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もうり栄子(長野県議5期目)のかけある記

もうり栄子(長野県議5期目)のかけある記

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2017年02月23日
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2月23日党県議団(8人)を代表して代表質問を行いました。地元をはじめ県下各地から130人もの皆さんが駆けつけ激励してくださいました。ありがとうございました。
質問内容をアップします。一部時間の関係で端折ったものもあります。


1、日本共産党県議団を代表し、代表質問を行います。最初に知事の政治姿勢についてです。今年は憲法施行70年、安保法制・戦争法の強行可決により立憲主義が危うくなっているもとで、知事の政治スタンスが重要な意味を持ってくると思われますので、まず安倍内閣の国会運営について伺います。

 昨年暮れの臨時国会は強行採決に次ぐ強行採決でまさに異常な国会運営でした。TPP、年金、カジノと3つの重大法案はいずれも会期末に衆議院で強行採決によって可決。山本農水大臣は審議前からTPP承認案を「強行採決」する発言を行ない、3権分立を犯す大問題となりました。

年金カット法案では衆議院厚労委員会で安倍総理は「私が述べたことを全く理解いただけないのであれば、こんな議論を何時間やっても同じ」と審議打ち切りを示唆する発言まで行いました。カジノ解禁推進法案に至っては会期延長して審議入りし、わずか6時間足らずで強行採決、さらに再度の会期延長までおこない成立させました。
朝日新聞は「これほど強引な国会運営がテーマになった国会はなかった」と書き、東京新聞は「臨時国会の目的はカジノを解禁することにあったのかと疑いたくなる」と書きました。
 長野県世論調査協会が2月3日発表した最新の世論調査結果を見るとカジノ法案について反対77%、賛成13%、年金カット法案については読売の12月5日付調査で反対57%、賛成33%と反対が多数です。
国民世論も受け止めず、国会の民主的運営も無視し、数の力で押し切る横暴な安倍政権の国会運営手法について阿部知事はどう受け止めていますか。見解を伺います。

続いて、沖縄の基地強化と長野県でのオスプレイ飛行訓練について伺います。
安倍政権は沖縄の「基地負担軽減」といいながら海兵隊基地をいっそう固定・強化しようとしています。沖縄では名護市長選挙、県知事選挙、総選挙、参議院選挙と新基地建設反対派が圧倒的な勝利をおさめ、自民党の国会議員は一人もいなくなりました。  
にもかかわらず新基地建設を強行しています。しかも沖縄の基地強化は全国各地の基地強化と一体のものとして行われています。

昨年12月、名護市の海岸に墜落したオスプレイは日本の捜査権も及ばず、原因も究明されないのにたった6日間で訓練が再開され、安倍政権はそれを容認しました。沖縄県民や国民の命より日米関係を重視する態度に怒りが広がっています。
沖縄に配備されている米海兵隊のオスプレイは横田基地・厚木基地・キャンプ富士・岩国基地などに飛来し、訓練を繰り返しています。
長野県は米軍機の訓練ルートのブルールートになっており、27の自治体が関係します。アメリカでも「未亡人製造機」と言われている欠陥機オスプレイが長野県上空を飛べば、墜落し被害が及ぶ危険が懸念されます。3月には群馬県相馬原演習場と新潟県関山演習場で陸上自衛隊と米海兵隊が合同実施訓練を実施し、墜落後初めて6機のオスプレイの参加が公表され、長野県上空も飛行する可能性があります。

県は昨年9月20日付で防衛大臣に対し、市長会、町村会連名でオスプレイの飛行訓練問題で要請書を提出しています。日本共産党藤野保史衆議院議員も「長野県上空でのオスプレイ飛行訓練に関する質問主意書」を昨年11月に出していますが、政府答弁は「環境影響はない」「通告義務はない」「飛行経路は知らない」のない、ない尽くしでまったくひどい内容でした。軽井沢町長は「1953年、浅間山麓への米軍演習場建設が持ち上がった時、長野県全体で阻止してきた。オスプレイだから反対ではなく、町上空で訓練すれば事故が起こるかも知れない。静かな環境が壊されることは認められない」と語っており、信濃町の町長も「バタバタと爆音を響かせられたら森林セラピーにならない」と基本的に反対の立場を表明しています。

知事、日本全土にオスプレイの配備・訓練が拡大する状況をどう考えますか。また長野県の上空をオスプレイが飛ぶことで住民の不安は高まっていますが、県民の立場に立ち、政府に対し、オスプレイの住宅地上空での飛行禁止をしっかり求めていただきたいと思いますがいかがですか。

アベノミクスの破たんと格差と貧困の拡大、地方の衰退について伺います。
アベノミクスが始まって4年、当時地方が恩恵を受けるには時間がかるなどと言われましたが、長野県の世論調査でも社会的格差は広がっていると答えた人は76%、縮小している11%の7倍でいまやアベノミクスで生活が豊かになったなどと信じる者は少数派です。つくられた円安・株高で富裕層には富が集中し、豊かになったけれども、中間層は労働者の平均賃金が1997年をピークに年収で55万6千円も減少し、「板子1枚下は地獄」と言われるほど不安定で疲弊し、明日は我が身と切迫しています。貧困が広がり、子供の貧困は社会問題にもなっています。

 長野県でも年収1億円を超える高額所得者は2009年から2014年までの5年間で68人から108人へと増えています。しかし、同じ時期に生活保護率は4、2パーミリから5、5パーミリへと増えています。就学援助率は2003年6、73%から2013年には10、84%へと1、6倍に増えています。また長野県の非正規雇用の割合は平成14年以来全国平均より高く、直近では全国2位になっています。昨日知事は求人倍率が上がったとの答弁を行っていましたが、正規の求人は4割しかありません。
 知事は県民生活の現状をどうとらえていますか。県民生活向上に必要な施策は何だと考えますか。見解を伺います。

