2006/08/30(水)03:47
「スタスキー&ハッチ」
この1ヶ月くらい、空いた時間はDVDを見て過ごすことが多いことはちょっと書いた。
しかし、ここで感想を書くことに主眼を置いて見ていないせいか、ここでストーリーや見どころを書くようなところまでは行かない上に、ハマっていたものがちょっとマイナーだ。
ここで書いたからといって、それを見たいと思う人があるようなDVDではないが、一応書いておこう。
今日はまず「スタスキー&ハッチ」
最初レンタルしたが、結局買ってしまった。
本当なら、買って残して見るような映画かというとそうでもないのだが、なんせこのところ、このベン・スティラーとオーウェン・ウィルソンのコンビにどっぷり浸かってしまっていて、1回ずつ見るたびに新たな発見があっておもしろくてたまらない。
このタイトルを見て、ああアレねという人も結構多いだろう。
この映画は1970年代に放送されていたテレビの刑事ドラマのリメイク。
ベン・スティラーがスタスキー・・・クソ真面目なところを署内でも笑いものにされる堅物刑事。
オーウェン・ウィルソンがハッチ・・・イージーゴーイングな気質のナアナア刑事。
この2人が絡む2時間弱のコメディタッチの刑事モノ映画として2004年に公開された。
すごく複雑な筋立てがあるわけではなく(一応、悪役というのもいるが)単に2人の掛け合いを楽しんでナンボという大味な映画ではあるが、おもしろいのは時代設定自体は現代ではなくて1970年代中盤のままなところ。
映画の中で出てくるファッションや車、ディスコ(ふるっ)対決に使われる曲もフル新しく感じられてなかなかカッコいい。
タレコミ屋の役割も担う怪しいチンピラ組織(しかしメンバーたち自身は自分たちをルクセンブルグ公国のような自治国組織としての誇りを持っているところが笑える)のボスにヒップホップの巨匠(爆)スヌープ・ドッグ。
いやー、知らなかったのだが、彼はミュージシャンとしてよりも当節は映画の出演数のほうが華々しいみたいで驚いた。
この映画の中でも、渡世のシノギでやっていることは決して大きな声で言えることではないにしても、人間はこうあるべき、みたいな一家言をだらーんだらーんとした口調でしゃべるスヌープ・ドッグはカッコよくてステキっ。
この映画の中でなんせいちばん笑ったのが、このスタスキーとハッチを狙った韓国人のオッサンスナイパーをつかまえたスタスキー(ベン・スティラー)がオッサンを警察の取調室で尋問するところ。
一度や二度つかまったって蚊に刺された程度にしか思っていないオッサンは、スタスキーが生来の生真面目さでカッカしている姿をバカにしきって横柄な態度を取っている。
そのオッサンの態度に余計むかつくスタスキーはオッサンを脅すつもりで「上等じゃねえか、ロシアン・ルーレットだ」と怒鳴り、自分の銃から一旦全部銃弾を抜く。
そして、そこから銃弾を1個をつまみ、再度自分の銃に仕込もうとする。
しかし実はこれはスタスキー一流のカマのかけ方。
実際には自分の銃に弾を仕込む瞬間に、その弾がうまく自分の服の袖口に落ちる(つまり銃のシリンダーは実際には空になる)ようにしてあったのだが、狙撃の腕で生計を立てているオッサンにそんなトリックが見抜けないわけもなく、オッサンは鼻先で笑っている。
しかし、スタスキーの腕が動いた次の瞬間、一度はスタスキーの服の袖口にはいっていた銃弾が本当に銃のシリンダーにかちっとはまった。
それを見たオッサン、マジでびびってスタスキーに「オイっ、そりゃヤバいって、マジで銃弾がシリンダーにはいってんだよ、ダメだって」と血相を変えて叫ぶが、本当に銃弾がシリンダーに納まったとは思っていないスタスキーはオッサンが単に自分のトリックにひっかかったと思っているからオッサンの真意がわかるはずもない。
ここで叫ぶ韓国人のオッサンの「ユー・ドント・アンダスタンド(アンタ、わかってないんだってば)」という、カタカナで書けそうな、しかし必死の訛った英語と形相はこの映画のハイライトだ。
オッサンの真剣なウォーニングをまったく聞いていないスタスキーは自分の頭にリボルバーを突き付け、必死の形相で一発発射。
空撃ち。
次にオッサンに銃を向けるスタスキー。
オッサン、もう死んだほうがまし、という顔。
再度、空撃ち。
そこにハッチが登場。
片言の韓国語で、必死の形相のオッサンに「どうした?」と聞く。
オッサンは「こいつ(スタスキー)、銃にタマはいってるの、自分でわかってないんだよ」と畳み掛けるような韓国語でハッチに説明する。
銃を取り上げようとするハッチと、取られまいとするスタスキー。
小競り合いの果てにズドンと一発、天井に実弾発射。
銃のシーンで笑うとは無節操かも知れないが、ここの取調室のシーンは最高だ。
ずーっと大爆笑、という映画とは少し違うし、いわゆるおバカ映画とも違うのだが、ちょっと間を空けてまた見たくなるコメディ(と言っていいのか?)映画。
最後のシーンで、オリジナルのスタハチの2人が登場するのも、オリジナルファンにはちょっとしたボーナスかも。
まあ、すごい大ヒット作ではないのかもしれないが、私とは非常に相性がよかった映画なのは確かだ。