「紙の月」個人的考察 映画と原作本
梨花(りか)の名前の考察 裕福な家庭に育ち、見た目も良いが、中身は空っぽの女。 まるで「リカちゃん人形」みたいな女←と、いう意味でリカ ではないでしょうか。 原作では梨花は 「あでやかな美しさではなく、おろしたての石鹸のような美しさを持つ子」 三井のリハウスのCMで見た目のかわいさでデビューした宮沢りえがキャスティングされたのかもしれません。ラストシーン考察映画ラストシーン りんごを食べるシーン キリスト教聖書 エデンの園にてイヴがリンゴを食べて、すべての罪が始まるシーンを想像させるシーン。リンゴもまるで木の実のような原始的なリンゴでした。 梨花は罪を犯した事の象徴のシーンか、もしくは罪を受け入れて「すべて私だ」と自覚したシーン だと、思います。 原作では梨花が 「私は何でもできるし、どこへでも行ける。私は何を得てこんな気分になっているのか。それとも何を失ってこんな気分になっているのか」 「善も悪も矛盾も理不尽もすべてひっくるめて私という全体なのだと梨花は理解する。 逃げおおせることができると信じている私もまた、私なのだと。 いこう、この先へ」映画では梨花がタイの雑踏に消えるシーンで、おわり。 次の自分を探して先へ進む、強い梨花のまま終了。しかし、原作ラストシーンはこの先3ページ先にある。 「イミグレーション手前までくると硬直したように動けなくなる。」 不信に思った男が声をかけてくる「パスポートを拝見させてもらってもいいでしょうか」 梨花「私をここから連れ出してください。」 で、おわり。 原作ラストの考察 逃げ続けるという、膨大な自由 子供の頃から不正してきたが全て乗り越えた、これからも乗り越えられる自信 そんなはずはない、張りぼて(紙でつくった月)の自信、自分。 *もしかしたら、紙の月→張りぼて→リカちゃんハウス→おままごとタイトル紙の月の考察 映画では指でなぞったら消えてしまう月が、すべての世界は虚構だというシーンがあります。 他の考察の方も書いておられますが、 peperMoonを和訳したもので「にせもの、張りぼて」の意味もあるようです。 ナットキングコールのIts only a peperMoon からタイトル紙の月になったのかもしれません。 他に「peper」はスラングで「お金」の意味もあるそうで、それもかかっているかもしれません。 原作の中には紙の月は直接でてこないと思います。(あったらスイマセン) 月のシーンでは光太と梨花が関係を初めて持った夜明け前、梨花が月を見上げています。 逃亡直前にも月を見ます。 「さっとナイフで切り込みを入れたような細い月がかかっている。いつかどこかで見たことのある月だと梨花は思ったが、いつどこで誰と見たか思い出せなかった」くだらない考察 梨花の亭主正文・・・リアルすぎる。実体験ではなかろうか。モデルがいるのか。映画だけ観た人は原作本も読んでほしい全く別作品と言っていいと思う 女子高時代の友達、元彼、銀行員時代に料理学校での友達が梨花が新聞に出てからの物語もあり、ストーリーが詳細に進みます。