次に共謀罪について伺います。
政府は東京オリンピック・パラリンピックを控えテロ対策の名のもとに組織犯罪処罰法改正案を通常国会に提出し、共謀罪を新設しようとしています。テロ対策というならすでに日本が締結している国際的な条約が13本あり、これで対応は可能です。
日本の刑法は実際に犯罪が行われることで処罰を設けており、未遂犯を処罰することは例外です。相談・計画しただけで罪に問うことは思想や内心を処罰対象とする違憲立法であり、現代版治安維持法ともいえるものです。
長野県弁護士会では昨年10月「内心を広範に処罰し、監視社会を招く共謀罪に断固反対する」との会長声明も出しており、全国52の単位弁護士会のうち33の弁護士会が会長の反対声明を発表しています。今から85年前、長野県で治安維持法による大量逮捕者が出て2・4事件がおこり、そのことが契機となり、満蒙開拓に全国1送りこんだ痛苦の歴史を踏まえるなら提出は断念すべきだと思いますが、阿部知事の共謀罪に対する見解を伺います。

2、新年度予算と県財政について知事に伺います。
平成29年度の県予算は社会保障費の伸びが25億円増える中で、地方交付税が58億円マイナスとなり、基金を97億円とりくずし、臨時財政対策債つまり赤字県債を前年比24億円増の460億円発行して何とかやりくりする厳しいものになっています。義務的経費が政策的経費を圧迫しており、社会保障費や扶助費など義務的経費を昨年比53億円減らす形でしわ寄せさせ予算編成がされました。
こうした中で新県立大学に109億円、信濃美術館の建て替えに110億円、武道館建設に50億円、リニア関連道路に500~700億円、さらに中部縦貫道、中部横断道、松本糸魚川連絡道路など、大型事業が目白押しです。
一方で2017年度予算編成にあたっては242事業を廃止・縮小することで歳出を31億円余削減し、県立総合リハビリテーションセンターの診断書や諸証明の文書料などを1割余値上げするなど各種使用料・手数料などを値上げして県民負担を強いながらやりくりしています。

いちど減った借金は再び増え続け年間予算の2倍、過去最高の1兆7000億円を超えました。人口減少に歯止めがかからず、高齢化が進行するなか、後世の若者に過度な負担がかぶさっていくことが心配されます。
大北森林組合の国への返還と制裁金など、採用抑制と残業代カットなどで厳しく対応してきている中で、大型事業の規模が本当に適正なのか、他の施策の圧迫につながらないか、運営費の増大に毎年度対応できるのか懸念するものです。大型公共事業についてなぜ今必要とされているのか県民への説明とどのように合意を図っていくのか知事の見解を伺います。

3、次に子育て支援についてです。最初に子供医療費窓口無料化について健康福祉部長に伺います。
平成28年12月22日付厚生労働省国民健康保険課長通知で平成30年4月1日から未就学児までの子供医療費の窓口無料化について国のペナルテイを科さないこととされました。長野県議会としても何回か国に意見書を挙げてきた経過があり、ようやくかと歓迎するものです。
 党県議団は関係の皆さんと署名行動や要請活動を実施するとともに、この間数十回にわたって、議会で子供医療費の窓口無料化を取り上げてきました。地方議会でも55の市町村、71%が意見書を採択しています。若いお父さん、お母さん方の切実な願いが実現に向かって動き始めたことは嬉しい限りです。

全国的には現物給付しない県は長野県を含め残り6県となってしまいました。県は1月27日に関係4市町村長と健康福祉部長からなる「県福祉医療給付事業検討会」の初会合を開き、検討を開始したと伝えられています。
今後どのようなスケジュールで検討していくのでしょうか。検討していく上での論点はなんですか?その際、市町村関係者だけでなく、切実な願いをもっている保護者や障がい者などの当事者をぜひ加えていただきたいと思います。過日の知事申し入れの際、課長は「市町村レベルでの調整が主になるので、難しい」と答えています。当事者の切実な声が反映されてこそより良いものになるのではないでしょうか。ぜひ当事者を入れていただきたいと思いますがいかがですか。

さらに実施年令ですが、午前中の知事答弁によると、就学前、中学卒業までと様ざまな意見があり、今後しっかり方向性を探るとのことですが、すべての市町村が中学卒業まで入院、通院とも実施しているため、就学前で線引きしにくい状況があります。全市町村の意見も聞きつつ、最低でも中学卒業まで入院・通院ともできる限り早期に窓口無料にしてほしいと思いますがいかがでしょうか。

新聞報道では1レセプトあたり500円の受給者負担金は残す方向で一致したと書かれていますが、それほど待ちに待った保護者をがっかりさせる対応はありません。「そんな無料化なんてありえない」という声が圧倒的です。
500円の受給者負担金を残す理由は何ですか。完全無料化を実施してほしいと思いますがいかがですか。

続いて保育問題について県民文化部長に伺います。厚労省は待機児問題について全国的に定義がまちまちだとして「隠れ待機児」問題などの把握も行うよう検討しているとお聞きしています。長野県は以前にお聞きした時も待機児のいない県とのことですが、未満児が途中入所を希望してもほとんど入ることができずやむなく祖父母に預けたり、育休を延長したり、職場を辞めざるを得ない状況が各所で出てきています。
北信のS市では申し込みに行くと市の窓口で「育休をもっととってください」「子供は自宅で見るのが一番いいんですよ」などとひどい対応をし、申し込みを受け付けない事例もあるそうです。

