夢の中では煩悩爆発!! 『忘却の首と姫(4)』 惣司ろう
忘却の首と姫(4)巻を重ねるごとにますます磨きがかかるイチャデレ○カップルぶり!はいはい、ごちそうさまです。でも決して不快ではありません。むしろ微笑ましくて、気がついたらニヤって顔して読んでます(アブナイ人確定)。以前王様とリリアのピクニックデートを邪魔してくれたベルージャの耄碌国王がいましたね。そのベルージャ国の第13王女で、次期国王でもあるシュテファン・アイリス・ベルージャさんが、従者も付けず一人でヴァンフォーリエへやって来ました。王様とシュテファンは小さい頃からの知り合いで、憎まれ口を言い合える間柄です。王様に馴染んでいるシュテファンを、周囲はヴァンフォーリエの王妃にと考えたこともあったのですが、あまりにも似た者同士でそりが合わず断念。(そのおかげで王様はリリアとお見合い→結婚となったわけです)リリアが気に入ったのか、王様へのイジワルなのか、シュテファンはリリアにべったり。一緒にお風呂に入るは、一緒のベッドで寝るは…(これはどう見ても王様への当てつけだろう…)そして政略結婚なのに仲が良い王様とリリアのことを“ずるい”と思っていて、どうも何か事情がありそうな…翌朝、ベルージャの一行が到着します。その中の一人、ジークハルト・ベルージャはシュテファンの従兄で婚約者でもあるのですが、シュテファンは彼との婚約を認めていません。リリアには、シュテファンがジークハルトを愛しているように見えるのですが…実は二人の婚約は、シュテファンが王位につくことに反対していた者たちを黙らせるため、ジークと婚姻を結ぶことで納得させるといういきさつがあったんです。王様に相談したリリアは、シュテファンに決闘を申し込みます。リリアが勝ったらシュテファンはジークハルトと結婚する、シュテファンが勝ったらジークハルトと結婚しなくてもベルージャの王位につけるよう尽力することが条件です。「元々僕らの問題だ 僕らで決着をつけるべきなんだ」剣の覚えが全くないリリアに代わって、ジークハルトがシュテファンと決闘することに。結果、ジークハルトが勝利し、シュテファンはジークハルトとの結婚を承諾します。でもね、いやいやじゃないんですよ。ほんとは相思相愛なんです。ただシュテファンが意地を張っていただけなんです。要するに、この二人も○カップルだったんですわ。隣国の結婚問題に巻き込まれ、振り回されたリリアと王様がお気の毒… かと思いきや、どんな時でも平常運転のイチャデレぶり… 降参…もうひとつは妖精族のお祭りエピソードです。王様におねだりして年に一度の妖精族のお祭りに出かけたリリア。もちろん王様も一緒です。ガーネットさんたちに勧められ、天然のふかふかベッドでごろごろしている時(もちろん王様も一緒)、夢魔・ファントムの術で寝こけてしまいました(もちろん王様も一緒)。そして二人の夢が混ざり合うことに。 王様がこれまでに何百回と見ている、黒い化け物(?)に食われてしまう夢の中に,リリアも入りこんでしまいます。怪物が迫ってくるっていう時に、王様はリリアをぎゅうぅぅっとしてみたり(夢の中だから平気なんですね)、リリアはリリアでぎゅうぅぅってし返すし…そんなことしとる場合かっ!夢の中での王様は短髪なんですが、「髪の毛が長くても短くてもどちらでもいい」なんてノロケてる場合かっ!!という具合に、○カップルは夢の中でも○カップルなのでした。黒い化け物に襲われた王様とリリアは、果たしてどうなるのでしょうか?続きは次巻です。【内容紹介】首なし王との146歳差の結婚生活が日々ますます楽しいリリア姫。そんな中、リリアの前に現れたのは赤い髪のナイト様! 隣国の結婚問題が首なし王とリリアの間に大ダメージ……!? 2014年5月刊。