文庫: 383ページ
出版社: 講談社 (2004/08)
再読です。
第47回江戸川乱歩賞受賞作。
選考委員だったという宮部みゆきさんの解説で、選考時の模様などが書かれていて面白かったです。
映画はイマイチらしいですね。
かなりリアルな死刑執行場面です。
冤罪と復讐が複雑に絡み合った事件の真相は・・・。
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飲食店で因縁をつけられたことが原因で、喧嘩相手の男性は後頭部を打ち脳挫傷で死亡、三上純一は2年間服役し終え27歳になっていた。
和解の為の賠償金は7千万だということが、家を出てアパート暮らしをしていた弟から知らされた。
家を売り、親戚中から借りても集まるはずもなく、支払いは今後20年続くという。
弟も殺人犯の兄弟ということで高校にはいられなくなり中退したという。
刑務官の南郷は樹原という男が冤罪により処刑されるかもしれない為、独自に調査を始める。その手伝いを、出所したばかりの三上純一に頼む。
その男が起こした事件の場所は、三上が10年前に彼女と家出をして補導されたあの日あの場所だった。
当時樹原は22歳で軽微の窃盗事件のため保護観察処分を受けていた。その保護司である宇津木夫妻が殺され、近くの路上ではカーブを曲がりきれずバイク事故を起こして重症を負っていたのが樹原だったのである。
保護司の家から盗み出したキャッシュカードを持っていたことから樹原による犯行は明らかだった。
だが、凶器と、無くなった預金通帳と印鑑は発見されていない。
樹原が発見された時、ヘルメットは被っていなかった。いつもは被っていたという証言も得られている。
共犯者がいたのか・・・。
いたのなら何故樹原はそれを言わないのか・・・。
樹原は事故のショックで事件前後の記憶を失っていたのだ・・・。
それでも樹原が一部分だけ記憶を取り戻したという。それは、死ぬかもしれないという恐怖を感じながら階段を上っているところだとうのだ。
別の殺人事件の犯人である可能性、真犯人は保護観察を取り消されるのを妨害する為に犯した無期刑の人間の可能性2つに絞られてきた。
事件の真相は二転三転し、過去と現在が入り乱れた一連の騒動の結末は・・・。
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解説:宮部みゆき
13階段
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