「女性が活躍する社会」といくら叫んでみても保育所にすら預けられない現状は早急に改善すべきだと考えます。そのためには県としてぜひ現状を把握すべきだと思いますが待機児数の実態はどうなっていますか。

 待機児問題の原因の一つに、保育士不足が挙げられます。専門職であるのに、他の職種と比べて人件費が厚労省賃金構造統計基本調査で月9万円も安いことが挙げられていますが、保育士の処遇改善が急務と考えます。
国が待遇改善として打ち出した、保育士の処遇改善の4万円はキャリアアップ研修をした副主任や専門リーダーにしか支給されず、その数も園長、主任を除く保育士全体のおおむね3分の1ということでわずか数人が該当になるだけです。特定の人だけ値上げするわけにもいかず、該当者に支給されるお金はその他の職員で配分できるという国の指示にもとづく対応をするのが一般的で、保育士の配置基準も国を上回って1、6~1、8倍の人数を配置していることから、みんなで配分すれば、2~3000円のアップにしかなりません。国の4万円アップは誇大宣伝ではないでしょうか。
保育士不足解消のための方策と待遇改善に対する部長の見解を伺います。


 保育料問題について伺います。子育て支援策として県の保育料第3子への支援は評価しますが、子供を一人しか持たない若年世帯は国立社会保障人口問題研究所の平成27年、第15回出生動向基本調査によりますと、18,6%、20年前の倍に増えています。ちなみに2人はほぼ横ばいの54,1%、3人は17,8%となっています。子育てにお金がかかるのが子育て世代の大きな悩みにもなっていることから、ぜひ2人産む動機付けのためにも少子高齢化が大きな問題になっている長野県として思い切った第1子への保育料支援が必要ではないかと考えますが部長の見解を伺います。

子供の貧困対策について伺います。
県は「貧困対策推進計画」を作成し取り組みを始めています。計画は総花的でありスローガン的な感が否めませんが、1年間の取り組みの成果と課題について伺います。
県貧困対策推進計画は平成28~29年の2か年計画であり、さらなる計画作りが必要です。平成27年県が実施した「一人親家庭実態調査」結果は貴重な資料ではありますが、全体像が十分つかめていないのではないでしょうか。一人親以外にも深刻な状況は存在しますし、顕在化しない貧困いわゆる「見えない貧困」もあります。「アルバイト漬けの生徒が学校に来なくなったので訪ねたところ、片親の母にほとんど巻き上げられそれがパチンコに使われていた」「子供を使って近所にお金を借りに行かせている親がいる」「友達に買い物を誘われたがお金がないので用事があるとうそを言って断った」「家族でやっと入れた県営住宅。訪ねてみたら寒さの中に火の入らないこたつがぽつんとおいてあるだけ」などの実態が寄せられています。

子供のいる世帯の所得状況、雇用の状況、就学援助の状況、進学の保障、公共料金の滞納状況、衛生保持状況、食事接種の状況、虐待の状況、本を買ってもらえない、新しい靴や服を買えない、検診を受けても医者や歯医者にかかれず放置されているなどはく奪にかかわる指標など本気で貧困問題を解決するためには、さらにリアルな現状把握に努めるべきではないかと思いますが部長いかがでしょうか。

「子供の貧困対策大綱」では地方自治体でも貧困対策についての「検討の場」を設けるよう示されており、新年度子ども支援団体や行政、経済団体で構成するオール信州の官民協同組織「長野県将来世代応援県民会議」を立ち上げるとのことですが、見守り活動や青少年サポーター拡大などいくつもの課題を扱う団体になっています。
子供の貧困が持つ重大性にかんがみ、貧困問題に特化した検討の場が必要だと思いますがいかがでしょうか。さらに貧困対策を推進するうえで、県の指標はたった5項目で、あまりに部分的であり対象が狭いので、34項目を持つ沖縄県のようにもっと多面的な指標と目標値を持つべきと考えますが部長の見解をうかがいます。

(再質問)
保育士の処遇改善を抜本的に変えるためには昭和23年以来変わっていない職員配置基準、つまり0歳児3人に1人、1・2歳児は6人に一人、3歳児は20人に1人、4~5歳児は30人に1人の保育士を配置するという基準を実態に合ったものに変え、公定価格をもっと上げるべきではないでしょうか。国に対して配置基準の見直しと公定価格の引き上げを求めていただきたいと要望しておきます。

4、中小企業支援について産業労働部長に伺います。
帝国データバンク発表の平成28年の県内企業の倒産集計によると倒産件数は前年比3件増の96件で、業種別にみると小売業が24件、サービス業が23件、製造業が22件、建設業が17件と続きました。一方、平成27年度では倒産の4、8倍も休廃業・解散があり、7年連続で450件を上回っています。最も多かったのは建設業の143件(31,7%)、小売業の93件(20、6%)、サービス業75件(16、6%)で代表者の年代別では60代~80代が75、8%となっています。倒産と休廃業で毎年500件余の事業所が消えていきます。いくら高齢化とはいえ、地域の空洞化は加速しています。
後継者難も問題視されています。県は休廃業の原因をどう把握し、どのような対策を取ろうとしているのか伺います。

