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テーマ:お勧めの本(7400)
カテゴリ:世に棲む日日
またまた痛ましい事件が発生しました。子を持つ父親としては、やるせない気持ちで一杯です。
世界遺産に登録された白神山地の山麓に位置する小さな町で起こった小1男児殺人事件。死んだ子供は二度と戻ることはありませんが、犯人が1日でも早く確保され、社会に平穏が戻ることを願わずにはいられません。 ただ、この事件、残念でならないのは、メディアが伝えるところでは、今回の被害男児の2軒隣に住んでいた小4女児が管轄署では事故死としているものの、状況に不審な点が残っているということ。つまり、小4女児の事案を事件として取り上げていれば、このような惨事を再び繰り返すことはなかっただろうと考えられるからです。 さて、いつもの如く前置きが長くなってしまいましたが、今日は本の紹介です。 「プロフェッショナル・リスクマネジメント」 この本が生まれた背景として、相次ぐ企業不祥事と、その後の対応ミスにより(企業側の立場から言うところの)危機を拡大させるケースの増加があります(商品レビューもご覧下さい。)。某食品会社や、関西の鉄道機関がこれに該当します。 本書は、ネット社会やメディア社会といった現代企業を取り巻く新たなリスクへの具体的対応策をわかりやすく説明しています。値段はちょいと高めですが、それなりに読み応えがあります。 例えば、メディア社会への対応として、こんなことが書いてあります。十分な情報を適時適切に真摯な態度で伝えていくこと。情報を出し惜しみするかのような素振りを見せようものなら、メディアはやれ組織ぐるみではないか、やれ重要なことを隠しているのではないか、と疑いの目で企業を見るようになる。そうすると、メディアは自ら情報を探そうとするようになる。それが正しい情報ならばまだ良いが、全く根拠のない情報もメディアを通して社会に発信される。その結果として、企業の悪評が増殖されることもある。企業側には責任はないにもかかわらず。 企業の場合、一つの対応ミスにより、社会の反感を買い、ブランドイメージを低下させ、最悪のケース、企業倒産に至ることもあります。これがメディアの怖さというか、その背後にある社会をないがしろにした場合、計り知れない影響があると心得よと言うことなんですが、ここで、冒頭の話に戻ります。 今回の事件、いずれ犯人は間違いなく捕まるでしょう。その捜査は遅滞なく徹底したものをお願いしたいと思いますが、今回の事件と1ヶ月前の事案に対する管轄署のメディア対応は全くいただけないですね。特に1ヶ月前の事案の扱いです。事故として処理したこの事案、新たな事実が明らかになれば事件として取り扱うと管轄署は述べているようですが、どうしてこんな言い方するんでしょう。 捜査方針をたとえ変更しなくても、事件として再度洗い直すと言えば、メディアやその背後にある社会の見る目は違ってくると思いますが。繰り返しになりますが、企業の場合、対応の誤りは自らに降りかかりますが、公的機関の場合、解散しますって話にはならないですからね。警察に対する不審として社会に蓄積されるだけですから。警察の方にもこの本はお薦めかな。 プロフェッショナル・リスクマネジメント お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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