ちゃと・まっし~ぐ~ら~!

2008/05/02(金)01:40

相談役

仕事(253)

このところの沈黙の反動でもあるかもしれないが続けられるだけやってみる。 その代わり、相変わらずのお題は仕事だ。(スミマセン) 以前と比べると大所帯に居座ってしまっているので毎日起きることやトピックが多過ぎてまとまらない中、今日はちょっと自分にとって記録しておくべきことが発生した。 うーん、脚色が多くなるかもなのであらかじめお断りしておきます・・・本当の流れをそのまま書くと、人によってはどこの話だかなんのことだかわかってしまうかもしれないので。 実はうちの会社には何人かの「相談役」がいる。 山村さん自身、びっくりするほど顔が広いことは確かなのだが、コネのある各界から「非常勤・相談役」という名前で人を時々スカウトしてくる。 だが、困ったことに、そういう人たちがまたさっぱり使えない人たちなのだ。(困) 山村さんの顔の広さも、コネの強力さも、それ自体は驚嘆と尊敬に値するにも関わらず、なぜか肝心の「人」を見る目が不確かなところが時々とんでもない極端さで出てしまう。 山村さんが連れてくる人たちはそれぞれ、以前に属しておられた世界ではそこそこできる人であったり、ぶいぶいうるさかったりした人たちではあったのだろうが、結局のところ、うちに来た段階ではうちの仕事がやっぱりよく理解できないからか、この歴代の「相談役」連中が実に使えない面々だったという不名誉な過去がある。 そのうちの一人の相談役、長谷さんを私は締め出した。 最初から何かおかしいと思っていたのだ。 締め出したその人、長谷さんはご多分にもれず、だ~れ~で~も~知っている特大企業につい最近まで勤務していた。 しかし、その特大企業が多少縮小するのに伴って長谷さんが早期退職するということを聞きつけた山村さんが「ぜひウチにお越し下さい」と頭を下げて連れてきたのだそうな。 長谷さん自身は以前の特大企業のある特殊分野で鳴らしていたと聞くし、うちの仕事とうまく合体させることができていれば、一つの新しい段階にも進めただろう。 (要はダメだったってことですがね) 山村さんの口癖は「(自分が決めて雇った人を)うまく使い、その人から学んでノウハウを引き出してビジネスにつなげろ」である。 うーん、そのコンセプトがわからないわけではない。 しかし、結論から言うと、私がここに来て2ヶ月経つか経たないかで、私にとって長谷さんは目障りなだけでたいして要らない人、という判断に達してしまったのだ。 最終的にはその人の人となりによるのだ、と思う。心からそう思う。 私自身が思っている基準を長谷さんはぜんぜん満たしていなかった。 そういう人に対しても私は、日常の挨拶を疎かにはしないし礼を欠いたりもしないだけの節度は維持していたが、仕事の中身は一つも相談しなかった。 長谷さんは、自分の前職の内容が近い私の部署にいちばん興味があり、自分の居場所をうちの部内と決め、出勤してくるとその一角にある自席に陣取っていた。 出勤後、おもむろに行動開始するのだが、その内容はうちの仕事の関連ではまったくなく、前職以来、関わりのある人たちのところにあちこち電話し、場合によっては貢物をねだってうちの会社に送らせてきたりする。 (この貢物というのがまた子供だましで、はっきり言えば、裏の小学校に寄付してもきょうびの子供が喜ぶかどうかわからないシロモノだったりする。長谷さんの前の職場も、処分に困って送ってきたのではないかとさえ思えるほどだ) そうかと思うと今度は別なところに電話しては、数日前に自分が参加してきたセミナーでの話者の視点がずれていたとか、あんなんでよくやっているよとか、言いたい放題なのだ。 以前の同僚の人たちは、長谷さんから電話が来ないか戦々恐々としているのではないかとこっちが心配してしまうほど放埓にあちこちに電話しては、どう考えても今のうちの仕事の延長上とも思えない話を延々と大きな声で続けている。 代表者報告会というのが10日に1回くらいあるのだが、長谷さんは別に何を代表しているというわけでもないのに、相談役という名前がついているので出席してくる。 そこで必ず口にするのは「(以前、自分がいた)○○カブシキガイシャでは」というひとこと。 うちみたいな弱小の企業は「弱小のままだ」「労働環境だってよくないし、福利厚生だって○○の基準では考えられない」し、とにかく長谷さんワールドでは、全部が「○○カブシキガイシャなら考えられない」ことだらけなのだ。 アタリマエじゃ~~~っ。 ○○みたいな、日常生活で避けて通ろうとしても通れないような大企業と、うちみたいな新参の「ソレ、ドコ?」レベルの企業とはわけが違う。 そりゃ、創業数年で○○みたいになればいいが、どんな企業だってそれはまずムリだろう。 うちみたいなスキマ産業は、私も含めて転職・転業してきた人が多いし、だいいち一発何かが売れたらすんごく当たるというような商売ではない。 しかし、それはそれとして、うちの中で「去年より今年、今年より来年」を試行錯誤しながらやっているわけで、創業してからヘタすると100年ほども経ちそうな特大企業と一緒にしないでもらいたい。 もちろん「○○のように考えるから○○のようになれる」という図式がないとは言わないが、時代も変われば時代のニーズも変わる。 別にひがみ根性で言うわけではないが、私は○○が絶対にいいとは思わないし。 その上、長谷さんの悪いところは、私の部下を時々ランダムにランチに連れ出しては、いろんなことを吹くことにあった。 