県外からの企業誘致の10倍も既存の事業所が消えていく現状は地域づくりにとっても深刻ではないでしょうか。山口議員が2015年11月議会の質問で「中小企業の振興のために現場にどれだけ足を運ぶかが成否を握る」と求めたことに対し、部長は「各企業を訪ねることは大事、県だけでなく商工会・商工会議所、金融機関と連携して課題を伺ってまいりたい」と答えています。町工場などを訪ねるといろいろな調査は来るが、アンケートはもういいという声が強いです。中小企業を実際に訪ね、ともに仕事確保や販路の拡大、資金繰り、元請けからの単価切り下げへの対応、人材の確保について相談に乗り知恵を出してくれる行政の援助を求めています。県が実施している支援策について伺います。

呼び込み型企業へは戦略的企業誘致ということで、不動産取得税の課税免除や取得した生産設備や建物等に対し投資額に応じて5億円から10億円の支援、新規雇用や転入者に対し一人当たり80万円の雇用促進助成をしているのに既存の小規模事業者には直接的な支援策はほとんどありません。小規模事業者は地域づくりのカナメであることの位置づけをもっと高める必要があるのではないでしょうか。

呼び込み型企業に匹敵する直接的な助成、例えば社会保険料の事業者負担分の助成、水光熱費や家賃補助など既存企業にも実施してほしいと考えますがいかがですか。

次世代産業創出にかかわって航空機産業振興について伺います。
平成27年11月、国産初の三菱リージョナルゼットが初フライトに成功しました。MRJは現在ANAホールデイングスや日本航空、米国の航空会社などから計447機を受注していますが、1月末に、5回目の納期を延期するということが明らかにされました。2020年半ばにずれ込むことが予想され、度重なる延期できちんと納品できるのか心配されています。

中国ではすでにARJ21が数十機飛んでおり、小型旅客機は国際的な競争にさらされています。飯田下伊那地域ではYS-11以来の国産小型旅客機としてMRJに夢と期待が集まっていますが、安全性認証の「形式証明」がとれるかどうかの恐れもでています。
飯田下伊那地域には共同受注グループ「エアロスペース飯田」があり技術力をみがいてきています。県は国際戦略総合特区への参画による優遇制度の導入やクラスター拠点工場整備などを支援し、国内外の航空機市場が拡大するとの見通しをもって、経済産業省や信州大学、JAXAなどの力も借りながら取り組みを強め、上伊那や諏訪地域にも特区を広げ航空機産業の拡大を図ろうとしています。

航空機産業の日本の生産額は1,7兆円で2020年には3兆円の産業規模になると見込まれています。自動車製造業の出荷額52兆円からすれば少ないですが、1機300万点と自動車の100倍の部品が使用されていることから考えると、製品のハードルは高いけれども広い裾野を擁しており、期待の次世代産業であることは理解できます。製造業に手詰まり感のある中では新たな開拓の必要性はあるものの、長野県のシェアは現状わずか0,6%、95億円です。

委員会で飯田市の部品製造会社を訪ねさせていただきましたが、試作の5年間は赤字、量産になっても利益は出ない、実際に製品にするまでにはほとんど儲けにならず、補修や改造などのMROビジネスなどで稼いだお金をつぎ込んで苦労を重ねているとのことでした。
長野県は「システム関連」(装備品)の受注を目指していますが、技術力はあっても企業収益の問題、ハードルの高さの問題、製品化するまでには時間を要する問題など、クリアーしなければならない問題はたくさんあります。加えて、MRJの納入が次々延期される中では先行きの不透明さが気にかかるところです。県はリスクもあるこれらの問題をどのようにとらえているのでしょうか。いけいけドンドンで大丈夫なのか。部長の見解をお聞きします。

次に航空機産業と軍需産業とのかかわりについて伺います。
航空機産業は重層構造で、三菱重工や川崎重工、富士重工など軍需産業もかかわっており、下請けでは「どんな部品をつくっているかわからない」とも言っていたことを考えると、長野県の企業が軍需産業の一翼を担わされることも懸念されます。安倍政権のもとで武器輸出3原則にかわり防衛装備移転3原則となる中で、新年度軍事研究には18倍の予算が付き、日本学術会議では軍事研究に手を染めるのかどうか大議論が続いています。地元信州大学では軍事応用可能な防衛省公募の研究は当面見合わせる方針と聞いています。産業労働部長の見解を伺います。

5、農業問題について農政部長に伺います。
 昨年末の臨時国会でTPP承認案を強行可決しましたが、アメリカのトランプ大統領はTPPからの離脱を決めました。アメリカが加わらないTPPは宙に浮くだけで、むしろ今後日米2国間の自由貿易協定でさらなる厳しい条件を飲まされることが危惧されます。
政府自民党はTPP対策として体質強化をあおり、規模拡大と法人化、農地の大区画化と集積の加速、輸出促進、高性能機械の導入と集荷施設の再編など「攻めの農政」「強い農業」を推し進めてきました。「創造プラン」では農業政策として輸出の促進、6次産業化、農業構造の改革と生産コストの削減、農協改革の促進などを打ち出しましたが、その議論の過程で規制改革推進会議が乱暴な農協改革を持ち出しました。農協の販売事業と購買事業を最大の焦点にし、全農たたきを行っています。全農は1年以内に委託販売から買い取り販売に転換すべき、資材販売などの購買事業をやめよ、信用事業を含むJAを3年後に半減させるなど、政府が口出しすべきことではなく、組織が自主的に改革すべきことではないでしょうか。まさに政権党のおごりです。

長野県の農家は1戸当たりの生産規模は小さいけれども農家戸数は11万7000と少なくなったとは言え全国1です。中山間地で耕作しているため、農協を頼りにしており、全農県本部の取扱高は全国1で共販率が高くなっています。
地域の維持、振興という観点から総合農協としての役割をしっかり評価することが大事ではないでしょうか。農協は組合員の要求、意見をもとに共同や団結を大切にし、地域や生産実態に合った対応をしていくことが不可欠です。農協をつぶせば地域は今以上に耕作放棄地ができ、農村が疲弊していくでしょう。

