カテゴリ:仕事
電話してきたのはわりあい経験を積んできているスタッフだったし、いったいなんだろうと思っていると、一つ案件の解釈と今後の方向づけで困っているとのこと。
しかし、質問されたことは簡単も簡単というか、うちなら私以外の3人も完璧に覚えこんでいて今さらそんな質問はしないぞというようなことだったのでちょっとびっくり。 でも、他の部署のスタッフに向かって、間違っても「アンタ、こんなことも知らないの」とも言えず「その案件についてはこことこことここをチェックして、それがすべておっけーだったらそのまま進めればいいし、どれかがアウトなら『ここがネックですよ』とお客に説明してあげれば、後はお客自身がそこを考えればいいんだから」と説明。 電話してきたスタッフはいきなりタメ口になって「おお~、なるほどねぇ、そっかそっかー、はいはい」などと言っている。(笑) 「いやー、勉強になったよー」と言った彼女に「そんなん教えてくれる人、そっちにはいいひんの?」と思わず聞いてみたくなったが、彼女が調子に乗ってそんなことを本部でぶちまけては困るので「うちもね、おんなじ件がついこの前あったからねー(うそ)」と言っておく。 その件の話が片付いた後、今日は彼女のところはヒマなのか、今度は延々本部に対する彼女の愚痴が始まった。 昨日、他支部の田中さんから聞いた噂を裏付けるように、彼女も本部の不満を滔々と述べている。 この子は結構変わった子で、大雑把というか、大丈夫かオイというところがもともとあるのだが、そんなことを思っている素振りはおくびにも出さず「でもねぇ、うちが閉まっている時間帯はアナタのことを結構頼りにしてるんだからね。ちょっとヘンな案件ばっかりをわざとお願いすることがあるけど、誰にお願いしてもいいことだったら他の人にお願いするんだから、私がアナタに引き継ぎをお願いする時は理由があるのよー」とちょっと相手を持ち上げておく。 悪い気はしなかったようだ。 「とりあえず、もしもまた何かわからないことがあったら聞いてきてくれていいよ。私もわからなかったらわからないって答えるからし。たぶんそっちでも答がわかる人もいるんだろうけどね」と言い、相手が上機嫌のまま電話を切った。 そのスタッフとのやり取りをくすくす笑いながら聞いていたみつこさんは言った。 「ちゃとさん、ずいぶん彼女を持ち上げていたわねぇ・・・」 「でもさ、やっぱり何かうちからお願いすることも多いわけだから、ちょっとよく言ってあげておけば次の時には気持ちよくやってくれるじゃない。粗雑に扱うと、うちの案件を粗雑にされちゃうかも知れないしね」と答える。 「なんか昨日から今日にかけて、私たちよりも、違うところからの相談にばかり乗らされてるわね。ちゃとさん、ウンウンってちゃんと聞いてあげてコメントするから、なんかきっと『一回電話して聞いてみよう』って思ってる人、多いんじゃない?」 それは私にとっては痛し痒し、でもある。 やっぱり相談されるとその気になってしまうし、その後うまくいったかどうかも気になるし、他の部署の話だと余分なことに神経を遣ってしまうのは確かなのだが、自分が知っていることだったらなんとかしてあげたいという気はする。 まあ、そんなことを話していると、仕事の最後に今度はお客からの指名電話。 激ヤバパターン。 先月から扱っている件で、しばらく間が空いていたのだが、すでにその時点で断っていた用件の蒸し返し。 で、話しているうちにそのお客、「いろいろと幻覚が見えたり」「死にたくなって何度か実行しかけたり」する方とはっきり判明。 先月に何度か話した時もなーんとなくおかしいなとは思っていたが、専門の病院にかかっていることが今日わかり、先日の疑念は確定。 今日は薬を飲んで落ち着いてから電話を下さったそうだが、先日の私の説明について、もっと細かく確認したいとのこと。 そのお客がどういう方であるかということとは関係なく、先日説明済みのノー回答はルールに沿ったものであり、これを曲げることは100%あり得なかったので、お客の一つずつの質問に一つずつ丁寧に回答していく。 すると、お断りしたことに対して「じゃあ、こういう場合は?」「こんな場合は?」と、次々と実際に起きてはいない例を出してはこちらの回答を求めてこられる。 いや、そりゃもちろん全部お答えはできるが、実際に起こっていない話の例をいくつ出されても状況は変わらないので「無数の仮定のお話についてそれぞれお答えしたところで、現状の結果に変更はあり得ないですよね」と、相手をできるだけ刺激しないように説明する。 最終的に納得・・・されたかどうかわからないが「長時間いろいろお答え頂いて感謝しています」という丁寧な言葉でお客の電話が切れた。 特筆すべき件はすべてその日のうちにクライアントに報告することになっているので、しぶしぶそれからその件の報告書を書き出すが、あまりにも話が長かったのと、特殊な話だったことと、すでに本日分の脳ミソからっぽで、なかなかまとまらん。 ・・・すでに12時間労働になってんじゃん、この段階で。 最後の居残りだったみつこさんが帰る時間とほぼ変わらない時間で駅へ急ぐ。 すでに来ていた電車に乗り、空いていた席に座り、カバンの中からやりかけの数独の本を出して取り組み始める。 がくんと電車が動く気配。 ・・・逆方向に走り出してる~! 車内でアナウンスがあった。 「○○付近で信号事故のため、いろいろ電車に変更が出ております」 いつも帰りに乗る電車のホームにあったその電車が、いったいどの段階でそうなったのか知らないが反対方向に出ることになっていたなんてわたしゃ知るかよ~。 かくして私は、会社の最寄駅から、自宅方向とは逆向きの次の駅(今まで行ったこともないところ)まで、やりたくもない無賃乗車をしてしまった。 それも、もと来たところを戻るから、都合、往復分ね。(検札来ても払わんぞ) 次の駅で降りた後、今度は「家まで帰れる次の電車はいったいどこから出るのか」を確かめるため、人並みの中をあっち行ったりこっち行ったり・・・ 通常の所要時間の3倍かかって帰宅。 やってられんぞ~~~ <終> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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