カテゴリ:友人・知人
ロンドンに来た当座はそんなに友達もいなかったことと、パソコンを買ってハマり出した頃だし、何より独身だったので、ネットサーフィンとチャットに余念がなかったことを白状しなければならない。
ある日、パブリックチャットみたいなところにいたら、個人的に呼び出してきたやつがいる。 私もキーボードを打つのは速いが相手も相当速い! お約束で「どこの人?」ときくと、関西出身だけど、住んでいるのはドイツらしい。 いろいろ画面で話していて、あれ?と思ったのは彼の勤務先。 私が当時いた会社と同じ系列の会社に彼がいたのだ。 驚いて「私は○○で仕事してるんやけど・・・」と勤務先を打ったら、彼は「一昨日、ボク、そこの△△さんに電話したで」と返してきた。 知ってるよ、私・・・ その電話、△△さんに取り次いだのは私やねん・・・ 彼らしき男性からその電話があった時、同じ系列の会社とは言え、職種が違うので「ここの会社の人からも電話がかかるのかー」と思っていたからよく覚えていた。 当時、私はちょっと失恋モードで落ち込み加減だったから、いろんなことをヤツとメールしあっていたが、あっちはいつもキツい言葉で、けなしているのかなぐさめているのかわからない返事を書いてくる。 とうとう電話番号を教え合い、月に2回くらいは私が電話したり、彼が電話してきたりするようになって半年くらいたち、1回会おうかという話になったが、ヤツには最初から彼女がいた。 「やっぱり、やめとくわ」と言って、その話が立ち消えになって2ヶ月ほどして突然、私は結婚してしまった。 ヤツに「実は結婚してん」と報告メールを書いたら、即「そんな突然に結婚するやてアホか、おまえは!そやけど、ちゃとが選んだことやし、それで幸せになれるんやったら何よりや」という返事が来た。 そのヤツが、あるへヴィメタのライヴを見にロンドンに来ることになり、勤務先まで来ると言ってきた。 当時、まだ一緒の会社にいたダンナにもヤツのことは話してあったし「来るで」と言ったら「ボクは会わないよ」と言っていた。(当然だ。はは) ヤツが会社に来た当日・・・当然、会うのは初めてだ。 上は何を来ていたのかよく覚えていないが、下は皮パンツ。 人の仕事場に皮パンツで表敬訪問だ。 受付で案内されて私のところまで来る間、会社のみんな(特に女性)の眼はヤツに釘付けだ。 身長185cmくらいで、故 古尾谷雅人をちょっとだけ私のキライな方向のベクトルに動かし、髪がほんのすこーしだけ後退ぎみだが、かなり目立つ風貌だったからだ。 その日は半休を取って彼と出かけたので、翌日、みんなから「あれ、だれ?」と興味津々できかれ、「なんか、アブナそうな人じゃないのぉ」と言われた。 あたりまえだ。 私は新婚1ヶ月でダンナを置いて、そのアブナそうなよそのオトコと午後のデートに行ってしまったわけだ。 彼と初めて、顔を見て挨拶をした後、二人で安いレストランに食事をしに行き、なんとなくしみじみした感じで「なんか、やっぱり初めて会った気がしーひんなぁ」と昔からの友達みたいに話し合う。 彼はその夕方からライヴに行ったし、どこか友達の家に泊まるということで、話し込んでいた時間はほんの2時間くらいだったのだが、好きな音楽で共通するものもあったり、考え方で結構似ているところもあったが、ぶち当たったら最後、ヤツとはうまくは行かなかっただろうと今は思う。(笑) ヤツはその次の年に、つきあっていた彼女と無事に結婚することになり、私たちは夫婦でドイツの某市まで彼らの結婚式に参加しに行った。 初めて見る花嫁も明るくて、オープンな性格だったし、彼がこれから少しは落ち着いて幸せになってくれるかと思うととてもうれしくなった。 その後、今度は彼らが夫婦でロンドンを訪ねてくれたが、その時はヤツとダンナがいやに盛り上がり、私やヤツの嫁さんをほったらかしで話し込んでいた。 その時の話から、ヤツはわざわざ東京で、デュアン・オールマンのフィルモアイーストのビデオを探してダンナに送ってきてくれた。 こういうところはいやに義理堅いところがある彼とは、やはり何かの縁で友達になるべくしてなってしまったのだと思う。 今年、ヤツ夫妻に初めて男の子が生まれた! 結婚してからも、嫁さんを置いて自分一人でロサンゼルスまでライヴを見に行ってくるわなどと言って電話してくるので「大丈夫かいな」とダンナと苦笑していたが、ちょっとはヤツも父親らしくなっただろうか? 明日、ヤツ夫妻にもクリスマスカードを送らなければ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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