農政部長に伺います。政府の農協改革はあまりに乱暴でおしつけ的であると思いますが、いかがお考えでしょうか。長野県農業と農村を守るために、押し付けやめよ、農協の自主的改革を尊重せよと国に意見を挙げていただきたいと思いますがいかがですか。また県は、国の方針に従ってTPP対策に前のめりの大規模化や輸出促進を推進し、ベトナムなどとも可能性をさぐってきました。
過日諏訪圏域の農業関係者と地元選出県議の懇談会があったおり「政府は大型化ばかり進める、大規模農家でないと補助対象にならない。かつて20人いた仲間はいま4人になってしまい、地域で集まりを持ってもあつまらず、農業機械の買い替えもできない」との声も出されました。担い手不足をどう解消し、どうやって食べていける農業にするか地域は悩んでいます。

TPP大筋合意を前提に県は強い農業をめざし、輸出を含め対応策を推進してきましたがTPPは破たんです。コメの生産調整の廃止ではなく経営所得安定対策の維持・継続や、食料自給率を高めるために、地産地消、安全で安心な食物を提供し国内消費の増大に力を注ぐことこそ必要だと思いますが、今後どのように長野県農業を維持発展させていくのか部長の考えをお聞かせください。

6、林業振興についてうかがいます。
 最初に大北森林組合補助金不正事件について林務部長に伺います。
 大北森林組合の事件は依然として真相解明が尽くされていません。補助金適正化法違反と詐欺罪に関しては長野地裁で裁判が行われ、判決が3月末には出されますが、政治的な解決はまだまだです。
県が大北森林組合に対して返還請求した約8億8000万円のうち1000万円の返還済みを除く、8億7000万円は過日、森林組合から再計画が出され、向こう33年間で返済するとのことです。50年の返済期間では長すぎ、33年なら返済できる保証があるのかという問題ではないと思います。

計画の確実性・実行性を論ずる以前に、そもそも時効を除く8億8000万円を返還請求したことの妥当性がもっと厳密に精査されなければならないのではないでしょうか。
 つまり、県の検証委員会は「行き過ぎた助言」に組合が付け込むかたちで事件が始まったとしていますが、この間の裁判で被告の元専務は「県職員がすでに作業道等が開いている場所の補助金交付申請を認めていた」と陳述しており、予算消化のプレッシャーのために県が年度末に事業をもちかけ、開いている作業道と同じ場所であっても申請可能にしたうえで、完了確認もしないまま補助金を不正に支出していたことがほぼ明らかになっています。であれば、全額組合に請求したことが果たして妥当かどうかが問われなければなりません。
ここで問題になるのは県のかかわり方です。
 北安地方事務所関係者は「架空申請の認識はなかった。いずれ事業を完了してくれるものと思った」と供述しています。でも同じ路線を何回も申請してくるのにおかしいと思わなかったことが不思議です。
例えば霊松寺線。党県議団も何回か現地調査してきましたが、ここは分収造林地に行くための林業公社が管理する作業道で、昭和56年に森林組合が開設した立派な道が開いています。そこにまた、平成23年度に道をあけるための申請が出てくるわけですから、図面を見ればすぐにチェックできるはずです。それなのに現場にもいかずチェックもしない、完了検査もしないで書類だけはださせ、工事もしないのに補助金を出す、これが架空申請でなくてなんと言えばいいのでしょうか。このような申請は、マムシ平線、こぼれ沢線、大峰キャンプ場線、中の貝出口線など多数あります。
すでに道が開いているところにこんな形で申請させて、補助金をノーチェックのまま出していくことが果たして許されるのでしょうか?こんなことで県の事務執行が適正に実施されたと言えますか。部長の見解を伺います。

私は県の責任も大きいことから共同正犯あるいは過失相殺的な意味合いもあり、全額組合に返還を求めたことがはたして妥当なのか検証が必要だと思いますが、知事の見解を伺います。
知事は議会初日の16日、関係者に対する損害賠償をするにあたり、難しい問題をたくさん含んでいるために、専門家の視点で方向付けを行うとし、弁護士などからなる委員会を設置して検討を加速するとの提案説明を行いました。
その直後の20日、県監査委員は、補助金の国庫返還にかかわる加算金3億5300万円余についてかかわった県職員に対し、関係法令に則って賠償請求の検討を行い、責任が認められれば厳正に対処することを求める勧告を行いました。

そこで知事に伺います。知事が設置したいと考えている委員会は県からも森林組合からも独立した第3者で構成すべきであること、さらに事件の経過も踏まえた対応がなされなければ責任の所在が明らかにならないため、県行政のかかわり方についても踏み込んだ対応のできる委員会であるべきだと考えます。どんな性格の委員会にするのか知事の考え方を伺います。
東京都議会は豊洲問題で100条委員会を設置して真相究明をする方向との報道があります。長野県議会もうそを言えば偽証罪にも問われる100条委員会を設置し、議会権能をしっかり発揮して、徹底的な真相究明を行うべきではないかと呼びかけます。

 補助金のあり方について知事に伺います。
今回の事件では本庁林務部から年度末になって予算消化の依頼がくる、あるいは北安地方事務所の林務課で予算を使いきれなくなり、担当職員が上司に叱責されたり、予算消化のために作業道の長さを書類上で延長して辻褄合わせをやったりなど補助金執行に関する県のあり方も問われています。年度末に仕事を依頼して予算消化させようとすること自体が合理性を欠いています。予算を残せば次年度に減らされるために無理やり使い切るといった消化のための予算執行のあり方についてみなおすことが必要ではないでしょうか。予算消化ありきで仕事をするような組織風土を変えていくべきと考えますが、知事の見解を伺います。

