カテゴリ:本
京都に戻ってから、初めて本屋に行って来た。
毎月毎月、きっと星の数ほどの新刊が発刊されるとともに、従来は単行本だったものがどんどん文庫化されて行っているんだろうと思うが、本屋ではなんとなく気持ちが集中しづらくて少しいらいらしていた。 日本で生活している頃に、本屋に行かない日はなかったし(買わない日はあっても)あちこちの分野から「おっ、これはおもしろそう」と思うもの…おそらく本のほうから何か呼びかけているのかもしれないと思うのだが、そういうものを 1)その場ですぐ買う。 2)後日のために、一旦保留して考える。 3)2)の検討の結果、いつかの段階で買うことにする。 という過程を経て本を買うのは多くの本好きの人の日常ではないかと思う。 なのに、今日、本屋をうろうろしていた私の気持ちの主体は、とにかく『ロンドンに持って行く本』はどれ?という、ひどく余裕が欠落した浅ましいものになっていることがよくわかる。 自分が読もうと思う本であることよりも、スーツケースの中味のかねあいだとか重さが、本選びの大きな要素に変わってきていることがとても悲しいのだ。 これは自分で持ち帰らなくても、海外発送を依頼した場合でも同じだ。 これだけ注文すれば送料がいくらになるか、が先に頭に飛び込んでくるし、これを無視していくらでも本をかたっぱしから注文するようなことはお金に余裕があったとしてもできない。 結局のところ、自分の興味という第一条件と、たかだか本自体の値段だけがささやかな検討材料だった過去とは違い、もっと無機的で合理的な基準が先に立ってしまって本を探す楽しみが奪われてしまったことを痛切に感じてしまい、結局は雑誌2冊と文庫を1冊買っただけだった。 その後、ビデオ屋にも行ってみた。 母から頼まれたビデオを一本借りる他、何か自分で見たいのがあれば借りようと思ったのだが、ビデオも本と同じ。 これから金曜までの間の自分のいろんな予定を縫って、何本だったら見られそうかを考えてしまう。 すると、前から一度見てみたかったけど、かなりカルトはいっていて、私にはとんでもない駄作になってしまうようなものはダメだとか、この際、アメリカのドラマ「フレンズ」も最初から全部見てみたいと思っても無理。 慌て始めると、本当なら一回見ようと思っていた映画のタイトルまでうまく思い出せなくなる… せっかく、今日はまだだんなと合流前の貴重な時間だったというのに、タイトル通り、実りのない一日で終わってしまったことが残念だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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