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カテゴリ:□森遊び
茅場広場まではムシムシとしていたが、丸太の橋を渡り森の中に入るとスッと涼しくなった。
湿度も低い。 森の効果を肌で実感する。 いつもの場所に着くなりAちゃん(小学3年女子)はホウの木に登る。 そこが彼女の低位置のように誰もが思ってしまう。 木の上はもっと涼しいらしい。 久しぶりにやってきたMちゃん(小学2年女子)は、樹上のAちゃんを見つめている。 竹の棒にパン生地を巻きつけてパンを焼いたり、ビー玉遊びを習ったり、ターザンロープや葡萄蔓のハンモックでひとしきり遊ぶ。 ふと見るとMちゃんがホウの木の上でニコニコしていた。 隣に座っていたAちゃんにその様子を指し示すと、 「自分で登ってないよ、手伝ってもらってる」。 登りにくい場所は、大人に手を貸してもらっていたようだ。 他の子どもたちがビー玉やターザンロープに熱中している間、Mちゃんはひとりで木にしがみついている。 足の裏で幹を捉えていて、基本姿勢はできている。 筋持久力が足りないのか、しばらくするとずるずると下に滑り落ちてしまう。 Aちゃんは去年自分の力だけでは登れなかった「ミズキ」をひょいひょいと登り、私たちを驚かせる。 幹の途中にあるコブが邪魔をして、どうしてもそれ以上行くことが出来なかった。Fさんに上げてもらったが、納得がいかなかったのだろう、迎えに来た母親にしがみついて静かに泣いたのだった。 半年経って自力で登った彼女は更に上に登り、いつまでも降りてこない。 Mちゃんと二人でトイレまで歩いた。 彼女のクラスの友達の話を聞く。 虫に詳しいDくん。勉強の出来るHさん。足の速いKくんたちの話。 Mちゃんは何が得意なのかと聞くと、少し考えて何もないと言う。 「ビー玉上手だったじゃない。木登りも挑戦していてすごいと思うよ。」 少しして 「この前、逆上がりも出来るようになったよ。 Aちゃん木登りうまくてすごいね。Mもできるようになりたいな。」 と言って、スイカ割りが始まろうとしている場所へ駆けて行った。 ホウの木の上にAちゃんがいる。 幹にしがみつき登ろうとするMちゃん。 4年生のYくんがMちゃんに注意する。 「上に人がいるときは、木がゆれて危ないから登ってはダメだよ」 しばらく上を仰いでいたMちゃんが叫ぶ。 「Aちゃん、もう降りてよー。Mも登りたいよ。」 Aちゃんは遠くを見てそ知らぬふり。 木登り女王の座は譲りたくないというのか。 でもずっとあなたが一番だと思うよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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