2024/04/25(木)17:25
【讀書録】『量子力学は、本当は量子の話ではない 「奇妙な」解釈からの脱却を探る』フィリップ・ポール 著 読了しました。
やっぱり 量子は解らない
どこかで 光は粒子であり波なんですと 教えられて ふーんそうなんだと憶えましたけど
それが どういうことなのかは 皆目解ってはいない
高等数学を駆使して 量子力学を研究している科学者さんとは 頭の出来が違うのでしょうね
そんな風に卑下していますが(実際大学入試の結果が物語っているように・・・)
しかし 本書を読んで 量子のことを完全に理解している人は
世界中の どこにもいないということが分かって 少しばかり安心しました
量子の奇妙なふるまいについて 様々な実験があきらかにしてきましたが
数学的や確率論的に それについて語ることはなされていても
なぜそうなのかという 量子の正体は いまだに解明されていないのですね
つまり この宇宙のことを この時空のことを この世界のことを
皆目分かっていないのが現実であり 私にとっては絶望的な状況なのです
そんななかで 本書p170の以下の記述が特に気になりました
「今や研究者によっては、時空は実際に量子もつれによってつくられた相互のつながりでできている
のではないか、あるいは量子もつれを超える何かがあるのではないか、と考えている。」
結局のところ 量子についてだけではなく ビッグバンで始まったという宇宙についても
この時空というものを理解しないでは 真実にたどり着けないのではないのでしょうか
あるいは 生命ということさら特殊な 物理化学現象に関しても
時空とその背後に広がるものの理解が必要かも
なんて 妄想してしまうのが 私の悪い癖なのですが・・・
以上 なんとも刺激的な一冊ではありました とってもとっても難しかったけど
そして 量子コンピューターが 危ういテクノロジーであることも・・・
『量子力学は。本当は量子の噺ではない 「奇妙な」解釈からの脱却を探る』
Beyond Weird Why everything you thought you knew abaut quantum physics is different (2018)
著 者 フィリップ・ポール
訳 者 松井信彦
発行所 化学同人
初 版 2023年12月8日
目 次
第1章 量子力学が何を意味しているかを言える者はいない(これが本書の主張である)
第2章 量子力学は、本当は量子の話ではない
第3章 量子物体は波動でも粒子でもない(が、そのようなこともある)
第4章 量子粒子は一度に二つの状態にはない(が、そのようなこともある)
第5章 何が「起こる」かは、それについて何を見出すかによる
第6章 量子論の解釈の仕方にもいろいろある(そして、どれもどうも意味をなさない)
第7章 どのような問いも、答えは「イエス」だ(「ノー」でない限り)
第8章 すべてを一度に知ることはできない
第9章 量子物体の性質がその物体だけに収まっている必要はない
第10章 「不気味な遠隔作用」はない
第11章 日常世界は量子世界の人間スケールにおける現れである
第12章 経験するすべてはそれを引き起こしている何かの(部分的な)複製である
第13章 シュレーディンガーの猫には子がいる
第14章 量子力学はテクノロジーに活かせる
第15章 量子コンピューターが「多くの計算を一度に」実行するとは限らない
第16章 「量子」あなたはほかにいない
第17章 物事はさらにいっそう「量子的」になりえた(ならば、なぜそうではないのか?)
第18章 量子力学の基本法則は思ったよりシンプルかもしれない
第19章 底へはたどりつけるのか?