Come on!

2006/02/15(水)13:19

キテレツフェチ。の巻。

『イン・ザ・プール』を観ました。 言わずと知られてしまった直木賞受賞作品、『空中ブランコ』の伊良部シリーズ。 原作を初めて読んだとき、ほんっとに面白くてしょーがなかった。 久しぶりに素敵な作家を発掘したなーと思ってたら、 結構直後に大きな賞を獲って、トントン拍子で映画化されてしまった。 しかも伊良部役に松尾スズキ、患者役にジョー、田辺誠一、市川美和子て豪華過ぎ!! ・・でも映画館に行くには至らなかったのよね、なんとなく。 原作付の映画で、先に原作を読んでて、しかも大好きな作品だったりすると、 別物として観るべき!と分かっていながらも、ガッカリするパターンが9割。 しかし、これは奇蹟が起こって残りの1割に食い込んだと思う。 原作より面白かった!っていうことではない。 元ある設定をちゃんと生かしつつ、独自の空気で成功している。 原作は、もう読んだの二年前位だから詳しく覚えてないけど 主人公・伊良部はもっとでっぷりした脂ぎった坊ちゃんで、 大分ハチャメチャでドタバタしてた気がする。 けど映画版では、松尾氏のゆる~い雰囲気がいい意味でぬるい空気を醸し出して、 まったりしつつ、ダラダラしてない、程よいバランスで 新しい伊良部ワールドを作り挙げている。 患者役も皆、味が出てて最適。 ジョーは起ちっぱなしの気弱なバツイチサラリーマン。 あたしはこの人のおどおどした演技が凄く好きなので(だから『時効警察』も大好き)、 今回とっても良かった。二枚目が二枚目の役やってもつまんないからね。 市川美和子(実は姉と妹の区別がつかない)も可愛い。 家を出ても、鍵は閉めてきたっけ?ガスは?コンセントは?っていちいち気になってしまう強迫観念症。 一番病気っぽくない病気なんだけど、あるある・・て納得する場面、多し。 田辺誠一は他の二人とはちょっと違う扱い。 ストレス発散のためにプールに通う様になったのだけど、 最後はプールに行けないことがストレスとなってしまうっていう本末転倒な事態を起こす彼。 『イン・ザ・プール』は彼が主役のお話だったし、 映画自体のタイトルにもなってるから、どうなるんかな?と思ってたら・・ 凄く良いオチだったわ。 徐々にキレていくとこも巧かったー。 もちろんスズキ氏も素敵。 つーか、素っぽい。 普通の行動が、キテるっぽい。 ・・これは褒め言葉になるのか? でも伊良部を演じるにいたっては、とっても良かったと思うわ。 ヘラヘラしてて適当で、大丈夫かコイツ?って不安になるんだけど、 サラリと確信めいたことを言ってのけて、 ・・コイツ、ほんとはメチャメチャ大物なんじゃ・・て、ゾッとさせる。 私生活どーなってんの?て気になってしょーがないんだけど、 怖くて聞けない・・地雷多そうだし。みたいな。 伊良部はそんな奴だし、スズキ氏自身そんな感じだから、まさしくハマり役。 ドラマ版はドラゴン・阿部寛でしょー、見てないけど。 あの人が演ると全部熱くなっちゃいそー、見てないけど。 とっても面白かったです。 連作集の原作を、1つの話にまとめたらこうなった。みたいな。 監督の技術? これなら原作者も満足でしょう。 生でキテレツな演技を観てから、田辺誠一大好きな私。 この人も、二枚目な役より三枚目キャラのが素敵よねー。 あ、紫の薔薇の人は別ね。 『2001年の男運』は良かったよねー。 でも『きみはペット』の蓮見くん役はこの人以外考えられない。 てか、この人がモデルなんじゃないの?て思ってたら、 ドラマでほんとに演ってた。機会があったら是非観てみよう。 但し、モモ役は小栗旬あたりが良かったと思う。

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