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2022年が明けて、少したったころ「チャイルド44」の映画をDVDで見た。原作が面白かったし、映画もそれなりに評価が高かったので。まさか、その後ロシアが侵攻すると思いもしなかった。
チャイルド44 森に消えた子供たち [ トム・ハーディ ] ロシアがまだソビエト連邦という広大な国であったころ、実際に起きた猟奇連続殺人事件を中心に据えて展開していく物語。 特別捜査官のレオが主役であり、事件を捜査していくのだけれど、それとは別に当時のソビエト支配の凄まじさが物語の大きな背景になっている。 まず、事件を解決する必要はないのだ。 「この楽園の国には殺人など起こらない」 だから、殺人犯もしないし、悲惨な状況で死んだ子供たちは、みんな事故で死んだのだ。 「私たちは誰も殺してはいない」 まさに今のロシアと同じ発言ではないか。 唖然とする。あの国は何も変わってはいない。 改めて気づく。スターリンの時代はまだ、そんな大昔ではないんだ。 レオはそんな上からの命令にそむき、子供たちの被害をとめるために犯人捜しに乗り出す。 国に歯向かう輩に容赦はない。 レオは家族を守るため妻とともに逃亡劇を繰り広げる。 物語としては爽快で面白い。 レオ以外は、みんな下を向く。 家族もいるし生活もある。 密告、スパイ、分断を同じ国民の中で繰り返しながら進んで行く物語はあまりにも救いようがない。 でもラストは変わりゆくロシアに希望を見出して終わる。 あー、それなのになあー――って感じだ。 私たちは対岸の火事だ、今のところ。 でもみんなレオになれるだろうか。 絶対的な力の前に両手を広げられるだろうか。 トム・ハーディーは、自分の頭の中で描いていたレオに比べあまりにガタイがよかったので、非力感がなかったが、映画は普通に面白かった。でも原作読んでないとわかりづらいかも。 上下巻の長編を映画の時間内でやるのには無理があるから、それは仕方ない。 昔ベルサイユのバラに引用されていた言葉を思いだす。 「歴史の歯車を逆に回転させようとするものは、必ず滅びる」 あまりにも時代錯誤な現実を目の当たりにして、思う。 チャイルド44の時代に無かったもの、 ネットだ。 にほんブログ村 チャイルド44 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022年03月16日 10時50分05秒
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