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カテゴリ:海外文庫
全米女子テニス界のスタープレイヤーが休暇先のローマで惨殺された。遺体はひどく傷つけられ、くり抜かれた眼窩には砂が詰め込まれていた。イタリア政府から依頼を受けた法医学コンサルタントのケイ・スカーペッタは、法心理学者のベントンと共に、事件の調査に乗り出した。検屍官シリーズ待望の第15弾。 一昔前ならパトリシア・コーンウェルの検死官シリーズの新作が発売されたら速攻で購入してたけど、最近では中古本が出るまで待てるようになりました。 その理由は簡単でこのシリーズが出口のない迷路にまよいこんだって思えるぐらい方向性が定まってないんですよ。 新作が発売されるたびに次こそはシリーズの面白さが復活してるかなって期待するけど、その期待は見事に裏切られます。 この異邦人は女子テニスプレイヤーが目をくりぬかれ惨殺されると言う事件をスカーペッタとベントンが調査に乗り出すってところまでは良かったのですが、その後は登場人物の苦悩などのオンパレードで肝心の事件が置き去りにされてる感じがしました。 かつてスカーペッタに痛い目にあわされた精神科医のマリリン・セルフまで再登場してきたりして詰めすぎ感が否めなかったです。 このシリーズが始まった当初に較べると登場人物も年をとり、色々と経験してきたけど何か年をとってからの方が大人としての魅力もなくなってきました。 特にマリーノの扱いは酷いもので、今まで脇でスカーペッタを支えてきたマリーノを堕落させるような扱いはファンとして受け入れにくかったです。 前巻を読み終えて後半への期待はしてないけど、せめて次の新作を読みたくなるぐらいまでは楽しませてほしいです。 女子テニスプレイヤーを惨殺した「砂男」の行方を追いながら、盟友・ベントンと新たな一歩を踏み出したスカーペッタ。一方、長年にわたって彼女の仕事を補佐してきたマリーノとの間には決定的齟齬が。劇的な変化を越えて辿りついた連続殺人の真相とは?新章突入のサプライズ横溢。検屍官イン・ローマ。 パトリシア・コーンウェル自身が自信作としてこの世に送り出した異邦人ですが、読者として期待してた程ではなかったです。 本の帯にも新章突入と書かれていて、どれほど新しい展開があるのかって思ったけど前作の流れとそれほど違うとは思わなかったです。 期待を煽るだけ煽っておいてこの内容では満足出来ないですよね。 凶悪事件はおまけって感じでスカーペッタを巡る人間関係がメインになってしまってるのが残念です。 やっぱりこのシリーズはスカーペッタvsシリアルキラーって構図があってこそ楽しめるんですけどね。 今回もサンドマンという凶悪犯が登場するけど、最後の最後まで正体を隠しておいて、あの種明かしではちょっと失笑って感じでした。 サンドマンの正体が凄く強引で最後まで読んだのに肩透かしをくらいました。 マンネリを打破するために登場人物の関係を変化させたと思うけど、正直微妙です。 これからもこのシリーズは続いていくと思うけど、次を読みたいって気持ちにならないので今更変化を加えても遅いですよ。 個人的には【業火】のベントンの事件あたりから、このシリーズが路線をはずれてしまったって思ってます。 もうこのシリーズの復活はないのかな? 評価(3.0) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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