森林税について林務部長に伺います。地域の林業関係者の皆さんは、大北森林組合の事件以来きちんとやってきたものにしわ寄せがきて、書類がうるさくなり、予算も減って、森林整備がすすまないと嘆いています。森林税は6億数千万円。使い勝手の悪い国の補助金のあい路を埋める役割もあったと思いますが、どこに使われているのかなかなか目に見えないこと、さらに2015年度の執行額が収入の3分の2にとどまったことなどが問題視されています。森林税が執行できなかった原因をどのようにとらえておりますか。また、30年度以降の継続の可否も判断しなければなりませんが、林務行政に県民の厳しい目が注がれている中、どのように考えて取り組んでいくのか林務部長にお聞きいたします。

林業は植えて、育てて、使ってこそ好循環となります。そこで県産材利用の信州F・POWERプロジェクトについて林務部長に伺います。
森林資源の有効活用と林業再生を旗印にした産学官連携のFパワープロジェクトが平成24年4月からはじまりました。10万㎥の原木を製材用として使い10、5万㎥を発電用として使う、総事業費126億円という巨大なものです。製材施設は27年4月より稼働し始めましたが、発電施設は当初計画より2年近く遅れ、いまだ着工に至っていません。県が肝いりで進めてきた事業で、遅れの責任の一端は県も担っています。製材事業はすでにスタートしていますが、製材に伴う端材などはバイオマス発電に使うとされていました。この間事業内容に変更がありましたが、なぜ遅れているのか。どのような変更があったのか。その理由について林務部長の説明を求めます。

共産党県議団は計画当初より、発電量14500kWは巨大すぎ、原料となる材の調達に無理がありはしないかと指摘してきました。木質バイオマス発電は再生可能エネルギーとしては熱源調達にお金のかからない太陽光や風力発電と違い、木材を調達するのに費用がかかるため、発電規模を大きくして発電コストを抑えようとします。しかし変動費である、燃料費は常に発電コストの一定の割合を占めることから排熱も徹底的に利用することで採算をとろうとします。ですから自然エネルギーで先行する欧州諸国では木質バイオマスは発電ではなく熱利用を基本としながらバイオエネルギーを発展させてきた経過があります。

F・POWERは当初は熱利用もすることになっていましたが、検討の結果中止するとのことですから、ますます大規模な発電をしても採算は取れないことになります。製材用原木は県内原木流通4団体サプライチェーンセンターから供給するとのことですが、材を集めてくるのも大変、熱利用もできないとなれば発電事業の先行きに明るい見通しは望めません。この際、規模の縮小を検討し、5000キロワットで3か所など熱利用もでき小規模にして県内分散にするほうが林業振興には役立つと考えますがいかがでしょうか。

(再質問)
知事に伺います。地方公務員法は服務規程の中で第32条に職員の「法令等及び上司の職務上の命令に従う義務」を定めており、職員は法令とともに上司の職務上の命令には忠実にしたがわなければならないとしています。大北森林組合問題でも上司に「「過去に開設した道でも木が生えているような道は申請したらどうか。開いている道を活用すればいい」と言われ、部下が組合に架空申請を示唆したり、「調査要領に基づき調査しろ」と命令された部下が「現場がないものは調査できない」と困惑している様子などが裁判で証言されています。この場合は実際に書類を書かせたものが責任を問われ、予算消化の発信元は本庁だったのに地方事務所の末端の職員が責任を取らされることになります。だから厳密な再検証が必要だと申し上げているのですが、賠償責任を問う観点として職務命令も考慮に入れるべきと考えますが知事の見解を伺います。

7、医療・介護問題について
 地域医療構想について健康福祉部長に伺います。
 2025年には2割が75才以上になるというなかで、医療機能ごとの病床数を推計し、病床の機能分化や連携、医療と介護が一体となった体制づくりを進めるとの国の方針にもとづき、現在より1680床削減する長野県地域医療構想が策定されました。長野県の入院患者は2030年には2013年と比較し1割程度増加する。75歳以上は3割増えると予測しています。後期高齢者が増えるわけなので入院受療率も高まります。
しかし、病床数は稼働病床から、ほぼ1割削減することになっていて真逆の方向です。病床が削減されれば入院できず患者は在宅医療とならざるを得ません。在宅と言ってもそもそも訪問診療できる医師がいるのかと言えば私の住む岡谷市でも対応できるとしているのは医療機関の2割にもなりません。受け皿もないのに病床を削減することは医療難民をつくります。県はあくまでも推計値と言っていますが、法律の審査の過程で厚労大臣は「都道府県知事は医療審議会の意見を聞いて、過剰な医療機能への転換の中止の要請・命令や稼働していない病床の削減要請ができる」と答えています。長野県はベッド数の削減を強制することも踏み込むこともないということでいいでしょうか。

 医療費抑制が国の方針のなか、国から厳しい対応が迫られることが予想されます。地域や医療機関の声をよく聴くとともに、高齢者世帯がおおく、地理的条件も厳しい中で、低い医療費で頑張ってきた長野県がさらなる削減を迫られることのないよう国には毅然と対応していただきたいと思いますが部長いかがですか。

 国保坂下病院について伺います。病院利用者の3割が南木曽町や大桑村など木曽南部の患者です。地域の命綱になっている病院が診療所化することに大きな反対運動が起こっており、中津川市の皆さんと共同の運動が続けられています。私も何度か現地調査と住民の皆さんとの話し合いに出させていただき中津川の議員とともに坂下病院の関係者からもお話を伺ってまいりましたが、最大の問題は医師不足と経営悪化とのことでした。

