カテゴリ:よしなしごと
川面に映す 品ある街並(すがた)。 城壁の 囲む旧市を さまよえば 小粋な小物が 並ぶ街角。 ミュンヘンから電車で2時間。 ここは既にオーストリア。 ザルツブルクは、楽聖モーツァルトの生誕地であり、 サウンド・オブ・ミュージックの舞台でもあり、 またカラヤンの生誕地でもあります。 しかし、それ以上に、旧市街の美しさに唖然、でした。 ===== 旧市街地を囲む形の城壁の路地には、 こじんまりとした多彩でユニークな店が立ち並び、 路地を抜けると、広場の向こうに教会の丸い屋根と、 山の上に佇む城塞が見えます。 大きな噴水、モーツアルトの立像、観光の馬車、 どちらを見ても、絵になる景色ばかりで、 写真を撮ることすら、忘れそうになってしまいます。 街角を曲がるたびに、ドキドキさせられる、景色の美しさ。 写真では、この美しい透明感のある雰囲気をお伝えできないのが残念です。 ===== こういう美しい環境の中で、美しい音楽が育まれたのだな、と納得。 藤原正彦さんが、『世にも美しい数学入門』の中で、 「素晴らしい数学者の生まれ故郷は、美しい風景を持つ」 (原典が手許に無いため、うろ覚え御容赦。) という持論を展開されていましたが、 この説は、音楽や芸術、他の学問にも当てはまるのだと思います。 ===== 看板も繊細で、街の雰囲気を彩ります。 "マクドナルド"や"ノード・シー"(海産物系ファーストフードチェーン) までも、この雰囲気に合わせた看板になっているのが微笑ましい。 ===== あまりの雰囲気の素敵さに、当初の予定を変更し、 もう一泊することにしました。 夜はちょっと贅沢に。 旧市街の、多角経営なレストランにて。 隣の席は8名ほどの中国人の若者達。 しばし逡巡したものの、話しかけてみることに。 今回の「旅」のテーマの一つは、 「こちらから微笑みかけないと世界は微笑みかけてくれない」 ですから。 何度かこのセリフを反芻し、タイミングを見計らって、声を掛けてみました。 南京から、ドイツの大学に留学していて、 休みを利用して団体旅行で来たのだとか。 なるほど。 えっと、ちなみに、話しかけたのは中国語で、基本は英語でのトークです。 一人が、「戦争中お爺さんが…」と語りだした時には、ちょっと話の展開が怖かったのですが、 日本に留学していて、日本語が喋れるのだ、という話で、正直ほっとしました。 戦争責任論についての私の考えは、ここではお話しませんが、 ドイツで考えるべき宿題として、持ってきているものではあるのです。 彼ら彼女らとは、握手をして別れ、夜風を感じながら、食を進めます。 うーん。屋外は、ちょっと寒くなってきたか。 ===== 食後、夜の街をそぞろに散歩していたら、 日本人観光客の団体さんにお会いしました。 両親と同じ…もう少し上くらいの世代の方々。 世間話をしつつ、しばし同行。 この方々は、日本の皇室の方もお泊りになられたという、 対岸に旧市街を一望できるホテルに御宿泊される、とのこと。 今回は、宿泊費を削っているため、ユース泊ですが、 いつか、のんびりそういう旅行をするのも良いですねぇ。 その時は、共に歳を重ねた人と、一緒に行きたいものです。 ===== この方々と別れて、さらに街を歩き、ショーウィンドーを覗きます。 (写真は、卵殻細工のお店にて) 本当に、こじんまりとして上品で、素敵な街です。 この後しっかり迷子になり、地図を見ながら、見当違いの方向に進んだ結果、 どこがどうなったのか分からないまま、ホテルに行きついたわけですが、 この件については、恥ずかしいので、ご内密に。 いやはや。 まぁ、運が良かったとしか言いようがありません。 独り旅は気楽で良いなぁ、と思うのは、時々こういう 行き当たりばったりなハプニングに見舞われるからだったりします。 ええ。いや、その、こういう行き当たりばったりの改善も、 今回の「旅」の目的の一つなのですが…。 やれやれ。 ===== さて、今回の音楽紹介は、もちろん、 モーツァルト作曲、カラヤン指揮、しかないでしょう。 …と言いつつ、このCDを持っているわけでもなく、 そもそも音楽に疎いので、甚だ頼りない紹介ではありますが。 ===== ザルツブルクの情報についてはこちら。 http://www.salzburg.info/ 日本語も選択出来ます。 写真だけでも美しいのと、何と言っても、今年はモーツァルト・イヤーですから。 写真は既に雪景色になっています。もう降ったのかしら? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 5, 2006 03:02:58 AM
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