カテゴリ:美術
知り合いの方から、一冊の写真集とチラシを見せて頂きました。
『聖地巡礼 野町和嘉写真集』(※写真集画像なし) そこには、底知れぬエネルギーを秘めた、何かが写っていました。 「いや、すごいですね。」 「今度、東京で、この方の展覧会があるのよ。」 「この日取りだと、最終日のあたり、東京にいるかも知れません。」 「もし、行けるなら、行くと良いわよ。」 「ありがとうございます。」 ========== 東京都写真美術館。 実は、東京時代も、映画の上映などでは足を運んでいましたが、 ちゃんと写真展を観るのは初めてでした。 …行って良かった。 もう、その一言に尽きます。 ---------- もちろん、写真集で見た写真もあるのですが、 その大きなプリントに向き合った時の迫力、 そこから伝わってくるエネルギーは、まさに桁違い。 ---------- 祈り ― 信仰であり、感謝であり、追悼であり、 すなわち、「生と死」そのものが、この一連の作品には写されていました。 ガンジス ― 祈りの人々が集う大河 アフリカ ― 信仰なくしては生きられぬ大地 アンデス ― 山上に吹き抜ける祈りの風 エチオピア ― 不在の神に捧げられる命 メッカ ― 響き渡る祈りの渦 まさに、聖地と呼ぶに相応しい、それぞれの地。 ---------- 戦争、飢餓、貧困、そういったものとは違う次元にあるようで、 しかし、その根源たる「生と死」そのものであるところの「祈り」。 祈る対象は違っても、空気のように神がおり、呼吸するように祈る、 そのありようは、変わりません。 その「あるがまま」のエネルギーが、美しく、力強く、凝縮されて、 写真という一瞬を切り取る芸術作品に昇華され、 それを、今、ここで見ることが出来る、という感動。 自分の今まで持っていた「宗教観」を揺さぶられる、素晴らしい体験でした。 ========== あまりの感動と、その感動を自分の言葉に出来ないもどかしさに、 思わず、友人に勧めてしまいました。彼の感想を聞きたくて。 彼は、野町先生のギャラリートークも耳に出来たそうです。 その感想については、本人にお任せするとして。 今回の東京滞在では、この展覧会しか行けませんでしたが、 この展覧会だけで、十二分に、満足というか、考えさせられる体験でした。 この展覧会を勧めて下さった方に、心から感謝です。 ========== 『聖地巡礼』野町和嘉 写真展 @東京都写真美術館 (東京・恵比寿) [会期]2009.03/28(土)~2009.05/17(日) [料金] 一般 800円/学生 700円/中高生・65歳以上 600円 http://www.syabi.com/details/nomachi.html お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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