺が鳴き声の方に走り、師匠は鹿が逃げるだろう場所へ陣取った。が、鹿を見付けて銃を構えた途端、親が師匠のいる方向とは逆に飛んだ。
 1頭ではないはず、とそのままの体勢でいたら、すごい勢いで2頭が続いて、あっという間いなくなっちゃった。
 これで、万事休す。
 もっとこっそりじっくり行けばよかったなかな。悔しいなあ。

 続いて第2ポイント。

 南向き斜面で、200年クラスの大杉が綺麗に立ち並ぶ林の中で、すこぶる見通しが良い。

 ん、なにかこっち見てる。
 すかさず、銃を構え、

 ドッカ~ン!

 2頭の鹿が走って行ってしまった。畜生、外したか・・・。

 それにしてもやりにくい。
 結構気温が低いせいか、モノも動いてないようで、今日の足跡がひとつも無いのである。

 それでもモノに出会えてるってことは、モノのテリトリーにこっちが踏み込んで行ってるということで、犬も使ってないのに、まあ結構な事ではある。

 引き続き、今度は斜面の上の方を横切っていく鹿を発見。だが、木立の中をちらちら走るので、撃てず。

 だが、まだ近くにいるかもしれないので、師匠は撃ちやすい場所に陣取り、俺がモノを探しにその斜面を斜めに上がってみた。

 今日の俺は勢子役のようだな。

 稜線まで上がったが、モノは切れて行ってたみたい。

 で、今度は稜線伝いに歩いていると、ほんの10mそばの茅の中で、ガサガサッと気配が。そして姿は見えないが、あわてふためいてモノが下って行くのが分かった。

“師匠、下ったでぇ!”

 無線を入れてしばらくすると、

 ズバ~ン!

 とライフル発砲音。

“あかんわぁ、2頭、どえらい下だったわ。下に集落あるし、撃ちにくいで。”

 下の集落と行っても、標高で500mくらい下なのだが、なにせ、射程距離が数キロにもなるライフルなので、師匠も常に慎重なのである。
 
 ここまででモノとの出会いは二人合わせて8頭。
 居るところに来ればやっぱり出会えるもんだなあ。

 さて、本日の第3ポイント。時刻からしてここが今日最後のポイントだろう。
 
 ここは今期に入って、俺が一人で忍んで2度やられている所。
 起伏があって見通しは100m程度だが、杉のすき間が広いので撃ちやすい。
 しかし、これまで1度は下から、2度目は上から入って、いずれも横に切られて発砲すら出来ず。

 師匠と相談し、斜面を下から入ることにして、師匠は左から、俺は右から入った。
 今まで、2回とも右に切って逃げられてるので、俺は思いっきり右端を押さえ込むようにして斜面を直登。俺が登ってる直登ラインの右側は急に切れ落ちていて、モノが走るコースは限られている。そこを押さえ込んでモノが右に逃げないように、という俺の考え。

 吉と出るか凶出るか・・・。

 う~ん、出ないなあ。
“師匠、お留守みたいですぜ。”と言おうとして何度かマイクに手を掛けそうになったが、しぶとく登り続けた。
 登っては止まって気配を取り、登っては止まって気配を取り、と繰り返す。

 10分ほど登っただろうか。

 出たっ!

 よし、しめた! 右を押さえたつもりだったのが功を奏したのか、モノは左へ、つまり師匠の方へ向いている。
 まだ走らず、お前誰や?ってな顔してこっちを見てる。

 ザックを放り投げ、しゃがんで挙銃。

 ドッカ~ン!
 ドッカ~ン!
 ドッカ~ン!

 1頭真下に駆け下り始めた。弾がかすったかな?

 残りは師匠の方へ一気に走り始めた。

“3つ、そっち行ったで!”

 返事は無い。師匠も気配を殺して臨戦態勢に入ってるのが目に浮かぶ。そう言うときは、気配を殺すために、無線の返事もしないのである。

 ズバ~ン!
 ズバ~ン!
 ズバ~ン!

 ズバ~ン!
 ズバ~ン!

 師匠のライフルがこだまする。

 おお、なんとトナカイが俺の100mくらい下を師匠のいた方から走って来るではないか。

 で、でけぇっ! 

 その後に一回り小さいが、これもいいサイズの雄鹿がのたりのたりと走ってくる。

 でも走りが遅い。一目でこれは2頭とも師匠の矢が入ってると判断。

 でも止めないと走られる。

 ドッカ~ン!
 バッカ~ン!
 バッカ~ン!
 
