MY HIDEOUT ~私の隠れ家~

2004/11/08(月)00:10

「透光の樹」 (2004・日本)

映画鑑賞記録(746)

監督・・・根岸吉太郎 原作・・・高樹のぶ子『透光の樹』(文藝春秋刊) 出演・・・秋吉久美子、永島敏行、高橋昌也、吉行和子、寺田農、戸田恵子、他。 ・物語序盤・ 昭和63年。テレビ番組の制作会社を経営する今井郷は、仕事の接待で金沢を訪れた。 彼はそのついでに、25年前に取材した刀鍛冶・山崎火峯の住む鶴来町に立ち寄る。 当時まだ新米だった今井は、山崎の娘の千桐に淡い恋心を抱いていた。 懐かしい記憶を辿って、かつての思い出の町にやってきた今井の前に、千桐らしい女性が現れる。 刀鍛冶の父親は引退して、現在は痴呆が進み、寝たきりの状態だった。 離婚して娘を育てている千桐一家の家計は苦しく、借金の返済にも窮している様子だった。 今井はそんな彼女に、金銭面の援助を申し出る。 その交換条件は千桐の体。 千桐は今井に自分を買ってくれるよう頼むのだった…。 当日は秋吉久美子さんが舞台挨拶に来ていました。 黒いドレスにピンクの柄の布を巻き付けて、綺麗なのか微妙な服装でした。 スタイルは良いのですが、背中を丸めて歩く姿勢はいただけないなぁ。 元祖プッツン女優という事で、噛み合わない司会者との会話に、その片鱗を見せておりました(笑) 「あの~、あの~」って言葉、短い時間で百回は発したかも。 普段実物を見たら、画面で見るより素敵と思えるのですが、彼女の場合は画面の中の方が綺麗でした。(ごめんなさい…汗) 肝心の映画なのですが、本当に舞台挨拶がメインイベントだったような内容でした(笑) 鑑賞して暫く経って、静かに心の中で反芻してみて、思い出せるのはエロシーンだけですねぇ…。 大人の純愛と銘打って作られた作品ですが、大人の立場から言わせて頂いて、あのレベルで純愛という形容を使ってほしくないです。 とにかく冒頭から感じたのは、エロ小説特有の嘘臭さでした。 数年前にヒットした「失楽園」に通ずるものを感じましたね。 あれも嘘っぽいエロスとしか、私には映らなかったのですが、この作品も有り得ないと思える言動や行動がてんこ盛り。 幾つになっても、人を愛する心はあります。 誰かに恋焦がれる気持ち、大いに結構。 でもそれを安っぽいエロスと穿き違えないでほしいですね。 大体二時間の内に、五回もファックを見せる必要性はありましたか? 大人の恋愛を描きたいのなら、裸の絡み合いよりも、心の絡み合いを見せるべきではないですか? 全てがインチキ臭くて興醒め。 ついでに音楽のセンスも、二時間ドラマのようなチープさで、悲しくなってきましたね。 あと腹が立ったのが、癌患者の描写の仕方。 今井が癌の診断を受けた時、真っ先に言った台詞が、「切除したらセックスできなくなる」でした。 そしてその後も「セックスできる内に、できるだけセックスしよう。」 バカもここまでくると頭にきます。 本当に癌で闘病生活を送っている患者さんや、ご家族の方に対して、少しは配慮したらどうですか? 不治の病に冒され、既に末期と診断されているのに、思い当たるのがセックスだけなんて、先ず有り得ないでしょう。 どれだけ痛くて苦しいか…。 にも拘らず、最後まで永島敏行は恰幅のいい体格で、セックス三昧…。 観ている方が情けなくて悲しくなってきました。 全体的に安っぽいAVを見せられているようで、溜め息と欠伸しか出ませんでした。 どうしてもっと互いの心を掘り下げて描かなかったのでしょうか。 「大人」と銘打つのなら、大人としての思考や行動を示してもらいたかったです。 お互いに家族も居るのに、何の葛藤も無しにセックスだけしたいというのでは、無考えな子供のファックじゃないですか。 苦しいけれど狂おしいほど恋しいという、身を切られるような切なさが微塵も表現できなかった点は痛すぎます。 ついでに性描写も中途半端というか、胡散臭かったです。 秋吉のセックスでの感じ方が作り過ぎで不自然。 まだ何も触っていないのに、「ああっん♪」はないだろっ(爆) なんだかなぁ…。疲れましたね。

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