「今日はもういやんなっちゃうよ~、今から残業確定だよ~」とか「あの客、ホントに何回説明してもわからないし、しつこい」とかいろんなグチが思わず口から出る部下に対して「そういう時に○○は結構、真剣に解決を考えてくれるところでね、今のここの会社とは大違い」とか、ばんばん言ってくれていることが徐々に耳に入ってきた。 仕事でのデイリーブリーフィングの際には(それも私が別の会議で不在の時等)まるでわかったようなことを言って、新米くんたちが「(相談役が言うんだから)そうなのか・・・」と思ってしまったり混乱したりすることが何度もあったため、こりゃなんとしてでも早いうちに長谷さんをクビにしてもらおうと決めていた。 最初に長谷さん不要論を山村さんに切り出した時、山村さんの反対は強硬だった。 「長谷さんからは学ぶことがいろいろある、それがまだちゃとさんには見えていないだけ」と厳しく言われた。 私は山村さんに「学ぶことがないとは思っていないが、学べることがあっても、そのプラス部分と、他に及ぼしているマイナス部分を考えると、プラスが上回っていないことが問題だ」とナマイキにも言い返した。 それでも山村さんは自分の意見を変えず、いや、もっと長谷さんから盗め、という話で終わってしまったのが3ヶ月ほど前。 私は非常に悩んだ。 見る目がないのは本当に私のほうなのだろうか。 クマイチに相談すると「山村さんがそこまで言うなら、もしかしたらちゃとにやっぱり見えていないところがあって、山村さんだからそこも見えているってことじゃないか」と言われた。 それから3ヶ月、長谷さんから本当に何か学べることがあるのか、私が何か見落としていないか、ずーっと長谷さんを観察していたのだが、私の結論は変わらなかった。 変わらないどころか以前より一段と「辞めてもらおう、少なくともうちの部署内にどっかり座っていてもらいたくない、できたらそこの机ですら、新入社員の研修用に明け渡してもらいたいくらいだ」という気持ちが強くなった。 自分の独善的な考えではないかと心配にもなったので周りの部署の代表者と個々に会って意見を聞いてみたが、その誰もが「ちゃとさん、どんなふうに長谷さんを使っているんだろ」と思っていた、と言った。 その中の何人かは、部署違いなのに山村さんに「長谷さんがいるメリットは何か」と聞いたそうだが「学ぶところがある、盗め」という山村さんの常套句を聞くだけに終わったそうだ。 それを聞いたある部の代表者は「長谷さんの存在意義とか活用方法がわからんのがオレだけやったらオレがアホなんか、で済んだけど、ちゃとさんも誰も『わからん』のやったら、それはホンモノの役立たずちゃうか」と言ってくれた。 そして今日、山村さんから呼ばれ、長谷さんの話になった。 「その後、長谷さんはどう?長谷さんからちゃとさんの評価はめちゃくちゃ高いよ」で話が始まったのだが、私は山村さんに、できるだけ冷静に「やっぱり長谷さんは要らないです、少なくとも私個人にも私の部署にも」と返答した。 ええっ?という山村さんの顔を見ながら「以前にも山村さんに『長谷さんは使えません』と言ったら『使い方を考えなさい、学べることもあるはず』と言われてずいぶん考えてきました」と切り出し、言いたいことを全部言った。 要するに、使いなさい、学びなさいと言っているのは社内ではどうも山村さんだけのようで、具体的にどこで、何に長谷さんを使うか私にはわからずじまいだった。 社内の部の代表者格とも個別に何度か話したが、その真意がわかるという人は一人もいなかったし、山村さんがそこまで「使えるはず、学べるはず」と思っておられるなら具体的に「こことココ」だと言ってもらえれば私はそうすると言った。 当然、山村さんに答はない。(ないだろうと思っていたし) その上、キツいことを言うなと自分でも思ったが「会社(山村さん)が雇った人に、もともといる誰かが仕事を探してあげる、使い道を考えてあげる、というのは企業としてのあるべき姿ではないと思います」と山村さんに言った。 「会社で仕事をして利潤を追求しようと思うなら、まず、やらなければならない仕事の内容やレベルや目標があるわけですよね。で、その仕事をするための人材を探したり教育をしたりして達成に向かうのが本筋ですよね。なのに、まず人だけは連れてきてその人ができそうな仕事を探してあげるようなことに使える時間は私にはありません。平社員のみんながグチを言ったところで、もしも長谷さんが『今は辛抱のしどころだから』とでも言ってくれるなら別ですが、こう毎回『○○だったら考えられない』的な発言をするなんてもってのほかです。だいたい長谷さんが、まったく仕事と関係ない話で前職の同僚やOBみたいな人に電話しているその電話代が会社から出ているかと思うと、それがたとえ10円だったとしてももったいないとしか私には思えません」 決して感情的に言っているつもりではなかったが、反論の余地を残してはいけないと思った。 「・・・わかった」と山村さんが言った。 長谷さんの居場所が私の部署から山村さん直属のエリアに移ることがそこで確定した。 ただ、山村さんとしては、長谷さんを今後の会社のメリットとして絶対に会社には残したいらしく、お払い箱にはどうしてもしたくなかったようだ。 それはそれでしかたがない。山村さんが雇っている人だ。 私としては、うちの部署で、まるでナニサマと言わんばかりの態度で部署内をうろうろされなければ当面はOKだし、今後はうちのフロアに入室してもらう鍵も渡さないつもりだ。 いくつになろうと、どこの大企業からどこの中小企業に移ろうと、今いる場所で自分を最大限に出せるように学べない人はアウトだ。 前職での過去の栄光を引きずっているだけの「出がらし」には取り合っていられない。

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る