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テーマ:お勧めの一冊(464)
カテゴリ:乃南アサ
出版社: 新潮社 (1997/08) ★★★★★ 子供の意外な怖さを実感できます。 子供の目線から見る大人、大人の目線から見る子供たちの人間模様と不幸な現実が繰り広げられる。 ごく普通のありふれた家庭内に潜む恐怖、一歩間違えると別の世界に踏み入れてしまうことになる恐怖を綴る乃南さんの作品らしい短編集。 ●トゥインクル・ボーイ 大人に褒めて貰いたくて、お母さんの彼氏に好かれたくて、僕は競馬場でおねえさんのバッグから馬券をくすねるのだ、たまに当たっていることがあるから・・・。 ●三つ編み 引っ越した先の隣は居酒屋だった。便利なのでちょくちょく通っていると、その居酒屋の4歳の女の子と仲良くなるが、だんだん我が儘になり「お兄ちゃんのおうちでご飯食べる」と言い出し、定期的に遊びに来るようになったのだが・・・。 ●さくら橋 父親不在の一人っ子のたけし君のお母さんは、芸者をしているので夜は遅い。いつも友達の昌幸君家でご飯を食べている。 「昌幸くんが死んだら、昌幸くんちの子供になれる」とたけしは思った・・・。 ●捨てネコ 僕の父さんは本当の父さんじゃない。 そして、母さんは万引きの常習犯。 僕はイライラするので子猫を拾ってきて・・・。 ●坂の上の家 「悪魔の子」の家族4人は閉店間際に定食屋に入り、いつも1時間も粘っていく。お互い会話もせず雑誌や漫画を読んでいる。 「悪魔の子」兄弟はいじめられっ子だった。そして、近所では放火が頻発しており・・・。 ●青空 早苗は子供が好きなので保母さんになった。だが、ひたすら子供だけを可愛がっていれば良いわけではなく、保護者との関係、同僚や先輩保母との煩わしい関係に嫌気がさした。 さらに、目つきの悪い5歳の園児が新しく入る。母親は挨拶できない息子に手を上げた。 もっと酷いのは園児のほうで、早苗は毎日毎日その園児を叱ることになったのである。 早苗は子供が大嫌いになった。 ●泡 僕の母親は教育ママだ。 お父さんともよく喧嘩している。 お父さんと相談し、ママの魂が抜けるところを見てみたいと思った・・・。 トゥインクル・ボーイ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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