 昨年の12月21日、中津川市長は平成30年に向けて入院機能を縮小したうえで外来機能を維持し、他から80床の老健を移し、地域包括ケアの拠点にすると発表しました。すでに救急の受け入れは夜間は対応せず、受け入れる曜日も限定的で縮小されており、外科の外来は中止しています。
地域住民の要望とはかけ離れた方向に進みつつあることに不安が広がっています。県を越えた問題で、対応しにくい面があろうかとは思いますが、部長は岐阜県庁まで出向いて要請をしていただいたと伺いました。そのことは歓迎しますが、具体的な内容や何らかの前進面があったのでしょうか伺います。

県をまたいで起こっている問題です。ぜひとも国に対して医師確保を働きかけていただき住民の切なる思いにこたえていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
いくら地方創生と言ってみてもいざというときに入院治療もできないのでは、地域が維持・発展できるはずはありません。県内ではほとんどの病院で慢性的な医師不足であり、先生方の献身的な努力によって何とか診療していただいていますが、医療崩壊が始まっています。坂下病院と並んで深刻なのは木曽地域の皆さんにとっての頼みの綱の木曽病院です。木曽病院の医師不足も深刻で、地域住民が病院を守ろうと「木曽病院・木曽の地域医療を守る会」が運動を続けています。木曽谷の皆さんが安心して住めるように現状と対策について伺います。

 地域包括ケアシステムについて伺います。
2025年を見据え、病院から施設へ、施設から在宅への流れが急速に進みつつあります。しかし、問題はその流れがきちんとコーディネートできる仕組みと体制が確立されているかどうかです。末期がんの90歳男性。88歳の妻と二人暮らし。がんが見つかったが手術もできず、訪問診療を受けつつ在宅で生活。老妻は腰を圧迫骨折したこともあり、ヘルパーを入れて日常活動は支援を受けていました。看護師が毎日点滴に通うことで老妻にも安心感があり、最後は息子夫婦も見守る中息を引き取った例があります。

在宅の場合、いつでも困ったときにお医者さんや看護師がきてくれれば安心感につながりますが、そもそも在宅を支える医師も看護師もいません。運よくいた場合でも、長野県は山間地のため、何かあったときにすぐ対応できない困難さがあります。医師の側にしてみれば一人で24時間対応することは無理ということになります。そこで県下の在宅医療を担う医師及び看護師の体制はどの程度可能なのか現状を伺います。

 介護保険の一連の改悪はあまりに人間の尊厳を無視したものです。要支援1,2の介護保険外しが本格的に4月から始まり新総合事業になります。今、利用している皆さんは現状のまま利用可能だと言われていますが、総額が決められているので枠内に抑えるために介護認定の更新時に、緩和した基準によるサービスA、もしくはBに切り下げられることはないでしょうか。さらに新規の場合、チェックリストだけで判断され、介護認定から外される懸念があります。市町村ごとにサービスが違い対応も違う中で利用者の立場にたった対応はきちんとチェックできていくのか伺います。

 独居や老々介護の多い長野県では所得による減免が利用できる特養の入居希望者も多いわけですが要介護1、2がはずされたことによって、行き場がなくなっている現状があります。病院も追い出され、施設からも追い出され、家庭の介護力はないという状況では長野県の老人は漂流して行き場を失ってしまいます。
在宅を進めることと合わせ特養の整備は不可欠ですが特養の整備について伺います。

8、メガソーラー発電と景観・環境破壊について環境部長にうかがいます。
固定価格買取制度の開始とともに、自然エネルギー導入の取り組みが急速に広がっています。とりわけ太陽光発電は大規模化し、巨大な森林を伐採して土地を改変し、環境破壊や災害の危険も高まるなど住民と業者との間でトラブルになっています。県は全国に先駆け、太陽光発電も環境アセスの対象に加え、いま諏訪市四賀ソーラー事業、一条メガソーラー長野佐久穂海瀬発電所、佐久市メガソーラー発電所がアセス対象事業として手続きが行われています。

条例の対象になる太陽光発電所は森林面積20ha以上であり、それ以下の設置は県内至るところで行われています。市町村ごとに条例や要綱、ガイドラインを作って対応してきていますが、困っているのが実情です。県では連絡会をつくり情報やノウハウを交換してきており、この間「市町村対応マニュアル」をつくってきていただいていることは評価しますが、解決のためには時間もかかり、住民運動による多大なエネルギーが必要となっています。業者は県外が多く、全量売電ということで長野県の自然が壊され災害の被害をこうむるだけでなんの恩恵もない状況は憂慮すべき事態です。県は市町村マニュアルを業者向けに作成し、県下5か所で説明会を開いて業者への配慮を求めたところですが、参加状況やそこで出された質問などについて部長に伺います。
メガソーラーの設置に当たっては地元説明をまずするよう求めていますが、私は住民理解が大事であって反対運動が根強く起こっているところでの設置は不適切だと考えます。県には業者に対し、住民理解が前提であることをしっかり指導していただきたいと思いますがいかがですか。

いくつかの場所で反対運動が起きている上田市では立地ガイドラインをつくり、50キロワット以上の設備に対し「避けるべきエリア」「慎重な検討が必要なエリア」などのエリア設定を行い事業者にエリアを示すと同時に、災害防止、良好な環境形成など27項目の順守事項を定めて指導を強化する方向で進んでいます。

