ちゃと・まっし～ぐ～ら～！

原文はコチラ。

今年のイギリスには夏はやってきていない･･･いや、もうこない･･･ような気がする毎日だ。
ヨーロッパでも、内陸部には結構な熱波が何度か発生している地域もあるが、イギリスは毎日ホントに日本の梅雨に負けないほどの不機嫌な空が続いており、われら日本人の体質だと、半袖の服で街を歩けないほど気温は低い。

さて、冒頭のニュース。
ドイツの某地区のバスの運転手が、胸元の開きが大きく且つフィット感のある服を着た女性に対し「（ミラーを見るたびに気が散るので」安全上の理由からその女性を降車するか別な（見え難い）席に移動するよう指示したが、女性側は侮辱と感じた、という内容。

このニュース自体から、意見の是非に触れるつもりはない。
が、ちょっと意外だなという気はする。
まあ私は日本以外の場所はここイギリスしか知らないが、はっきり言って、こちらの女性の着る服は非常に「体型のメリハリをこれでもかと強調している度合い」が激しいものが多い。
胸元がぐわぁ～っと開いた服、ぴったり張り付いている服、それだったらいっそのこと着なくてもいいのではと思われる程度の面積をかろうじてカバーしているだけの布切れ･･･こんなものは日常茶飯事だ。
その上、これはご想像の通りだろうと思うが、もともと体型の凹凸が激しい女性が多く（笑）当然でかい胸・お尻の女性はあちこちに見る、というより基本的にそういう女性がスタンダードなのであり、ケイト・モスやデヴォン・アオキみたいな人たちになんか、道を歩いていて出会ったことがない。（爆）
まあ10人こっちの女性とすれ違うとするなら、胸の谷間が完全に見えている（しゃがんだら見えるのではなくて直立不動のままではっきり）女性はそのうち6人以上確約だ。
要するに隠そうとしている、というよりは出そうとしている、というほうが現状に近い。
しかし、このイギリスの不思議なところは、そういう「（日本で言うところの）いかにも」的な格好で闊歩している女性に対して低級ムラムラ系の犯罪を起こす人は意外に少ないのだ。
出し加減・見せ加減で言えばそんなものアナタ、日本の比ではありませんことよ。
ユッサユッサ、びろんびろん、というレベルの擬態語には軽く到達している。
そこまでしっかりくっきり出し切っている、という世間一般の眺めなのに（それだから、とも言えるが）そのことで「つい、やってしまった」という犯罪はあまり聞かない。
だから余計に、このドイツでの出来事は「（そういう光景に日々慣れているだろうドイツ人男性が）そこまで気になってしかたがなかった女性の格好はどんなんだったのか」はたまた「この運転手はよっぽどオクテだったのか」と意外に思ってしまったのである。

そこへ行くと、日本の女性のスタイルなんてかわいいものではないのか。
キャミソールだけを着て歩いている人なんかオフィス街にはいないのではないか。
百歩譲ってもカーディガンや何か羽織り物は最低着ているだろうし、この間はあるところで「職場でのノースリーブの是非」という議論があり、中でも「非」の立場の人が少なくなかったのでびっくりした。
私もノースリーブのワンピース（かなり職場向きだと自分では思っているが）は持っているが、あれもダメだったのか、とがつんとやられたような気になった。
日本の女性はブラジャーの肩紐が服からずれて見えているのでさえ「けしからん」「お下品」と感じるようだし、肩紐以外にまず、服の下に映らないようにベージュ系のものを好む等、隠れ常識的規制が非常に多くある。
そういうタブーがあるからこそなのか、はたまたタブーの一線をはからずも超えてしまったその女性の一瞬の慌て方が純情に見えるから余計にか、とにかく日本というのは痴漢を始めとした低級ムラムラ系犯罪が異様に多い場所だと、外から見て感じるところが確かにある。
パーツが出ている・出ていないの話だけで言えば、もちろん日本の女性のそれはイギリス各地の女性のそれに遥か及ばない。
イギリスではあちこちで露出しまくっている女性が多いにも関わらず、それをどうこうしようという犯罪は少ないし、だいいち、そういう部分に視線を降り注いでいる人をマジであまり見ない。
片や日本では、イギリス人に比べればたいしてびっくりするほど目立っていない部分自体や、その状態の女性に対して非常にあからさまな注目のしかたをするし、それが嵩じて陰湿系犯罪の引き金になってしまうこの事実はちょっと情けないのではないだろうか。
その上、悪いことに「まるで襲ってくれと言わんばかりの格好をしているほうもどうかと思う」といったように、被害女性を再度貶めるような論調もあるが、そこまで押さえられない自我や、ゆるんだ理性は責められなくてもいいのかと思ってしまう。

やっぱり10年近く過ごしていると、まるっきりこちらの女性と同じように「あそこもここも出したって構わないじゃないか」というような完璧開き直りファッションとまではいかないが、自分自身「そりゃあキャミソールだけ着ているんだったらブラ紐は当然出るでしょ。へっ？カーディガン着なくちゃいけないの？」程度にまでは、自分の感覚の境界も広がってしまっている。（寒いから実際にはキャミソール1枚で外に出ること自体がないのだが、ただ襟ぐりというか胸元の開きはかなり広い服が増えたのは事実だ･･･）
私の場合、露出度でいちばん目立つのは結局のところ、腹回りかなぁという感じだ。（爆）
とにかく椅子に座ったら、できるだけ姿勢よく直立を保つべくぴしっと座り、間違っても背中を丸めたり（すると前面腹部がアコーディオン状に弛んでいるのが服の上からでもばれ易い）しないように気をつけている。

いずれにしても、体型の露出には注意しなければいけない、と結論付けるべきかという気がしてきた。