日々草

2005/10/26(水)12:55

セイタカアワダチソウとススキ

私の散歩小径(102)

この地も、この数日めっきり寒くなり、遅かった秋もようやくたけなわ。 草紅葉が何ともいえぬ柔らかな枯れ草色になり、その中にススキが秋風に揺れています。 ススキと背高泡立草 (photo by Danjose) (富田川のススキ:熊野古道中辺路にて撮影) 北アメリカからの帰化植物・セイタカアワダチソウ。 戦後日本の野山を 我が物顔で覆い尽くしたセイタカアワダチョソウ。 山里の空き地を、川原を、 人間の背ほどに高く、一面を覆い尽くすセイタカアワダチソウ。 秋の草もみじの枯れ草色を 覆い隠して、秋の野原を真っ黄色の空間に 染めるアワダチソウ。 何と傲慢で、何と独りよがりのセイタカアワダチソウ。 日本の大地に数千年もの長きを その命を延々と紡ぎ、 日本人のこころを ある時は、やさしく、 ある時は、厳しく 見守り、励まし、 日本人の暮らしのなかに、 幾多のめぐみをもったらしてきたススキ。 日本人のこころに 悲しい時、うれしい時、 歌となって、絵となって、 慰め、日本人のこころを豊かにしてくれてたススキ。 たくましく生きつづけて来たススキ。 そのススキが 戦後アメリカからやって来たセイタカアワダチソウの 旺盛な繁殖力に、息絶えて、消え入ろうとしていた。 しかし、この数年、 ススキはこの山里の空き地に 蘇って来た。 数千年もの長きに日本の大地に生き続けてきたススキは その命を、 やすやすと、自ら棄てたのではなかった。 土の中で、 じっと耐え、 その時を待っていたのだ。 セイタカアワダチソウは 小ぶりになり、 日本の大地に馴染んで、 少し控えめに ススキの根元で枯れ草色の大地の 濃い黄色のアクセントとなって 秋の風に揺れている。 この自然の不思議さ、 その力の偉大さよ。 この自然の、 共生の不思議さと偉大さは 命の強靭さを 私たちに語りかけている。 季節の花300 最近、朝の散歩で、セイタカアワダチソウが以前ほどの勢いがなく、日本の古来からの草花がアワダチソウと競い合うようにして秋を彩っている事に気付きました。 この地域のセイタカアワダチソウは背丈も以前よりかなり低くなり、ススキのほうが背丈が高いくらいになっています。 (この写真のセイタカアワダチソウは、とても背が高いのですが、わたしの地域のアワダチソウはこの半分ぐらいの背丈で、とても可愛らしく秋風に揺れています。お見せする写真がないのが残念です。)

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