富士見町では環境保全条例に基づき、水利権を持つ下流域住民が森林28ヘクタールを伐採し、24メガワットの発電を行う事業に対し、関係4地区が反対を決議し、撤退に追い込みました。
四賀メガソーラーは業者が準備書を用意する段階ですが、水源をもち災害の恐れがある茅野市側の5つの区が反対決議を挙げています。貴重な自然を破壊し、災害を誘発する危険のある89メガもの巨大発電所が出現すれば「山岳観光長野」どころではありません。一番は国に規制がないことが大きな原因ですが、今までもこれからも地域に住み、暮らし続ける住民第一の立場こそ大事ではないでしょうか。県としても国に対し、メガソーラー設置のための乱開発に何らかの規制を設けるよう求めて欲しいと思いますがいかがですか。


9、学びの改革基本構想について教育長に伺います。
最初に学びの内容について伺います。
パブリックコメントや各種の意見交換を受けて県教委がまとめた「論点」の中で、基礎的・基本的な学びは「都市部校」「中山間地校」などにかかわらず、すべての高校で共通して展開すべきものという考え方は立地のいかんにかかわらず教育権を保証していくものであり納得できるものです。しかし、発展的・応用的な学びは学校の立地を生かして展開することが効果的だとあいかわらず差別的な考え方を示しています。

都市部校では専門性を有する教員を複数配置し、多様で専門性の高い学びが可能とする一方、中山間地校や山間地校の生徒には教職員の体制は不十分であっても、小規模の強みを生かした学びが可能であり「キャリア教育」をすすめるとしています。
生徒の学びの保障に差をつける考え方は教育の機会均等の原則からいって疑問を感じます。パブコメの中でも批判が集中しました。つまり中山間地の子供たちには質的な保証が不十分でもいいということでしょうか。この問題では11月議会に質問させていただいた折、教育長は「立地の特性を生かして学びの環境を整えるものであり、探求的な学びの一例に過ぎない」と答えています。学校がどこに立地していようと同じ学びの内容が保障されることが原則です。立地によって学びの内容に差があってもいいという根拠はなんですか。こんな説明を繰り返していては実施段階で地域の皆さんに納得のいく説明はできません。改めるべきです。教育長の見解を伺います。

学級の規模について伺います。「県民アンケート」結果では学級数の基準は3から6学級が適切との声が多くありました。しかし今回都市部普通校は6学級以上が望ましく、8学級規模の設置を目指すとしています。1学年8学級にすれば単純に計算しても都市部の学校数は半分に減り、一方、学校の規模は1000人と巨大なものになります。さまざまな困難を抱えた生徒が増える傾向にある中で、決め細かな対応ができるのか疑問ですし、教室のキャパもありません。

私の11月議会の質問に対し、教育長は「8学級にすれば日本史、世界史・地理・物理・化学・生物・地学の各分野で専門性を持つ教員を複数配置できる。部活動や自主活動・クラブ活動も活性化し、多様な活動ができる」としています。しかし学級数が多ければ活力が出て、少なければ活力がないという発想は、あまりにステレオタイプの発想ではないでしょうか。県民アンケートの結果をどう受け止め生かそうとしているのかお答えください。

中学校の特別支援学級に在籍していた生徒の7割が高校に進学している現状や、多様な学習歴・生活歴をもつ生徒も数多く高校進学しており、見えない貧困も広がっています。こうした多様性に対応するには細やかな教育が必要ではないでしょうか。
標準法による教員配置、つまり40人学級は「学びの改革」の大前提だとの考え方のもとに学校を大規模化すれば、遠くまで通わざるを得ず、通学に伴う金銭的・体力的負担を増やすばかりでなく、統廃合が進み、地域の活力の低下にもつながります。長野県は中学校3年生まで30人規模学級を導入し、全国でも先進的な役割を果たしています。地方創生と言っているのですからできるところから少人数学級編成を導入し、かけがえのない思春期の大切な時期を豊かなものにして地域の学校を残すべきと思いますが教育長の見解を伺います。

教育は国家100年の計とも言われます。当事者としての高校生の意見を取り入れようと努力した点は評価しますが、パブコメを分析しただけでも賛成よりも反対の声が多数という状況です。保護者も地域もどんな構想が出されているのか知りません。こういうもとで基本構想策定を3月中に行うことは拙速すぎます。
パブコメの内容も一つ、一つ真剣に検討すべきであり、さらなる県民的議論も必要です。3月末までの策定スケジュールは変更すべきと考えますがいかがでしょうか。

最後に
 格差と貧困が広がり生活の困難が深刻化している中でも、今、県下ではあちらこちらで自分たちが声を上げて政治を変えていこうという動きが広まっています。各所で実施されている子ども食堂の動きもその一つです。第1次高校再編を経験した当時の高校生徒会役員が先月「学びの改革構想を考える意見交換会」に参加し、「急に統廃合の学校名として自分の高校が出て戸惑い、知事を呼んで意見を聴く場を設けようと働きかけ、真剣に調べて議論を交わしたことで高校生自身が成長した。成功体験をもって大人になってほしい」と語っていましたが、ここにこそ主権者を育てる貴重な取り組みがあるのではないでしょうか。国づくり地域づくりの主人公はほかでもない国民一人ひとりです。
政治への不信感をとり除くために、子ども医療費の窓口完全無料化などまっとうな要求には真正面から答えていく政治が必要だと思います。
代表質問で十分お答えをいただけなかった分については、引き続き一般質問およびそれぞれの委員会で団の同僚議員が取り上げさせていただくことを申し上げ質問を終わります。





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最終更新日  2017年03月11日 00時54分44秒



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