ドラマ「ど根性ガエル」日本テレビ

素晴らしいと思います。近年まれに見るほどの傑作だと思いました。
やはり原作を知っているか、原作アニメへの思い入れがいかに
あるのかがこのドラマへの評価を左右しているのだと思います。

まず原作アニメと漫画はギャグマンガであるということに注目して
欲しいですね。そのギャグセンスを裏切らないため、またキャラの
面白さ爆発ぶりを再現するにはこういったちょっとダメ男な
主人公にする必要もあったかもしれません。

そしてそこへドラマとしてのシビアな現実問題へアプローチが
とても秀逸で16年後のみんなが色々な問題を抱えて哀愁さえ
漂わせていて、大人になってこのドラマを見ている子供時代に
原作アニメが好きだった者をも納得させます。

まず名演技だと一番評価されているのはピョン吉の声優を
されている満島ひかりさんですね。原作アニメのピョン吉を
見事に再現してくれてやはり若手実力派ナンバーワンの呼び声は
嘘ではないと思わせます。

そして私が一番感心したのはひろしの母ちゃんを演じられている
薬師丸ひろ子さんです。あの気性が激しいけど人情派の中年女性の
演技は実に名演技です。

一番酷評されているのはヒロインの京子役のあっちゃん前田敦子さん
ですね。みんな名演技なのに一人だけひどいと言われています。
それはヒロインが主人公に対して好意的な態度ではなくて視聴者が
むかついたがゆえに言われた見当違いの酷評だと思いますね。

京子は本来は気性がものすごく激しく、でも深い思いやりをもつ
優しい根っから善良な子なのです。16年が経過して「離婚して
すっかり変わった」というのは複雑な事情を抱えていて本来の
自分を押し殺しているという設定なのでしょう。

アクの強い役柄で評価されてきた前田敦子さんをこの京子に
起用したわけはそうした非常に複雑で激しい裏面をもつヒロイン
だからなのでしょう。まさにあっちゃんは適役、最初こそ
ひろしがダメ男なのと同様に非常に感じが悪いですが
これからどんどん良くなっていきそこに感動が生まれるはずです。

でんでんさんの町田先生も今は校長になり、その人の良さと
頑固な気性を実によく表現されています。

白羽ゆりさんのよしこ先生がまた素晴らしい、原作アニメのイメージ
通りです。美しく気品があり、ちょっと気が強い、それでいて優しく
色気があり決して突き放したりしない納得の配役と演技です。

勝地涼さんの五郎もひろしの子分で非常にへこへこした愛すべき
キャラ設定がそのままで嬉しいです。ちょっとイケメンすぎますけどね。

なんといってもこのドラマを引き立てるのが新井浩文さんの
ゴリライモ。ひろしの永遠のライバルでガキ大将ですね。
子供の頃にガキ大将だったゴリライモが大人社会でもガキ大将に
なっているというのが実に嬉しいです。これからどんどんひろしに
悔しい思いをさせて物語を盛り上げてくれるでしょうね。

そして光石研さんの寿司屋の梅さん、江戸っ子の意気の良さが
少し控えめになったかなとも感じましたが、そこはアニメと
ドラマの違いでしょう。男意気をこれからがんがん見せてくれる
ことでしょう。

梅さんのライバルの南先生がいないのが少し寂しいですけど
このドラマ、昔子供時代に原作アニメを愛した世代が大人に
なって大人の感覚で見てもとても評価できる期待を裏切らない
素晴らしい作品になっていると思います。

久々にドラマの感想をブログに書きました。それくらいに
このドラマには感動しこれからの展開にも期待しています。
このにドラマが素晴らしいこと、ひろしが実は素晴らしいこと
前田敦子さんの演技は実は素晴らしいことを理解して
戴けたら幸いです。

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