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sinokの【私情まみれの映画考察】

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June 20, 2010
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カテゴリ:映画「か」行
観た映画が5本溜まってます・・・。仕事忙しいのに何やってんだと思いつつ、これが活力なんで仕方がない。
しかし観るには観ても、書く時間が足らん・・・
ということでまずは『告白』です。
変換間違って、最初【酷薄】と出て一人で大受けしてました(笑)
いやその、笑えるような映画ではないんだが・・・

予告編における松たか子に惚れて観にいきました。
この映画のテーマ云々以前に、いかに松たか子が大女優の風格を持っているのかよくわかる映画でした。
心の奥を見せない演技、とでもいいましょうか。
背筋の凍るような姿でした。
復讐の物語かと思いきや、当事者たちの独白が入り、これは趣がちがうぞ?と思ったら、やはり最後は復讐で終わる。
確かに復讐の物語ではあるのだが。
松たか子演じる森島は復讐者だ。
しかし、たとえば、完全に元の立ち位置から遠いところに行ってしまった『狼の死刑宣告』のケビン・ベーコンと違い、森島はもう少し違う位置に立っている。
それは彼女が教師だからだろう。
彼女の教師としての性質が、復讐について教えるという、奇妙な復讐の仕方をとってしまう。
彼女が実際に何をしたのか、それは本当の所はわからない。
しかし、復讐したいと思うに至るまでの心理、殺人者についての彼女の分析等々、彼女がとうとうと説明することで、子供たちは彼女について考えざるを得ない。
それこそ、学ぶということではないか?
子供たちが命について真剣に学んだとは到底思えないが、人の心の闇や狂気などというものが、たかが子供ごときにうかがい知れるものではないのだ、ということだけは、おぼろげながらも感じたのかもしれない。
大人の闇と、子供の闇の戦いに、子供は結局屈服するラスト。
爽快感はどこにもなく、ただただ松島の心の闇がいっそう深くなったと感じる。
そこがどんなに暗いところか、なんて、屈服はしても、あの子供はまだ知りはしないのだ。
ラストでの森島の涙は、いろいろな解釈があるだろうと思う。
私には、結局復讐の悲しみすらも、森島一人が抱えるしかない悲しみの涙に見えた。
あの子供が絶望したのは、自分にとって大切なものを失ったから、だけのことだ。
森島が失ったものに思い至る日は遠い、いや、決してこないかも知れないのだから。
いかに森島が伝えようとしても、伝わることなどなかったのだから。
復讐者としては成功しても、教師としては彼女は結局2流だったのだ。

中島監督の、あの余白を埋め尽くすような演出が今回は一転。
余白を大きく取り、かつ、その余白に少しだけ朱筆を入れたような演出。
埋め込みの演出ではない分、この監督の真の力量を見せ付けられたような思いがした。

それにしても。
今の子供たちってこんなに愚かなのだろうか。
そして親とはこんなものなのだろうか。
真実たくましい母性は私の夢想でしかないのだろうか。
私は母でもなければ子供でもない。
どちらにも属していない私には、生まれつき女として持っている母性以外には母たちを理解する手がかりはないし、子供時代に戻りたいなどと思いもしないからか、自分が思春期に何を考えていたのかなんて、頭を振り絞っても思い出せない。
久しく、子供に向かってお前たちは愚かだといいはなつ媒体を観たことがない。
大人自体が幼稚化しているから、子供を馬鹿にすると痛い目をみる、ということか?
ああでもこの映画をみて改めて思う。
子供は所詮子供なのだ。
文句があるなら、とっとと大人になりたまえ。

と、思う。





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最終更新日  June 26, 2010 11:48:41 PM
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