 そのまま通過・・・。

 “どうや~?”

 すこし余裕の師匠の声色から、師匠の方に1頭倒れているのを確信。

 “1つごついのが抜けて、あとのもう1つは下ったよぉ。足追います。”

 一気に斜面を走り降りて、足を拾う・・・。

 あった!

 血糊も落ちている。やはり当たってる。

 “師匠、ノリ(血糊)拾ったよぉ。赤い血です(どす黒くないってこと)。”

 足を拾っていったら、4m程の崖で足が消えていて、崖から生えてる灌木に血が付いている。

 “崖まくれてるわ。きっと下に転がってるよぉ。”

 回り込んで行ってみると、三ノ又のごっつい鹿が転がっていた。

 よしよし、しかしでけぇな。

 最初に俺が撃って下に走ったモノと、師匠が撃ったあと、俺の下に回ったうちの1頭の足を拾おうとしたが、あわてふためいた足跡が、途中から忍び足に変えられていて拾えず。
 もしかしたら矢がかすっていたかもしれないが、時間切れであきらめることに。

 こうして、このポイントで、おそらく4頭出たうち2頭を仕留めるウハウハの結果。
 さすが師匠の銃の腕は素晴らしい。

 だが、時は14時。もたもたしていると解体して山を下る前に日が暮れてしまう。

 大急ぎで解体作業開始。

 師匠が最初に止めたモノは一本角のオスだった。そやつを解体してから、俺の所を通り過ぎたごつい三ノ又の解体開始。

 「渓遊ちゃん、このへんにキュウリ売ってある?」
 
 肋骨当たりの皮を剥きながら、師匠から訳の分からん問いかけ。

 「はぁ? キュウリですか?」

 「ちゃうよ。このへんにキュウリュウ(9粒 鉛が9つ入った散弾のこと)撃ったか?」

 「ああ、9粒撃ちましたよ。」

 「いや、これ、この穴、俺の弾じゃないわ。9粒の穴やで。」

 たしかに、2つ肋骨に穴が空いていて、それも貫通していない。ライフルなら間違いなく貫通する。

 「この鹿、俺の弾は足を抜いているけど、渓遊ちゃんの矢が肺に入ったんがトドメになってるわ。こやつは渓遊ちゃんのやで。」

 師匠が俺に花を持たそうとしてくれている。

 「いやいや、手柄は鹿は初矢、シシは止め矢って師匠から教わってますよ。足に入ってなかったらどっちにしろ、俺の所に回ってきてないし。」

 ま、俺の矢がモノを止める一助となったことは嬉しいが、手柄は正直どっちでもいいかな。師匠と一緒に山に入って、それぞれの役回りをこなし、結果を出せたことの方がもっと嬉しい。

 2頭解体して、身の回りの整理をして、車に戻って猟装を解いて、エンジン掛けたのが17時。
 谷が深いので、既に薄暗い。

 それにしても、よく歩いて、よく鹿を出して、全部で出た鹿は12頭か。そして、よく撃った1日だったな。
 そして結果も出せたし。
 去年も師匠と二人で忍びに入って1日3頭倒しているが、今日は見事なチームプレイで2頭倒せて、満足度の高い楽しい猟が出来た。

 師匠もかなり嬉しそうで、お互い車中でしゃべり続けている。
 この場にビールでもあれば、多分記憶無くすまで二人で飲み続けていたに違いない。

 帰宅してから、肉(骨付き)の重さを計ったら14キロあった。なかなかの重さですな。

 そして、風呂に入ってお約束のビール。

 俺は1リットルくらいで撃沈、意識不明。

 後日聞いたら師匠は3リットル超えたそうだ。恐るべし60代。

1024 樹氷01

 こうして樹氷の中での鹿との追っかけっこが、ようやく清く正しく終わったのであった。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2009年03月03日 09時47分41秒
コメント(2) | コメントを書く
[狩猟] カテゴリの最新記事


カテゴリ

日記/記事の投稿

お気に入りブログ

獲れば良いってもん… 北のかりうどさん

一語一笑~イラスト… 赤い車のクロロンさん
山さんの渓流釣行 ultragameさん
マルクン17日記 マル君17さん
富士山ログハウス物… 富士山ログハウス物語さん

キーワードサーチ

▼キーワード検索

フリーページ


© Rakuten Group, Inc.
X