映画と小説の保管庫

2009/08/03(月)23:46

ラストキング・オブ・スコットランド

アメリカ映画(467)

2006年  アメリカ/イギリス   フォレスト・ウィテカー  ジェームズ・マカヴォイ  ケリー・ワシントン   ストーリーは、スコットランドの医学校を卒業したニコラス・ギャリガンは、高い志を胸にウガンダのムガンボ村にある診療所へとやって来た。それはちょうど、軍事クーデターによってイディ・アミンが新大統領となった直後のことだった。ニコラスはアミンの演説を聞いて、そのカリスマ性に強く惹きつけられる。そして偶然にも、ケガをしたアミンを救ったことからアミンに気に入られ、彼の主治医に抜擢される。やがてアミンは主治医という以上の信頼をニコラスに寄せ、ニコラスもまたその期待に応えようとするのだが…。   悪名高い実在のウガンダ大統領イディ・アミンの実像に迫る政治サスペンス。 当初は英雄として国民の期待を一身に集めながら、権力の座に就くや独裁者へと変貌、冷酷な殺人を繰り返すさまを、彼の側近となったスコットランド人青年の視点からスリリングに描き出す。 アミン大統領といえば人食いアミンといわれ恐れられてた人ですよね。 遠い日本にいてもその異名が伝わってくるって事は、彼がウガンダでどれほどの虐殺を繰り返してきたかを証明してるようなものです。 実際には人肉を食べた事はないらしいのですが、そう思われても仕方がないぐらいの迫力がありますよ。 そのアミン大統領を演じたフォレスト・ウィテカーは2006年のアカデミー主演男優賞を獲得したのも納得出来るぐらい素晴らしかったです。 本物のアミン大統領ってあまり知らないけど、彼の演技力のおかげでアミン大統領という人物が少しは分かったような気がしました。 映画ではスコットランド人の医師ニコラスの視点からアミン大統領を描いてるので、最初は国民の英雄として大統領になったアミンが、なぜ悪魔のような独裁者に変貌したのか、今ひとつ描ききれてなかったです。 アミンが30万人以上の国民を虐殺するシーンなどもなく、ニコラスがアミンの残虐性に気付かなかったように観客も気付かないまま話が展開していきます。 それでもニコラスの目から観てもアミンが情緒不安定になってるのが分かって来た時には、すでに手遅れ状態になってました。 結局このニコラスもアミンの待遇がいいから甘えてしまって周りが全然見えてなかったって事やけど、ウガンダに渡ってきた当初の目的も忘れてしまってたんですね。 それにしてもニコラスの安易な行動には時々腹が立ちましたよ。 あまりにも後先考えずに行動するから最後にはとんでもない事になっていくけど、彼がとった行動で人が死んでいくのに気付くのが遅すぎます。 映画やから盛り上げるための演出なんですが、ちょっと書いておきたかったもので(笑)。 最近アフリカをテーマにした映画が多いけど、どれもが良質で出来がいいですよ。 虐殺の歴史があるから映画にしやすいのかな。 アフリカという大地にはまだまだ資源が眠ってるから、先進国の餌食になってしまうんでしょうね。 いつも犠牲になるのはアフリカの人たちって構図が出来上がってしまってます。 いつかアフリカの人たちも安心して明日がむかえてるような日が来たらいいですね。 評価(4.1)

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